お通夜の席に参列するとき、お通夜に相応しい服装や髪型で悩むことも多いですよね。
特に、髪型はお通夜に相応しい形で整えていないと、周囲から浮いてしまったり遺族に対して失礼にあたるかもしれません。
そこで今回は、お通夜に相応しい髪型の基本や具体例、お通夜の髪型で注意するべき点について詳しく解説します。
お通夜に相応しい髪型の基本

お通夜とは、故人とお別れをして一晩見守る厳かな儀式です。
したがって、それに参列する人はお通夜に相応しい髪型にし、故人への哀悼の意や遺族に対する礼儀を示さなければなりません。
では、お通夜に相応しい髪型とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?
ここでは、お通夜に相応しい髪型の基本を紹介しましょう。
- 清潔感がある
- 髪色が暗めで落ち着いている
- 髪型が整っている
清潔感がある
お通夜の髪型で一番に大切なのは、清潔感があるという点です。
お通夜は故人を見送るための正式な儀式ですから、参列者も故人に哀悼と敬意を表し、清潔な状態で参列しなければなりません。
汚れて皮脂が浮いていたり、脂でペッタリとした髪の毛は、故人や遺族に対して失礼なだけではなく、他の参列者にも不快に思われてしまいます。
お通夜に参列するときは、髪の毛の清潔な状態に整えてから参列しましょう。
髪色が暗めで落ち着いている
お通夜は人生の弔事でありしめやかな席なので、派手な髪色で参列するのは良いことではありません。
「真っ黒でなければならない」というわけではありませんが、できれば黒、最低でもダークブラウンくらいを目安にし、暗めで落ち着いている色にしましょう。
日常的に染めていて、急な不幸で美容院に間に合わないという場合は、暗い色のヘアマニキュアなどで髪色を落ち着かせてください。
髪型が整っている
お通夜の髪型では、おしゃれとして毛先がはねていたり、ふんわりとしたパーマでシルエットを出しているよりも、整った髪型で誠実さが表れている方が好まれます。
例えば、普段ヘアアイロンなどでゆるふわのパーマ状になっている髪を、真っ直ぐ伸ばして黒い髪ゴムでまとめたり、おしゃれで伸ばしている前髪をヘアピンで止めて、顔がはっきりわかるようにする感じです。
男性の場合は、ルーズに垂らしている髪は整髪剤などで整え、顔に落ちてこないように整えてください。
お通夜にお子さんを連れていく場合は、髪がばらけないようにまとめたり、長めの髪を切り揃えるなどして、整った髪型にしてから同行するようにしましょう。
【男性】お通夜に相応しい髪型

近年、男性でも自由な髪型を楽しむ人が増え、昔に比べるとお通夜の席でも個性的な髪型が見られるようになってきました。
しかし、あまりに個性的な髪型はお通夜の席でも浮きますし、人となりを見られることもあるので注意しなければなりません。
では、男性がお通夜に参列するときに相応しい髪型にはどのようなものがあるのか、具体的な例を解説していきましょう。
- スポーツタイプの短い髪型
- 七三分けで整った髪型
- オールバック
スポーツタイプの短い髪型
スポーツタイプで短い髪型の場合、顔もすっきりと見え襟足も揃っているので、お通夜に相応しい髪型としておすすめです。
髪の毛が肩に落ちたり前髪が顔を隠すことがないため、お通夜という儀式に相応しい髪型と言えるでしょう。
ただし、スポーツタイプの短い髪型であっても、おしゃれとして剃り込みが入っていると、かえって目立つ可能性があります。
もし剃り込みなどがある場合は事前に美容室に相談し、お通夜の参列前に目立たないよう整えましょう。
七三分けで整った髪型
前髪や横髪にある程度の長さがある場合は、七三分けで整った髪型にするとお通夜に相応しくなります。
長めの髪でも、七三に分けて整髪剤で整えれば、顔に落ちてこず髪を掻き上げる心配はありません。
七三分けの髪型は、お通夜だけではなくお祝い事のフォーマルな席でも求められる髪型です。
普段はおしゃれとして前髪を長めにしている人も、お通夜では七三分けにして髪型を整えてみましょう。
オールバック
オールバックは、前髪や横髪を全体的に後ろへ流し、整髪剤で整えて落ちてこないようにする髪型です。
お通夜の席でもオールバックにする男性は多く、目よりも下まで前髪があるならオールバックに整え、顔が見えるようにすると良いでしょう。
ただし、髪の毛が一筋横顔に垂れてしまうと、お通夜の席には相応しくありません。
前髪も横髪も顔にかからないよう、整髪剤でしっかりまとめておきましょう。
【女性】お通夜に相応しい髪型

女性の場合、髪の毛の長さやヘアスタイルも千差万別なため、お通夜に相応しい髪型をどのようにするか迷う人も少なくありません。
お通夜に相応しい女性の髪型とは、一言でいうと「顔が見えてまとまっている髪型」です。
では、具体的にはどのような髪型が良いのか、髪の毛の長さに分けてご紹介しましょう。
- ロングの場合
- セミロングの場合
- ボブ・ショートの場合
ロングの場合
髪の毛がロングヘアの女性の場合、動いたときに広がらず周囲の人に迷惑を掛けない髪型が好まれます。
具体的な髪型の例は次のようになりますので、ロングヘアの女性に相応しいお通夜の髪型の参考にしてみてください。
耳より下の位置でポニーテール
一般的なポニーテールは、後頭部の中央、耳よりも少し高い位置でまとめますよね。
しかし、お通夜に相応しい髪型にするためには、耳よりも下の位置でポニーテールにし、動いても髪の毛が広がらないようにします。
ただし、髪の毛が腰まであり量も多い場合は、少し大きい動きをするだけでも広がるかも知れません。
そのような場合はうなじあたりまで結ぶ位置を下げ、頭の動きで髪の毛が揺れないよう工夫してみましょう。
耳より下の位置でお団子ヘア
髪の長さが肩甲骨あたりまであるのなら、耳よりしたの位置で一つにまとめた後、くるくる捻ってお団子ヘアにするのも良い方法です。
長くてストレートな髪型なら、くるくる捻るだけでも髪の毛を乱さず、綺麗にお団子ヘアにできます。
お通夜の髪型では、三つ編みは相応しくないとされていますので、お団子ヘアを作る場合も三つ編みにしない方法で髪をまとめましょう。
セミロングの場合
セミロングとは、一般的に鎖骨よりも少し下あたりまでの長さがある髪のことです。
セミロングの女性の場合、お通夜に相応しいのは「綺麗にまとまっている髪型」です。
具体的な例は以下のようになっていますので、セミロングの女性に相応しいお通夜の髪型を作ってみましょう。
耳より下の位置で一つ結び
セミロングの女性の場合、おしゃれで横髪も前身に垂らす人がいますが、お通夜の席ではそのような髪型は相応しくありません。
セミロングの女性がお通夜に参列する時は、横髪から後ろ髪までをきっちりと頭の後ろにまとめ、耳よりも下の位置で一つ結びにしてください。
シャギーなどを入れて長さに遊びがある場合は、まとめきれなかった髪の毛を黒いヘアピンなどでまとめ、きっちりとした印象の髪型にしましょう。
耳より下の位置でくるりんぱ
少し長めのセミロングで、髪をまとめている髪ゴムを見せたくない場合は、「くるりんぱ」をして髪の毛で髪ゴムを隠す方法もあります。
ただし、くるりんぱをしてわざと後毛を出すのは、髪型は華やかになってしまうのでお通夜の髪型として相応しくありません。
お通夜の髪型は、清潔で綺麗に整っていることが基本なので、くるりんぱをする場合も後毛が出ないよう注意してください。
ボブ・ショートの場合
ボブやショートの女性がお通夜に参列する場合は、「顔が見える整った髪型」になるようにします。
ゆるふわのパーマや顔が見えない髪型はNGなので、次の髪型を参考にしてお通夜に相応しい髪型を作っていきましょう。
ストレートヘア
ボブやショートヘアの長さの場合、ストレートヘアにするとそれだけでも髪型は整います。
生まれつきクセがある髪型の場合も、ヘアアイロンなどで髪を整えたり、ブラッシングしてクセのない髪型にまとめてみましょう。
日常的にパーマが掛かっており、突然の不幸で美容院に行く時間が取れない場合は、綺麗に髪を後ろに流して遊びのない髪型に整えてください。
前髪だけヘアピンで止める
ボブやショートヘアの場合、髪自体は短いのですが前髪が長いケースもあります。
長い前髪は顔を隠しますし、頻繁に前髪を掻き上げるのもお通夜には相応しくありませんので、落ちてくる前髪はペアピンなどで止めましょう。
ある程度の長さがあると、綺麗に両サイドに分けてヘアピンで止め、横髪でヘアピンを隠すこともできます。
お通夜に相応しいのは清潔で整った髪型ですので、お通夜の席で邪魔にならないよう綺麗に整えてから参列するようにしてください。
【子供】お通夜に相応しい髪型

「子供はそこまで気にしなくても大丈夫なのでは?」と思われるかも知れませんが、お通夜という大切な席に参列する場合は、子供でもお通夜に相応しい髪型が望まれます。
では、子供がお通夜に参列する場合はどのような髪型は相応しいのか、具体的な例を紹介しましょう。
- 長髪は耳より下で結ぶ
- 前髪を短く整える
- 寝癖を直す
長髪は耳より下で結ぶ
女の子の場合、髪の毛を長く伸ばしている子も多いですよね。
幼稚園や学校など、普段から髪の毛を結んでいるかと思いますが、お通夜の席では子供の髪の毛も耳より下で結ばなければなりません。
ただし、大人の女性が一つ結びを基本にするのに対し、未就学児の子供の場合は二つ結びでも大丈夫です。
まとめる髪ゴムも、子供がぐずるようなら濃いグレーや黒のビーズ飾りがついたものを用意し、お通夜の席に相応しい髪型にまとめましょう。
子供が小学生以上なら、できるだけ大人と同じマナーにすることを心がけ、お通夜に相応しい髪型にしてください。
前髪を短く整える
お通夜に参列する子供の前髪が長いようなら、前髪を短く切って整えるようにしましょう。
前髪をヘアピンで止めても良いですが、ヘアピンに慣れていない子供はつけるときに痛がったり、気になってお通夜の最中に外してしまう可能性があります。
できれば前髪は眉の長さに整え、清潔で顔が見えるように整えてください。
寝癖を直す
子供をお通夜に同行した時、意外に多いのが「寝癖がそのままになっている」ケースです。
2歳〜3歳程度の子供で、まだ身支度も自分では難しい年頃なら仕方ない部分もありますが、幼稚園から小学生以上のなってくると、寝癖がついたままでは子供さんだけではなく、両親にも注意が向けられることがあります。
また、お通夜という厳粛な場所では子供のちょっとした「おもしろさ」が笑いを誘うこともあるため、そのせいでお通夜の空気を乱すと遺族にも失礼になりかねません。
「まだ子供には理解できないから」という考え方はせず、お通夜に子供を同行する場合は、できるだけ大人と同じように髪型を整えてから参列するようにしましょう。
お通夜の髪型の注意点

お通夜の髪型には、気を付けなければならないポイントがあります。
では、具体的にどのような点に注意すれば良いのか、詳しいポイントを紹介しましょう。
- 香料の強い整髪剤は使わない
- 三つ編みや編み込みをしない
- ゆるふわパーマをかけない
- ファッション用のウィッグを使わない
- 大人髪の毛は2つ結びにしない
- ヘアアクセサリーは黒の髪ゴムか黒のヘアピンにする
- 喪服が和装の時は髪をアップにする
注意①:香料の強い整髪剤は使わない
お通夜の髪型を整えるとき、整髪剤を使う人も多いと思いますが、香料の強い整髪剤はお通夜に相応しくありません。
強い香りはそれだけでも周囲の人に影響がありますし、お通夜という儀式にそぐわないのです。
お通夜に相応しい髪型にする際、どうしても整髪剤を使用しなければならないなら、無香料の整髪剤を用意して整えるようにしましょう。
注意②:三つ編みや編み込みをしない
髪の毛が長く綺麗にまとめたいと思ったとき、三つ編みや編み込みでまとめる人も多いことでしょう。
確かに、三つ編みや編み込みなら後毛も出にくいですし、ピッタリと収まるので一見お通夜に相応しいと感じますよね。
しかし、実は三つ編みや編み込み自体がを「派手な髪型」と受け取られることもあり、お通夜にはあまり相応しい髪型とはいえません。
小規模なお通夜ならばまだ厳しくないですが、葬儀の規模が大きくなると厳粛さを重んじる人も多く、細かな部分にも気を使う必要があります。
長髪をまとめる際は、三つ編みや編み込みで髪の毛をまとめないよう気をつけましょう。
注意③:ゆるふわパーマをかけない
ゆるふわパーマとは、髪の毛にわざと緩めのパーマを掛け、髪の毛をセットするときに無造作に整えて髪の動きに遊びを出すパーマです。
特に若い女性に人気なゆるふわパーマですが、ゆるふわパーマはおしゃれ感を出すためのものであり、華やかなのでお通夜という場には相応しくありません。
また、実際にゆるふわパーマを掛けていなかったとしても、大きなロットのカーラーを巻いて髪の毛にふわふわ感を出すのも、お通夜の席ではNGです。
無造作な遊び部分を持たせた髪型が流行っていますが、お通夜は故人を見送るための大切な儀式ですから、故人に哀悼の意を表すためにも、ピシッとした髪型でお通夜に参列しましょう。
注意④:ファッション用のウィッグを使わない
近年、おしゃれな髪型のアイテムとして、ファッション用のウィッグを使用している人も少なくありません。
ロングからショートまでさまざまなヘアスタイルのファッションウィッグが販売されていますが、お通夜の髪型でファッション用をウィッグを使うのはマナー違反です。
そもそも、お通夜では「派手な髪型」「おしゃれな髪型」は相応しくありませんから、当然ファッション用のウィッグも相応しくないのです。
ただし、病気などの治療で医療用のウィッグを使用するのは問題ありません。
注意⑤:大人髪の毛は2つ結びにしない
お通夜に参列する際、子供が髪の毛を2つ結びにすることは問題ありませんが、大人が2つ結びにするのはマナー違反です。
2つ結びの髪型は周囲に幼い印象を与えてしまうため、お通夜に相応しい大人の髪型としては相応しくありません。
また、未成年者であっても小学生くらいまでは大丈夫ですが、中学生以上の子供の2つ結びは受け入れられにくいこともあります。
年齢だけではなく、身長や子供の雰囲気も考慮して2つ結びをするようにしましょう。
注意⑥:ヘアアクセサリーは黒の髪ゴムか黒のヘアピンにする
お通夜に参列する際、髪の毛を整えるためにヘアアクセサリーを使用することもあるかと思いますが、お通夜で使用して良いのは黒の髪ゴム、または黒のヘアピンです。
髪をまとめる時、黒なら大丈夫だろうと黒のワニグチやシュシュなどでまとめる人もいますが、ワニグチやシュシュでは後毛が出てしまい、綺麗にまとまりません。
ヘアアクセサリーは、単に目立たないというだけではなく綺麗にまとめるという目的があります。
そのため、お通夜に相応しい髪型にまとめる時は、ぴっちりまとめられる黒の髪ゴムかヘアピンを用意しましょう。
注意⑦:喪服が和装の時は髪をアップにする
お通夜に相応しい髪型にする時は、着用する喪服の種類も考えなければなりません。
もし、お通夜に参列するときに和装の喪服を着用するのであれば、髪の毛は耳の下でアップにしてください。
うなじまで後毛が出ないようにまとめると、お通夜に相応しい綺麗な髪型になります。
ショートヘアの人はそのままでも良いですが、もし後ろの髪の毛が長めで襟足に掛かるようなら、黒のヘアピンでまとめてみましょう。
まとめ

昔ほどの厳しさはないものの、時代が変わった現代でも、お通夜で好まれるのは清潔で落ち着いた髪型です。
お通夜に参列する際は、自分の性別・年齢・髪の長さをよく考慮して、お通夜に相応しい髪型に整えてみましょう。