棺に入れるものには何がある?入れてはいけないもの・おすすめの品&マナー

棺に入れるもの 一般知識・マナー

目次

葬儀の棺に入れるものとは

綺麗なお花

お葬式の際、故人の思い出の品を棺に入れ一緒に火葬しますが、このとき棺に一緒に入れる品を「副葬品」と呼びます。

この習慣は、古墳時代もしくはそれ以前から行われています。

 

当時は、故人が死後の世界で暮らすために必要なもの、また権力者の場合は金銀財宝が副葬品として埋葬されていました。

しかし、現代ではその意味合いが変わり、故人の思い出の品を手向け(たむけ)として副葬品にすることが一般的です。

棺にものを入れる「納棺の儀」のタイミング

葬式場と棺桶

「納棺の儀」とは、通夜や告別式の前に故人と近しい親族だけで故人の体を清め、「死装束」(しにしょうぞく)や「足袋」、数珠などで服装を整え、棺におさめる儀式です。

故人の体にふれる最後の時間ということもあり、遺族だけで執り行いたいと希望する方が多いです。

ただ、ご遺体はとてもかたく扱いが難しいため、納棺の資格を持つ納棺師のサポートのもと納棺の儀は執り行われます。

 

副葬品を棺に入れるタイミングは、この「納棺の儀」の最中です。

また、出棺前に別れ花を手向ける「お別れの儀」でも可能な場合もあります。

 

このように副葬品を入れるタイミングは葬儀の進行方法によって異なります。

どうしても故人に持たせてあげたい副葬品がある場合、葬儀スタッフ、もしくは喪主を通じて副葬品の種類を申告し、副葬品を入れるタイミングについて確認しなければなりません。

棺に入れて良いもの

OKを出す女性

かつて、葬儀方法は土葬が主流だったため、棺に入れる副葬品についての制限はありませんでした。

しかし、現在の葬儀方法である「火葬」では、一緒に火葬されるこの副葬品については一定の制限が設けられています。

ここでは、副葬品として認められている品について解説していますので、個別に解説していきましょう。

入れて良いもの①:故人への気持ちを記したもの

故人への気持ちを表すものには、親族が集まりしたためた「寄せ書き」や「手紙」などがあげられます。

どちらも、故人を思う気持ちが込められた副葬品と言えるでしょう。

また、遺族は故人に対する気持ちを活字にすることにより、気持の整理がつき故人を見送る心の準備ができます。

入れて良いもの②:故人の好物

故人が生前に「好んで食べていたもの」「飲んでいたもの」は、副葬品として一般的です。

故人の好物だった「料理」、お気に入りの「お菓子」、毎日の晩酌としてたしなんでこられた「お酒」も、紙パックのものであれば副葬品として入れることができます。

また、嗜好品なども故人の好物と言えるため、「たばこ」を副葬品として入れることは問題ありません。

入れて良いもの③:故人が愛用していたもの

故人が生前愛用していた品は、副葬品として棺に入れることができます。

生前、着物が大好きだった方には「着物」を、絵を描くことが好きだった方には「小さな筆」を、副葬品として棺におさめることができます。

 

また、個人の趣味の品として副葬品としたいけれど、その素材からそぐわないものとして、これまでは「ゴルフクラブ」などがあげられてきました。

しかし、近年では副葬品として納棺できる「木製の副葬品用のゴルフクラブ」が販売され、大変好評を得ています。

 

このほか、副葬品として「木製のボウリングのピン」や「ビール瓶を模した木製ビール瓶」なども販売されています。

これまでは、故人の趣味の品として、副葬品として納棺したいけれど、その素材から断られた品も、こういった形で副葬品とすることが可能となったのです。

入れて良いもの④:生前の故人を表現する物

故人が毎日つけていた「日記」や「手帳」など、生前の故人を表現するものを副葬品とすることも一般的です。

特に、日記や手帳などは、故人の人となりを表す貴重な品となります。

副葬品とするか、故人の思い出として保管するかの判断が分かれる場合もあるでしょう。

 

また、現代的な副葬品として「USB」や「SDカード」など、故人の映像や写真がおさめられた品を副葬品とする方もいます。

入れて良いもの⑤:残しておくとつらいもの

「故人からもらった手紙」などは、生前の故人を思い出してしまい何ともやりきれない気持ちになってしまします。

また、故人がいつも抱いていた「人形」などもこれに当てはまるでしょう。

このように、故人を思い出してつらくなる品についても、副葬品として故人とともに弔うことができます。

入れて良いもの⑥:故人が棺に入れて欲しいと希望したもの

生前からご自身の副葬品について、家族に希望を伝えている方もいます。

故人の趣味であった「俳句の歌集」を副葬品として希望する場合や、コーヒー好きの方は少量の「コーヒー豆」を副葬品として希望する場合もあります。

このように、事前に周囲に副葬品を伝えておくことで、実際に故人の棺に納められた副葬品はたくさんあります。

棺に入れてはいけないもの

拒否する女性

棺の中にはなんでも入れて良いというわけではありません。

そこで、続いては棺に入れてはいけないもの、副葬品として適さないものについて解説していきます。

入れてはいけないもの①:不燃物

個人が生前から身につけていた「指輪」「腕時計」「腕時計」などは副葬品としたいと思う方は多いでしょう。

しかし、これらはすべて不燃物のため棺に入れることはできません。

なぜなら、金属屋やガラスが使用された品については、火葬の際に燃え残り、遺骨を傷つけてしまう恐れがあるからです。

 

このように、不燃物でかつ大きさが小さいものであれば、火葬後に遺骨と一緒に骨壺に入れて副葬品とするか、形見分けした方が良いでしょう。

これら以外では、不燃物ではありませんがカーボン素材の「ゴルフクラブ」「杖」なども燃えにくい素材のため、副葬品とすることはできません。

入れてはいけないもの②:大量の可燃物

可燃物であれば副葬品となりそうですが、大量の可燃物であれば燃え残りの原因となりますし、燃えた後の灰で遺骨が埋もれてしまうことがあります。

そのため、「大量の衣類」「ハードカバーの厚い本」「厚手の布団」などは副葬品としては不向きのため、棺に入れることはできません。

ただ、少量の可燃物であれば燃え残りもなく遺骨へダメージを与える心配もないため、棺に入れることができます。

入れてはいけないもの③:大量の水分を含むもの

故人の好物であったフルーツを副葬品としたい方もいることでしょう。

しかし、フルーツは水分を多く含むため副葬品には不向きです。

 

特に、大きな「スイカ」「メロン」などは大量の水分を含みます。

そのため、火葬炉の性能次第では燃え残ることがあり、ときには異臭を放つことがあります。

また、大量の水分が炉の内部の温度を下げてしまい、火葬時間が通常よりも長くかかってしまうこともあるのです。

入れてはいけないもの④:有毒ガスが発生するもの

「革製品」「ビニール製品」は燃えにくい素材で、さらにダイオキシンなどの有毒ガスを発生させます。

そのため、環境を配慮して棺に入れることを禁止している火葬場がほとんどです。

また、これらの素材は加熱された際に溶け出して遺骨に付着し、遺骨が変色する原因となります。

入れてはいけないもの⑤:爆発の危険性があるもの

「ライター」「整髪料などのスプレー缶」などは、加熱され火葬炉の中で爆発して遺骨を傷つけてしまう場合があります。

そのため、棺に入れることはできません。

また、この爆発で火葬場の職員が負傷してしまう可能性もあります。

 

同様に、故人が「ペースメーカー」や「医療器具」を体内に装着していた場合も、火葬時に危険性があります。

この場合、葬儀業者や火葬場職員に、必ずその旨を申告しなければなりません。

入れてはいけないもの⑥:お金

「硬貨」や「紙幣」を燃やすことは、法律で禁止されている行為です。

そのため、棺にお金を入れて副葬品として火葬する事は法律違反となり、かたく禁止されています。

 

お金を副葬品としている習慣は、火葬が普及する以前、土葬時代のなごりです。

そのため、今でも一部の地域では「六文銭」などの硬貨を副葬品としたいと考える方も大勢いることもまた現実です。

この場合は、不燃物の場合と同じく骨壺に遺骨と一緒に収めるべきでしょう。

入れてはいけないもの⑦:生きている人も映っている写真

「生きている人の写真」を棺に入れる行為は、とても縁起の悪い行為です。

また、「故人と一緒に生きている方が映っている写真」の場合も同様です。

最悪の場合、写真に写っている方とのトラブルにもなりかねませんので、写真の選別は特に慎重に行う必要があります。

棺に入れるおすすめの品

手紙

ここまで、棺の中に入れて良いもの、入れてはいけないものをそれぞれ解説しました。

では、棺の中に入れた方が良いものはあるのでしょうか?

続いては、副葬品として納棺される品の中でも、とりわけよく入れられるおすすめ品を5つ紹介しましょう。

おすすめのもの①:手紙・色紙

副葬品とする手紙には、「故人から生前いただいた手紙」と「遺族や友人が故人へメッセージをつづった手紙」があります。

手紙の内容は、現在のご自身の気持を素直に書いて構いませんが、遺族ではない方が手紙を送る場合は必ず喪主に確認することがルールです。

 

また、この際の封筒や便箋は、特別に葬儀を意識したものでなくて良いでしょう。

大家族や友達が多く故人へ気持を伝えたい方が多い場合は、「色紙」にひと言ずつ添えるという方法もあります。

おすすめのもの②:故人の写真

「元気なころの故人の写真」や、あの世で故人が寂しい思いをしないよう生前の故人が大切にしていたものや、趣味に関するものを「あらためて収めた写真」を副葬品とすることは一般的です。

ただし、アルバムや何十枚にもおよぶ写真は、大量の灰となり遺骨を埋もれさせる原因となることから禁止されています。

写真の量については、葬儀業者か火葬場の職員へ確認する必要があるでしょう。

おすすめのもの③:千羽鶴・折り鶴

故人が闘病中だったころ、病気の回復を願って作られた「千羽鶴」を、あの世での幸せを願って副葬品とする方はとても多いです。

また、あらためて「鶴」を折り紙でおり、故人の副葬品とする方もいます。

 

これには理由があります。

鶴がお亡くなりになった方をあの世まで道案内をしてくれると古くから言い伝えられているからです。

おすすめのもの④:洋服

個人が生前大切にしていた「洋服」や「職場で使用した着衣」なども副葬品として多く選ばれます。

ただし、あまりにも多い枚数を入れることはできません。

 

選別にあたっては、故人が特に気に入って着ていたもの以外では、故人が大切にしていた「綿や麻の素材のハンカチや帽子」などに限定されるでしょう。

おすすめのもの⑤:花

故人が生前に好きだった花を「花束」にして、故人が生前に育てていた花があればそれを「切り花」として、副葬品とする場合があります。

この際の花は、納棺の際に参列者で執り行われる「別れ花」とは異なり、遺族が別に用意します。

副葬品の疑問点

疑問点を持つ男性

副葬品として棺に入れられるもの、入れられないものについて解説しました。

ただ、実際に副葬品とすることができるのかどうか、わからない品も多くあり疑問が残るかもしれません。

ここでは、そのような疑問点について「先祖の位牌」と「ペットの遺骨」に絞って解説します。

先祖の位牌を棺に入れても良い?

位牌の素材は木製のため、副葬品とすることは可能かもしれません。

しかし、位牌には「故人そのもの」「故人とこの世を結ぶもの」という宗教上、極めて重要な意味合いがあります。

このような仏教上の教えから、位牌を副葬品とすることは良い行いとは言えないでしょう。

どうしても位牌を管理できない事情がある場合は、お寺と話し合い「お焚き上げ」などの他の供養方法をおすすめします。

ペットの遺骨を棺に入れても良い?

故人が生前に愛していたペットの遺骨を「手元供養」として保管していた場合は、このペットとあの世へ旅立ちたいと願う方は大勢います。

しかし、このペットの遺骨は、本来は「燃えないもの」に分類されるため、副葬品とはなりません。

少ないペットの遺骨であれば、例外的に許可される場合があるため、葬儀業者へ確認するようにしてください。

 

また、副葬品ではなく、納骨された後の骨壺にペットの遺骨を入れる方法もありますが、遺族の中には動物と同じお墓に入ることを拒絶する方もいるかもしれません。

ペットと同じお墓に入るには、親族全員の許可が必要でしょう。

写真を棺に入れる場合の注意点

副葬品の写真

副葬品は、その種類で「遺骨を傷つける」「環境に配慮する」といった理由から、棺に入れることができないものが多くあることは、これまで説明したとおりです。

しかし、ここで説明する「写真」については、古来から伝わる言い伝えの影響から、副葬品にできない場合があります。

 

写真は簡単にも燃えてしまうため、素材としては副葬品とすることが可能です。

そのため、故人が元気な姿で写っている写真を副葬品とすることに問題はありません。

 

しかし、先ほども少し触れたように、生きている方が写った写真を副葬品とすることは絶対にやってはいけない行為です。

これは、昔から「生きている人間の写真を棺に入れると、その人まであの世に連れていかれる」という言い伝えがあるためです。

もちろん科学的な証明のない迷信ですが、この行為によりその方の気分を害してしまう可能性もあります。

 

ただし、例外として遺族が話し合いの場を持ち、副葬品としてどうしても生前の故人と写った写真を希望する場合は問題はないでしょう。

この場合であっても、話し合いに参加していない他の遺族や友達が映り込んだ写真を、本人の許可なく勝手に入れることはルール違反です。

納棺時の流れ

お葬式

「納棺」は故人を棺に納める大切な儀式ですが、次のような手順で執り行われます。

ここでは、故人の旅支度を整える納棺の流れについて解説します。

流れ①:末期(まつご)の水をとる

脱脂綿をガーゼに包んだものを割り箸の先につけ、茶碗の水に浸したのちに故人の口元を湿らせます。

この行為は、故人があの世で渇きに苦しまないようにとの願いから生まれた風習です。

流れ②:湯灌(ゆかん)を行う

湯灌とは、遺族が故人のお体を濡らしたタオルで拭き、洗い清める行為です。

この湯灌により、故人は生前のけがれや生に対する煩悩から解放されると考えられています。

流れ③:死化粧を施す

男性は髭(ひげ)を剃り、女性は薄く化粧が施され髪型が整えられます。

また、この際爪が切り揃えられますが、地域によっては遺体に刃物をあてたり化粧を嫌う地域もあります。

流れ④:死装束を着せる

白無地の木綿で縫った経帷子(きょうかたびら)を左前で着せることが一般的です。

しかし、近年では故人が生前に好んだ服を着せ、経帷子(きょうかたびら)で遺体を覆う場合もあります。

流れ⑤:納棺する

以前の納棺は、遺族だけで執り行うことが一般的でしたが、現在は葬儀業者や専門の納棺師などの手を借りて納棺を執り行います。

棺に納められた故人へ、副葬品が手向けられ納棺は終了します。

お別れの儀の流れ

出棺

一般的な葬儀では、告別式が終了したらお別れの儀に移ります。

この際の参列者は、遺族・親族・とりわけ仲の良かった友達などです。

ここでは、お別れの儀の流れについて解説しましょう。

流れ①:お別れの儀(別れ花・釘打ち)

葬儀業者が用意した「別れ花」を手に持ち、祭壇から降ろされ葬儀会場の中央に移動された棺の中に一人ずつ手向けていきます。

副葬品については、この時点でも棺に納めることができるでしょう。

葬儀参列者の「別れ花」が終了したら、葬儀業者と遺族による「釘打ちの儀」が執り行われ、棺の蓋が閉められます。

流れ②:棺の運搬

親族や親しい友人などを中心に、男性6人から8人で棺が霊柩車へと運搬されます。

棺の後には、位牌を持った喪主、その後ろには遺影を持った遺族が続きます。

 

この際、地域や宗派よっては遺体の足元を先にして、霊柩車へ納めなければならない場合があります。

葬儀業者に作法については確認していおいた方が良いでしょう。

流れ③:遺族代表挨拶

喪主と遺族は、位牌と遺影を持ち、葬儀参列者へ向かう形で遺族代表の挨拶を行います。

一般的には、この挨拶は喪主が務めますが、他の親族が喪主に代わり挨拶をする場合もあります。

流れ④:出棺

最後に、喪主と遺族が葬儀参列者に一礼し出棺となります。

以上をもって、「お別れの儀」は終了です。

出棺時のマナー

お祈りをささげる男女

出棺時のマナーについては、その服装や傘の使用についての決まりごとがあります。

迷惑をかけないようにしっかりと把握しておきましょう。

服装のマナー

出棺を待つ間、暑い日は喪服を脱ぎシャツになることもできますし、反対に寒い日ではコートやマフラーなどで防寒対策をすることも可能です。

しかし、いざ出棺が始まった際は、葬儀中同様に喪服を着てコートやマフラーは取らなければマナー違反とされます。

傘の使用に関するマナー

出棺は野外での儀式となるため、雨が降っている場合は傘の使用が可能です。

しかし、このときの傘の色や柄については注意が必要です。

単色の黒色か濃い紺色など、葬儀会場の雰囲気を壊さない色でなければマナー違反と言えるでしょう。

まとめ

お見送り

故人の棺に入れるものである「副葬品」について解説しました。

故人の埋葬方式が土葬のから火葬に変わり、副葬品については大きく規制されていることが実情です。

 

また、お住いの地域や火葬場により、副葬品の規制も異なります。

ご遺族の間で、どうしても故人の副葬品にしたいと希望する品については、葬儀業者か火葬場職員への確認が必要です。

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