【2020】精進落としとは?挨拶の文例・振る舞う料理・気を付けたいマナー

精進落とし 一般知識・マナー

精進落としは、葬儀に関係する料理の一つで、故人の葬儀が終了した後に振る舞われる食事です。

故人を見送った遺族やその関係者が故人への弔いが一区切りついたところで頂くものですが、実際に準備する側に立ってみると、どういった流れで何をするべきか迷うことも少なくありません。

そこで今回は、精進落としで振る舞われる料理や準備の仕方と共に、精進落としを行うまでの流れについて詳しく紹介します。

精進落としとは

精進落としとは、忌中であった遺族が四十九日に頂く食事のことで、本来は四十九日の忌明けを一つの区切りにして精進落としをします。

精進落としで用意される料理にも肉や魚といった食材が使用され、これを区切りに遺族は日常生活へと戻るのです。

しかし、現代ではその意味合いも薄れてきており、「火葬後や初七日にお世話になった人へ振る舞う食事を精進落としとする」という考えが一般的になってきました。

地域によっては、昔ながらのしきたりにしたがって精進落としをすることもありますが、現代の精進落としには「参列者へのお礼」という意味合いが込められています。

通夜振る舞いとの違い

通夜振る舞いとは、お通夜の席で振る舞われる食事のことです。

昔の通夜振る舞いは、故人の亡骸を夜通し見守る際に振る舞われる食事のこと意味しましたが、近年ではお通夜に参列した人へのお礼や、故人を偲び語り合う食事会という意味合いが一般的です。

ただし、通夜振る舞いはまだ故人を見送る前なので、用意する料理は肉や魚を使用しない精進料理がメインになります。

よく精進落としと間違われますが、通夜振る舞いとしっかり区別をして準備しましょう。

精進落としはいつ行う?

精進落としは、基本的に故人の葬儀の後に行われるものです。

しかし、最近では葬儀や法要の形式にも変化があるため、精進落としをいつ行えば良いのか迷う人も増えてきました。

では、現代の精進落としはいつ行うべきなのか、実際に行われている具体的なタイミングの例を紹介しましょう。

行うタイミング
  • 初七日法要の後
  • 繰り上げ法要の後
  • 葬儀がすべて終わった後

タイミング①:初七日法要の後

精進落としを行うタイミングとして、一般的に広く認識されているのが初七日法要の後です。

初七日法要は、故人の命日を1日目として7日目に行われる法要で、故人の魂が無事に三途の川を渡れるよう祈ります。

初七日法要は、遺族にとっても一つの区切りとなり、これを機に日常生活を戻る人も少なくありません。

このことから、初七日法要が終わった後に精進落としを行い、忌明けの食事を頂きます。

タイミング②:繰り上げ法要の後

繰り上げ法要とは、葬儀の儀式中や火葬後すぐに初七日法要を行うことです。

生活様式が変わってきた現代では、遠方に住んでいたり忙しくて時間が取れない人を考慮して、葬儀や火葬と同じ日に繰り上げ法要を行うケースも増えてきました。

繰り上げ法要で精進落としを行う場合、葬儀後に食事の席を設けたり火葬中に火葬場の一室で精進落としを行ったりします。

葬儀の流れの中に組み込まれるので少し慌ただしいですが、時間が取れない中でもきちんと法要をしたいと考える人にはありがたい選択肢と言えるでしょう。

タイミング③:葬儀がすべて終わった後

葬儀から火葬まですべてが終わり、遺族や親族だけで集まった際に、精進落としとして料理を振る舞う地域もあります。

この場合、初七日法要は正式な日にちに遺族だけで行うのですが、火葬までお手伝いをしてくれた親族に対するお礼として精進落としの料理を振る舞うのです。

このタイミングで精進落としを行うと、繰り上げ法要のように慌ただしくなく、遺族と親族もゆっくり体を休められるというメリットがあります。

精進落としを行うタイミングは地域によっても違いがありますから、必ず遺族や親族とよく話し合って日程を決めるようにしましょう。

精進落としで振る舞う料理・メニュー

懐石料理

精進落としで振る舞うメニューには、いくつかの種類があります。

ここでは、実際に精進落としで振る舞われている料理を紹介していきます。

精進落としのメニューを決める際の参考にしてみてください。

精進落としで振る舞う料理
  • 懐石料理
  • 仕出し弁当
  • オードブル形式の料理

懐石料理

懐石料理は、日本に古くから伝わる料理の一つです。

ご飯、汁物、煮物、焼き物、お刺身といったメニューを中心に、品数の多い料理を少量ずつ頂きます。

懐石料理の場合は、お店に予約をして一人一席設けることが一般的です。

もし精進落としで懐石料理を振る舞う場合は、事前に参加人数を把握して一人一席設けるようにしましょう。

仕出し弁当

仕出し弁当とは、懐石料理のようなメニューをお弁当の形式にしてあるものです。

メインになるのは立派な箱に収まったお弁当ですが、それとは別にお吸い物や茶碗蒸しなどがつくコースもあります。

仕出し弁当は、人数がはっきりしない場合も少し多めに予約しておけば、出席者の増減に対応しやすいことがメリットです。

オードブル形式の料理

一人一席を設けるのが難しい場合は、オードブル形式の料理で精進落としをすることもあります。

オードブル形式でよく見られるのは、次のようなメニューです。

  • お寿司
  • お刺身盛り合わせ
  • 揚げ物
  • 煮物
  • サンドイッチ

自宅で精進落としをする場合は、メインメニューをオードブル形式にして、汁物や煮物だけを自分で作ることもあります。

お店によっては、精進落とし用のオードブルメニューを用意しているところもありますので、パンフレットなどでいくつか比較してから決めると良いでしょう。

精進落としで準備すること

懐石料理

精進落としを行う際は、事前に必ず確認しなければならないことがあります。

では、具体的にどのようなことを確認して準備するべきなのか、その内容をお伝えしていきしましょう。

準備すること
  • 出席人数を確認する
  • 食事会のお店や料理の予約をする
  • 席順を決める
  • 献杯の挨拶をする人を決める
  • 僧侶が欠席する場合はお膳料を用意する

準備①:出席人数を確認する

精進落としの準備で最初に行うのは、出席人数の確認です。

出席人数が決まっていないと、食事会のお店や料理の予約をしにくいからです。

精進落としをいつ、どのような形式で行うかによっても出席人数は異なりますが、事前に連絡が取れる人にはあらかじめ日程を伝え、確実に出席できる人が何名になるのかを把握しておきましょう。

準備②:食事会のお店や料理の予約をする

出席人数の確認が済んだら、食事会のお店や料理の予約をします。

懐石料理は一人一席を設けますので、できるだけ具体的な人数を伝えるようにしましょう。

仕出し弁当を予約する場合は、確定している人数分よりも2人前〜3人前多く予約しておくと、急に人数が増えた場合にも対応できます。

オードブル料理は、お店の方に尋ねると目安となる人数に合わせて量を調整できますので、人数に合わせて料理の予約をしてください。

準備③:席順を決める

精進落としの席は、出席者に立場によってある程度席順に決まりがあります。

食事会の一番上座にあたる部分に着席するのは、法要を行なった僧侶です。

僧侶が食事会を欠席する場合は、出席者の中で年長にあたる人や立場が上の人が着席します。

上座に座っている人の隣には喪主の人が着席し、ホスト役として食事のお世話や会話の相手をしましょう。

 

上座が決まったら、後は年齢や故人との関係が深い人達を優先して上座に近い順で着席し、一番下座には喪主以外の遺族が座ります。

お手伝いの人も下座に着席し、食事中の配膳がスムーズになるようにしましょう。

準備④:献杯の挨拶をする人を決める

献杯は精進落としの食事の前にグラスに飲み物を注ぎ、出席者全員で故人に捧げる行為です。

献杯をする際は、出席者のうち遺族や故人と深い付き合いのあった人が挨拶し、献杯の音頭を取って全員で献杯します。

喪主の人が献杯の挨拶をしても良いですが、喪主はその前に初めの挨拶をしていますので、できれば別の人にお願いしておいた方が良いでしょう。

準備⑤:僧侶が欠席する場合はお膳料を用意する

もし僧侶が精進落としの食事会を欠席する場合は、お布施とは別にお膳料を用意します。

お包みするお膳料は、平均して5千円が相場です。

お膳料は白い無地の封筒に包み、お布施と一緒にお渡ししましょう。

精進落としの挨拶

会席

精進落としの食事会では、喪主が挨拶をしてある程度の流れを作ります。

挨拶はあまり長くなくても良いですが、できればその場にふさわしい挨拶で短くまとめられている方が好ましいです。

では、具体的にどのようなことを話せばよいのか、精進落としで行われる挨拶の例文を紹介しましょう。

例文①:始めの挨拶

精進落としの食事会を始める前に、喪主から始めの挨拶をします。

無事に葬儀や法要が終えられたことを報告し、参列して頂いた方に感謝の気持ちを伝えましょう。

挨拶の後は献杯になりますので、献杯をする人につながるように挨拶してください。

初めの挨拶の例文は次のとおりです。

本日はお忙しい中、故○○(故人の名前)の初七日法要にご参列を賜りまして、誠にありがとうございました。皆様のおかげで無事に法要を終えられましたことを、心より感謝いたします。ささやかではございますがお食事の席を設けさせて頂きましたので、ぜひお食事を召し上がりながら、故人の思い出話をお聞かせ頂けたらと思います。それでは〇〇様、献杯をお願いいたします。

例文②:献杯の挨拶

献杯の挨拶は、故人と縁のある人が行います。

しかし、出席者の中には面識のない人がいることもあるため、献杯の音頭を取る前には簡単な自己紹介と故人との関係を語るようにしましょう。

献杯の挨拶の例文は次のとおりです。

献杯を務めさせて頂きます、〇〇(自分の名前)と申します。故人とは大学時代からの友人で、お互いに家族のようなお付き合いをさせて頂きました。本日は皆様と一緒に、故人の思い出話をしながら故人のご冥福を祈りたいと思います。それでは、これより献杯をさせて頂きます。献杯。

例文③:お開きの挨拶

精進落としの食事会は、平均すると1時間半〜2時間でお開きになります。

出席者同士で話し込むこともありますが、区切りとして食事会の開始から1時間半〜2時間を目安にお開きの挨拶をしてください。

お開きの挨拶も、基本的に喪主が行います。

お開きの挨拶の例文は次のとおりです。

本日はお忙しい中、最後までお付き合いを頂きありがとうございました。皆様に暖かく見送られ、故人も喜んでいることと存じます。もっとお話を伺いたいところではございますが、本日はこれにてお開きとさせて頂きます。どうぞお足元にお気をつけてお帰りください。本日は本当にありがとうございました。

精進落としの流れ

仕出しの懐石料理

精進落としの食事会は、一定の流れを掴んでおくとスムーズに場を仕切ることができます。

ここでは、一般的な精進落としの流れを解説していきましょう。

精進落としの流れ
  1. 喪主の挨拶
  2. 献杯
  3. 会食
  4. 終わりの挨拶

流れ①:喪主の挨拶

最初に行うのは、喪主からの挨拶です。

精進落としの食事会に出席する人が着席し、人の動きが落ち着いたのを見計らってから喪主の挨拶を始めましょう。

流れ②:献杯

喪主の挨拶が済んだら献杯になります。

献杯の挨拶をする人は、喪主の挨拶からの流れを受けて席を立ち、グラスを持って献杯の挨拶をしましょう。

献杯は出席者全員で行うものなので、献杯の準備を促されたら周囲の人同士でグラスを準備し、「献杯」と唱和するようにしてください。

流れ③:会食

献杯の後は、故人の思い出話を語りながらの会食になります。

会食の最初の方は、お食事を頂きながら周囲の人と会話するようにしてください。

お食事がある程度進んだら離席して他の人と話しても問題ありませんが、その場合も他の人の邪魔にならないよう気をつけて行動しましょう。

流れ④:終わりの挨拶

出席者のお食事がほとんど終わり、会話もある程度落ち着いたところで終わりの挨拶をします。

きっかけが掴めない場合は、精進落としの開始から1時間半〜2時間を目安にしてお開きにすると良いでしょう。

精進落としが夕方から夜に掛かる時間帯の場合、あまり遅くならない時間帯でお開きにするよう心掛けてください。

【主催者側】精進落としのマナー・注意点

懐石料理

精進落としを主催する場合は、気をつけておくべきマナーや注意点があります。

では、具体的にどのようなことに気をつければ良いのかお伝えしていきます。

主催側のマナー・注意点
  • 日取りは周囲とよく相談して決める
  • 出席人数に合わせて会場を用意する
  • 会場への移動手段と距離を考慮する

マナー・注意点①:日取りは周囲とよく相談して決める

精進落としの日取りを決める際は、周囲の人とよく相談してから決めるようにします。

遺族の一存だけで決めてしまうと、思ったよりも出席できる人が少なかったり、親族から苦言を述べられるかもしれないからです。

精進落としの食事は、族を手伝ってくださった親族や周囲の人への労いという意味もあるため、多くの人が出席できるようよく相談して決めましょう。

マナー・注意点②:出席人数に合わせて会場を用意する

精進落としの会場は、出席人数に合わせた広さの会場を用意してください。

例えば、どれだけ有名な懐石料理店を予約したとしても、会場が狭いと出席者1人分のスペースが狭くなってしまいゆっくり食事ができません。

逆に、少人数なのに広すぎる会場だと、空間がありすぎて落ち着かないと感じる人もいます。

精進落としの会場を予約する時は、あらかじめ出席人数を把握しておき、人数に合わせた会場を用意しましょう。

マナー・注意点③:会場への移動手段と距離を考慮する

精進落としの会場を予約する時は、会場への移動手段と距離も考慮して決めるようにします。

例えば、自家用車でしか行けない会場だと、出席者は移動手段に困り出席できないかもしれません。

また、会場がわかりにくい場所の場合、到着するまでに時間が掛かることも考えられます。

精進落としの会場は、予約をする前に会場への移動手段と距離を確認し、出席者が出向きやすかどうかを考慮してから決めましょう。

【出席者側】精進落としのマナー・注意点

天ぷら

精進落としの出席する人人も、気をつけておくべきマナーや注意点があります。

具体的なマナー・注意点を紹介しますので、精進落としに出席する前によく確認しておいてください。

出席者側のマナー・注意点
  • 故人や遺族に失礼な話題は避ける
  • ハメを外さないようにする
  • 欠席の連絡はできるだけ早くする
  • 先に退席する際は必ず喪主に挨拶する

マナー・注意点①:故人や遺族に失礼な話題は避ける

精進落としの食事会は、遺族からの心遣いであり故人を偲ぶ大切な場所です。

したがって、故人や遺族に失礼な発言や話題は避け、穏やかな雰囲気になるよう心掛けてください。

もし他の人からそのような内容を話しかけられても、やんわりと話を逸らしたり話を変えるなどの対応をしてみましょう。

マナー・注意点②:ハメを外さないようにする

精進落としの食事会では、ビールなどのお酒が用意されます。

しかし、飲みすぎてハメを外し大声で笑ったり騒ぐといった行為は、精進落としの食事会としては相応しくありません。

精進落としは故人を偲ぶ場であることを認識し、ハメを外さないよう気をつけましょう。

マナー・注意点③:欠席の連絡はできるだけ早くする

精進落としを欠席する場合は、遺族にできるだけ早く連絡するようにします。

まだ遺族が予約前なのであれば間に合うように連絡し、遺族に迷惑を掛けないように気をつけてください。

急遽欠席になった場合でも必ず連絡して、遺族が慌てないよう配慮しましょう。

マナー・注意点④:先に退席する際は必ず喪主に挨拶する

時間の都合で精進落としの食事会を早退する場合は、必ず喪主に挨拶をしてから退席します。

喪主が他の人と話し込んでいて声が掛けにくいようなら、その胸を遺族に伝えて遺族に挨拶し、失礼にならないよう退席してください。

まとめ

法要の食事

精進落としの食事会は、故人を偲び遺族の心遣いを受ける場所です。

精進落としの形式はさまざまですが、基本となる心構えに変わりはありません。

お互いが思いやりの心を持ち、気持ちよく食事の時間を過ごせるよう気をつけましょう。

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