【2020】密葬とはどんな意味?行われる理由は?家族葬との違い・香典の必要の有無

密葬のイメージ 一般知識・マナー

密葬は、小規模なお葬式が選ばれるようになる前から、大きな葬儀の前に遺族だけで行われてきたお別れの儀式です。

現在では、ライフスタイルの変化やさまざまな事情のより、密葬だけを行う遺族も増えてきました。

密葬というとひっそりとしたイメージがありますが、実際に密葬での葬儀を選択した場合、どのような流れで行われるのでしょうか?

今回は、密葬の形式や流れとともに、密葬を行う時や参列する際の注意点について詳しく解説します。

密葬とは

祭壇に手を合わせる女の子

密葬というと、「著名人が亡くなった時に行われるもの」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか?

確かに、密葬は大きな葬儀を行う前、遺族だけでひっそりと見送り火葬をしますが、最近では小規模葬の一つとして密葬を選ぶ人も少なくありません。

その一方で、同じ小規模葬である「家族葬」と混同し、どちらで見送るべきか悩む人もいます。

では、密葬とはどのような理由で行われるものなのか、家族葬との違いも交えて詳しく解説しましょう。

密葬を行う理由

密葬とは、本来「本葬」と呼ばれる大きな葬儀の前に、遺族や親族・親しい人たちだけでゆっくりとお別れをするために行われる葬儀です。

本葬が後から行われるため、その前に行われる小規模な葬儀を密葬と呼んでいます。

 

亡くなった故人が著名人だったり、企業の社長や社会的地位により交友関係が広かった場合、多くの参列者がお通夜やお葬式に足を運ぶ可能性があります。

もし密葬が行われなかった場合、遺族は多くの参列者への対応に追われてしまい、故人との最期の時間をゆっくり過ごすことができません。

密葬という儀式があれば、本葬の前に遺族・親族だけで心置きなく故人とお別れできます。

故人を遺族・親族だけで見送る機会を作ること、それが密葬を行う理由です。

家族葬との違い

密葬について語る時、よく勘違いされるのが家族葬です。

家族葬も小規模葬の一つで、規模によっては10人に満たない遺族・親族で見送ることもありますから、密葬と間違われることも少なくありません。

しかし、家族葬の形式は「小さな一般葬」に近く、葬儀の内容や流れなどもほとんど同じです。

また、密葬は後日に本葬が行われるのに対し、家族葬はそれだけで本葬と認識されます。

近年では、遺族による密葬のみで終わるケースも増えてきましたが、密葬と家族葬では葬儀の内容や流れも変わりますので注意しましょう。

密葬の形式

焚かれている線香

密葬を行う場合、その形式には種類があります。

では、具体的にどのような形式があるのか、密葬の形式について解説していきましょう。

形式
  • 直葬・火葬式
  • ごく内輪の家族葬

形式①:直葬・火葬式

密葬の形式で多いのは、「直葬」や「火葬式」です。

直葬とは、お通夜やお葬式を行わず、納棺した後すぐに火葬する形式の葬儀です。

火葬式も同様で、故人が亡くなった後お通夜やお葬式をせず、納棺したらすぐに故人の遺体を火葬します。

直葬や火葬式は、平均的な費用が約12万円前後なので、経済的負担を軽減するために選ぶ人も少なくありません。

ちなみに、法律では「故人の死亡が確認されてから24時間は火葬してはいけない」と決まっているため、お通夜やお葬式をしなくても、故人を安置して見守る時間があることを理解しておきましょう。

形式②:ごく内輪の家族葬

故人とごく近しい遺族や親族だけが集まり、数人で家族葬をして故人を見送る形式です。

家族葬に参列者の人数は、10人以下から30人を超えるケースまで、幅広く選択できます。

したがって、参列者の人数をごく内輪に限定し、家族葬の形式で故人を見送り密葬とするのです。

 

家族葬は、一般葬とほぼ同じ内容・流れで行われますが、ごく内輪の家族葬の場合は内容も流れも自由に決められます。

最近では、20万から30万円ほどでごく内輪の家族葬を行うプランもありますので、気になる場合は葬儀社に問い合わせてみましょう。

密葬の流れ

密葬は、一般葬や家族葬と内容が異なるため、具体的なイメージが掴めないという人もいることでしょう。

密葬の流れを詳細に知っておくと、葬儀の形式を検討する時に迷うことも少なくなります。

ここでは、密葬の流れを12項目に分け、具体的にイメージできるよう詳しく解説していきましょう。

密葬の流れ
  • ご臨終
  • 関係者のみに連絡
  • 故人の遺体を引き取る
  • 故人の遺体を安置
  • 葬儀社と打ち合わせ
  • 納棺
  • お通夜
  • お別れの儀式
  • 火葬
  • お骨拾い
  • 帰宅
  • 精進上げ

流れ①:ご臨終

故人が亡くなられてすぐから、密葬の手配が始まります。

最初に行うのは、ご臨終を迎えた故人の死亡診断書発行手続きです。

死亡診断書は、公的医療機関や介護施設等から発行される書類で、この書類がなければ故人が亡くなったことを証明できません。

死亡診断書は、死亡届と一緒に市町村役場に提出します。

流れ②:関係者のみに連絡

故人が死亡診断を受けた後、遺体は病院でエンゼルケアを受けますので、その間に関係者に連絡しましょう。

密葬における関係者とは、密葬をお願いする葬儀社や遺族・親族です。

密葬の場合は遺族やごく親しい人のみで行われますので、連絡先は「密葬に出席して欲しい人」だけにしてください。

連絡する際には密葬であることを伝え、周囲の人に知らせないようお願いしましょう。

流れ③:故人の遺体を引き取る

エンゼルケアが終わったら、故人の遺体を搬送車に乗せて引き取ります。

搬送先は、密葬が行われる葬儀場や自宅です。

納棺が行われるまで遺体が安置されますので、ある程度の広さがある部屋を用意しましょう。

流れ④:故人の遺体を安置

引き取った遺体を会場に運び、故人の遺体を安置します。

あらかじめ布団などを用意しておき、遺体を寝かせる場所を作っておくと良いでしょう。

流れ⑤:葬儀社と打ち合わせ

故人の遺体を安置したら、葬儀社と密葬の詳細を打ち合わせします。

ここで話し合われるのは、火葬日・供花・棺のサイズや仏具の相談・読経の有無などです。

 

実は、密葬の場合は宗教者による儀式を省いてお別れ会をすることも多いため、話し合う内容には違いが出てきます。

できるだけシンプルにしたい場合は、具体的なイメージを葬儀社の人に伝えるようにし、細かいところまで意志の疎通を図っておきましょう。

流れ⑥:納棺

葬儀社との話し合いが済んだら、故人の遺体を納棺します。

納棺の儀式は、密葬でも一般葬とほとんど変わりません。

 

もし故人に持たせたいものがある場合は、納棺の時に一緒に棺へ納めましょう。

ただし、金属や水分が多いものなどは火葬の妨げになりますので、入れても大丈夫な品物かを必ず確認してください。

流れ⑦:お通夜

納棺が済んだら、故人の遺体を一晩見守るお通夜を迎えます。

密葬におけるお通夜では一般参列者もなくお通夜の儀式をしないことも多いため、一晩線香を焚きながら静かに過ごすことが多いです。

ごく内輪の人たちだけで故人を見守り、ゆっくりとお別れの時間を過ごしてください。

流れ⑧:お別れの儀式

お通夜の翌日に行われるのが、故人とのお別れの儀式です。

お別れの儀式は本葬でいう告別式にあたるもので、出棺の時間まで棺に花を納めたり故人にお別れを告げたりします。

お別れの儀式が済んだら、火葬場へ向けて出棺です。

流れ⑨:火葬

火葬場に到着すると、すでに火葬場の人が待機をしています。

棺を火葬場の台車へ移し、火葬部屋まで移動しましょう。

 

火葬が始まったら、遺族・親族はお骨が焼き上がるまで控え室で待機します。

火葬時間は故人の年齢によっても異なりますが、大人で約90分を目安にしてください。

流れ⑩:お骨拾い

お骨が焼き上がったら、部屋を移動してご遺骨を拾います。

お骨には拾う順番がありますので、火葬場の人の指示にしたがってお骨拾いをしましょう。

ご遺骨を骨壺に納めたらお骨拾いの終了です。

流れ⑪:帰宅

火葬がすべて終わったら、遺族・親族はそれぞれに帰宅するのですが、この後に精進上げをするかどうかで移動先が変わります。

もし精進上げを予定しているのであれば、火葬場から精進上げの場所まで移動してください。

精進上げの予定がない、または精進上げに出席しないのであれば、帰宅しても問題ありません。

流れ⑫:精進上げ

密葬は、ごく親しい人達だけが集まって行う葬儀なので、精進上げも数人でひっそり行うケースが多いです。

例えば、故人の馴染みだった店の個室を予約しておいたり、故人の自宅でゆっくりと食事をするなど、状況に合わせた精進上げの方法があります。

参列者の人数にもよりますが、出席する人の好みなどに合わせて精進上げの席を設けてみましょう。

密葬に参列できる人

密葬には、限られた人数の人しか参列できません。

したがって、あらかじめ密葬に呼ぶ人をリストアップしておくと、連絡する時にもスムーズに話を進められます。

では、密葬に参列できるのはどのような人なのか、具体的な例を挙げてご紹介しましょう。

故人の遺族

密葬で一番最初に呼ぶべき人は、故人に近しい遺族です。

具体的な例を挙げると、故人からみて二親等以内の人が遺族として密葬に参列します。

ただし、さまざまな事情により遺族と連絡が取れない場合は、必ずしも遺族である必要はありません。

故人の親族

遺族の次に密葬に呼ぶべき対象は、故人の親族にあたる人です。

具体的には、故人の三親等以上、故人の叔父叔母やいとこなどがこれにあたります。

ただし、こちらの場合もさまざまな事情により疎遠になっている場合は、無理に密葬に呼ぶ必要はありません。

親族の人数が多い場合は、密葬であることを伝えて代表者のみに連絡するなど、遺族側で話し合ってみても良いでしょう。

遺族から招待を受けた人

故人の遺族・親族ではない人も、密葬を行う遺族から直接招待を受けた場合は、故人の密葬に参列できます。

密葬は故人と本当に親しい人たちだけで行うものですから、故人の交友関係も考えた上で招待するようにしましょう。

その際、招待を受けた人から密葬の情報が漏れるといけませんので、密葬の会場や日時などは絶対に漏らさないようお願いしてください。

密葬の服装

密葬であっても、故人を見送る大切な儀式ですから、相応しい服装で参列しなければなりません。

葬儀関係の服装には、「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類があります。

 

正喪服はいわゆるブラックフォーマルで、和装の場合は男性が「黒紋付」、女性は「黒無地黒帯」が基本になります。

準喪服は、男性が「光沢のないブラックスーツに黒のネクタイ」、女性は「透け感のない黒のワンピースやツーピース」です。

略喪服とは、簡単にいうと「黒っぽい色の洋服」になるのですが、葬儀関係では無地で目立たない色であれば良いというケースもあります。

では、密葬に参列する場合はどの服装がふさわしいのか、具体的なケースを紹介しましょう。

基本は準喪服以上

密葬に参列する場合、基本になるのは準喪服以上の服装です。

正喪服か準喪服かで悩む場合は、正喪服にしておくと間違いがありません。

ただし、遺族が準喪服なのに参列者が正喪服だと、遺族が恐縮したり恥ずかしいと思う可能性もあります。

そのため、遺族に招待されて参列する場合は準喪服にしておくと良いでしょう。

直葬は略喪服の場合もある

同じ密葬であっても、ほとんど儀式がない直葬の場合は、略喪服で参列するケースもあります。

ただし、こちらも遺族の服装との兼ね合いがありますので、服装の基準がよくわからない場合は直接遺族に尋ねてみましょう。

「平服で」と言われた場合は、準喪服か略喪服で参列してください。

遺族は準喪服以上で参列する

密葬を行う遺族は、準喪服以上で参列するのが一般的です。

遺族が準喪服以上で参列していれば、招待する参列者が迷うことがありません。

本当に気心が知れている数人だけで密葬をする場合は、事前に服装の打つ合わせをしておくと良いでしょう。

密葬の香典

袱紗と香典

密葬の場合、大きな葬儀ではないものの密やかに行われるため、香典をどうするべきか悩む人も多いことでしょう。

ここでは、密葬の香典をどのように扱うべきかについて、ケース別に分けて解説します。

必要の有無は遺族の意向に従う

密葬の場合、香典については遺族の意向に従ってください。

例えば、密葬の連絡を受けた時に「香典は辞退します」と言われたら、香典を用意する必要はありません。

逆に、香典について何も言われていない場合は必ず用意しておき、その場で「辞退します」と言われたら無理に渡さないようにしましょう。

香典辞退の場合は事前に知らせる

密葬を行う遺族は、香典を辞退する時にはできるだけ事前に知らせるようにしてください。

密葬で招待する人は決まっていますから、最初の連絡で伝えられなくても後からお知らせで伝えるようにします。

香典辞退を密葬の直前に決めた場合は、感謝の気持ちを述べた上で丁寧にお断りしてください。

親族からの香典は受け取っておく

香典辞退をしていても、親族からの香典は受け取っておくのが礼儀です。

もともと香典は、お互いの助け合いの気持ちから生まれているものですから、親族から香典を渡された場合はありがたく受け取っておきましょう。

【遺族側】密葬を行う際の注意点

密葬は、小規模葬の中でもかなり密やかに行われるものですから、遺族は注意をしなければならないことがあります。

では、密葬を行う場合どのような点に気を付けなければならないのか、注意点を詳しく解説しましょう。

遺族側の注意点
  • 事前に親族からの理解を求めておく
  • 周囲に知られないように連絡する
  • 本葬をしない場合は対応策を考える

注意点①:事前に親族からの理解を求めておく

密葬は、一般葬と比べると内容的にも異なる部分が多いため、親族からの理解が得られない可能性があります。

とくに、お年を召した親族が反対することも多く、密葬の後に揉める可能性もあります。

密葬を行う場合は、事前に親族へ事情を説明して理解を求めておきましょう。

注意点②:周囲に知られないように連絡する

一般葬の場合、数人に連絡すると訃報が人伝てに知られ、結果的に多くの人が参列します。

しかし、密葬はあらかじめ招待する人数が限られるため、周囲に知られると対応に困ることになりかねません。

密葬を行う場合は、周囲に知られないよう連絡をするほか、連絡した人にも口止めをお願いしましょう。

注意点③:本葬をしない場合は対応策を考える

密葬は、その後に本葬をするのが基本です。

しかし、現在では密葬だけを行い、本葬をしないケースも増えてきました。

 

本葬をしない場合、参列できなかった人が日を改めて個別に故人宅へ弔問に訪れる可能性があります。

それでも大丈夫なら問題ありませんが、もし何かしらの事情で密葬を行った場合、訪れた弔問客への対応で遺族に負担が掛かる可能性があります。

密葬だけで本葬をしない場合は、訃報のお知らせなどで弔問を遠慮して頂くようお伝えするなど、対応策をしっかり考えておきましょう。

【参列者側】密葬に参列する際の注意点

参列者側の注意点
  • 招待されてない場合は参列を控える
  • 招待されてない人を連れて行かない
  • 香典は遺族の意向に沿って用意する
  • 弔電や供花を勝手に送らない
  • 招待されたことを周囲に知られないようにする

密葬に参列する人にも、密葬であることを考えて気をつけなければならないことがあります。

ここでは、密葬に参列する際の注意点をご紹介しますので、事前によく確認して参考にしてみてください。

注意点①:招待されてない場合は参列を控える

密葬は、遺族から招待されている人だけが参列できます。

もし故人の密葬が行われる場所や日時を知っていたとしても、遺族から直接招待されていないのなら参列は控えるようにしましょう。

注意点②:招待されてない人を連れて行かない

密葬の参列に招待された場合、ほかの招待されていない人から「連れて行って欲しい」と頼まれても、絶対に連れて行ってはなりません。

密葬の参列者は、遺族の意向によって少人数に決められています。

予想外の人を連れて行ってしまうと、遺族に失礼なだけではなく負担を掛けることもありますので、招待されていない人は連れて行かないようにしましょう。

注意点③:香典は遺族の意向に沿って用意する

密葬の香典は、遺族の意向によって扱いが決まってきます。

遺族が香典辞退をするのであれば渡してはいけませんし、遺族が何も言わないのであれば渡すのが礼儀です。

密葬で香典を辞退するかどうかは遺族の判断になりますので、参列者は遺族の意向に合わせて用意しましょう。

注意点④:弔電や供花を勝手に送らない

密葬の招待を受けており、どうしても密葬に参列できない場合、弔電や供花を送るべきか迷う人も少なくありません。

しかし、密葬は一般葬と内容も異なりますので、勝手に弔電や供花を送ると遺族に迷惑が掛かることがあります。

どうしてもという時には事前に遺族へ確認し、遺族の意向を聞いてから手配するようにしましょう。

注意点⑤:招待されたことを周囲に知られないようにする

密葬は、限られた人たちだけで密やかに行われる儀式です。

遺族から招待された人だけが参列できますので、そのことを周囲の人に知られないように気をつけましょう。

周囲の人に知られると、無理に密葬に参列しようとしたり、日時や場所だけでも聞いて弔電や供花を送る可能性もあります。

密葬に招待されたら、遺族の心情も考慮して周囲に知られないようにしてください。

まとめ

線香がたかれた仏壇

密葬を行う場合は、一般葬や家族葬とは違った流れで行われる分、気をつけるべき点や考慮しなければならないことがあります。

遺族側も参列者側も、密葬の意味や注意点をよく理解して、お互いが気持ちよく故人を見送れるよう配慮しましょう。

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