相続登記とは、亡くなった方(「被相続人」といいます)が所有していた不動産について、法務局に申請し、登記簿上の名義を相続人に変更することです。
相続登記の手続きはご自身でもできますが、司法書士などの専門家に代行してもらうことも可能です。この記事では、相続登記の代行とは何か、依頼の流れと費用の目安、依頼する際の注意点について解説します。
目次
相続登記の代行とは、手続きを本人の代わりに専門家が行うこと
相続登記の代行とは、相続登記の手続きを司法書士や弁護士などの専門家が本人に代わって行うことです。ここでは、相続登記の代行についてポイントを整理します。
<相続登記の代行を知るためのポイント>
- 相続登記を代行してくれる専門家
- 相続登記を専門家に依頼するメリット
- 相続登記の手続きをご自身で行う場合との違い
相続登記を代行してくれる専門家
相続登記の代行には、必要書類の取得、申請書類の作成、法務局への提出といった作業があります。相続登記の代理申請を業務として行えるのは、司法書士および弁護士のみです。
司法書士は登記または供託手続きの代理、法務局に提出する書類の作成などを専門的に行うための国家資格です。弁護士は法律事務全般を取り扱えるため登記の代理申請が可能ですが、専門的に行っているわけではありません。
どちらに依頼するか迷う場合は、相続登記を専門としている司法書士に相談するのが一般的です。
なお、行政書士は相続関係図や遺産分割協議書の書類作成補助はできますが、法務局へ提出する申請書類の作成や代理申請はできません。
相続登記を専門家に依頼するメリット
相続登記を専門家に依頼するメリットは、手続きの負担を軽減できることと、登記を確実に完了しやすいことです。
相続登記にかかる戸籍謄本の収集や申請書類の作成などには知識が必要で、時間もかかります。専門家に依頼すれば、必要書類の取得から申請書類の作成まで任せられるため、手続きの負担を大幅に軽減できます。
また、知識のある専門家に任せられるため申請書類の不備や法務局からの補正のリスクが減り、スムーズに登記を完了しやすくなることもメリットです。相続登記の手続きにかかる時間を短縮できるため、ほかの相続手続きや仕事に時間を割きたい方にも向いています。
相続登記の手続きをご自身で行う場合との違い
相続登記の手続きをご自身で行う場合と、専門家に依頼する場合では、メリットとデメリットが異なります。
例えば、ご自身で行う場合は費用面でのメリットがある一方で、手続きに手間や時間がかかるという点がデメリットです。
一方、専門家に依頼する場合は手続きの手間や時間が軽減されるというメリットがありますが、専門家に支払う費用がかかる、相談や面談などの対応が発生するといったデメリットもあります。
ご自身で行うか、専門家に依頼するかは、費用と手間・時間のバランスを見て判断するといいでしょう。
それぞれの場合のメリット・デメリットを以下にまとめましたので、参考にしてください。
■手続きする人ごとのメリット・デメリット
| 手続きする人 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ご自身 | 専門家に支払う費用がかからない | 必要書類の取得から申請書類の作成まで、すべてご自身で行う必要がある。申請書類の不備や補正のリスクがあり、手続きに時間がかかる |
| 専門家 | 手続きの負担が軽減される。申請書類の不備や補正のリスクを減らせ、手続きにかかる時間を短縮できる | 専門家に支払う費用がかかる。面談などの対応事項が発生する |
相続登記を専門家に依頼する場合の流れ
相続登記の代行を専門家に依頼する場合、大まかには相談→書類準備→申請→登記完了の流れで進みます。ここでは、ステップごとにどのようなことをするか見ていきましょう。
STEP1:専門家に相談
相続登記の代行依頼は専門家への相談から始まります。相談は多くの場合対面で行われ、このときに相続する不動産の情報(所在地、登記上の権利者名など)や、相続人の情報(人数、続柄など)を伝える必要があります。
専門家から見積もりを受け取り、基本料金、追加料金の条件、依頼から登記完了までの目安期間を必ず確認してから、依頼するかを判断しましょう。複数の専門家に相談し、費用や条件を比較検討することも可能です。
STEP2:必要書類を準備
相続登記の申請には、不動産の権利証あるいは登記識別情報通知書(法務局が発行する、不動産の所有者であることを証明する通知書)、亡くなった方(被相続人)の戸籍謄本といった書類が必要です。これらの書類の取得は、専門家が代行あるいはサポートしてくれる場合もありますが、代行やサポートを行わない専門家もいるため、事前に確認が必要です。
ご自身で準備しなければならない場合は、書類の取得に時間がかかることもあるため、早めに準備を始めましょう。取得した書類を準備して専門家に渡すと、専門家は申請書類の作成を進めます。
STEP3:専門家が書類を作成して申請
専門家が登記申請書などの申請書類を作成したら、依頼者は内容を確認して署名捺印します。専門家は、STEP2で準備した書類を添付して法務局に提出するので、依頼者が法務局に出向く必要はありません。
法務局では申請書類の審査を行い、不備がある場合は提出者に補正を求めます。補正とは軽微な修正や補足のことで、専門家が補正書類を作成・提出して対応します。
STEP4:登記が完了
審査に問題がなければ、相続登記は完了です。専門家から依頼者へ登記完了の報告とともに、手続きの完了書類が届きます。
登記が完了すれば不動産の名義は相続人に変わり、それ以降の売却や担保の設定が可能になります。
登記完了後は、固定資産税の納税義務者変更手続きなどで市区町村への届出が必要になる場合もあるため、専門家や自治体に確認するといいでしょう。
相続登記の代行費用はいくらかかる?
相続登記の代行費用は総額5万~15万円程度が目安ですが、内容によって前後します。
また、相続登記を代行してもらった場合でも、役所などに支払う書類発行手数料(1万円前後)と登録免許税(不動産の価額の0.4%)は別途必要です。
ここでは、基本料金との目安と、追加料金や支払い方法について解説します。
<相続登記の代行費用に関するポイント>
- 基本料金の目安
- 追加料金がかかるケース
- 支払い方法や支払いタイミング
基本料金の目安
相続登記代行の基本料金は、不動産1件あたり5万円前後が相場です。相続登記の手続きだけでなく、必要書類の取得や相続手続き全般を専門家がサポートする場合は、料金が高くなる傾向があります。見積もりの段階で、基本料金に含まれる役務を確認しましょう。
追加料金がかかるケース
基本料金に加えて、追加料金を想定する必要があります。例えば、相続人の人数が多い場合や不動産の件数が多い場合、必要書類の取得に時間がかかる場合、申請書類の補正が必要になった場合などには、追加料金がかかるケースがあります。追加料金の有無や金額は専門家によって異なるため、事前に確認し、総額を把握した上で依頼するのがおすすめです。
支払い方法や支払いタイミング
費用の支払い方法や支払いタイミングは、専門家によって異なります。依頼時に一部を支払い、登記完了時に残りを支払うパターンや、登記完了後に一括で支払うパターンなどがあるため、事前に確認が必要です。
また、領収書の発行の有無や、振込手数料の負担についても確認しましょう。
相続登記の代行を依頼する際のポイント
相続登記の代行を依頼する際に検討すべきポイントは、専門家にどんなことが依頼できるか、申込み方法としてインターネットが利用できるかといったことです。また、依頼時のトラブルを避けるための注意点も押さえておくと安心です。
<相続登記の代行を依頼する際に検討すること>
- 専門家に依頼できる内容
- ネットサービスの利用
- 依頼時のトラブルを避ける方法
専門家に依頼できる内容
相続登記の代行において、専門家ごとにできること・できないことがあります。
相続登記の代行を業務として行える資格には司法書士と弁護士がありますが、それぞれ専門分野が違うことに注意が必要です。
司法書士は相続登記の手続きを専門的に扱っており、登記手続きに関する知識が豊富で、申請書類の作成に精通しています。一般的な相続登記であれば、司法書士への依頼が選択肢となるでしょう。一方、弁護士の得意分野は、相続登記の代行よりも相続に関する法律相談や相続トラブルの解決であるといえます。遺産分割協議がうまくいかないなど、相続に関して解決したい問題がある場合には弁護士に依頼するのがおすすめです。
なお、行政書士は戸籍収集や遺産分割協議書の作成補助などはできますが、法務局への申請書類の提出や登記完了までの手続きの代行は行えません。遺産分割協議書が複雑な場合などは、行政書士に依頼するといいでしょう。
以下に、専門家の資格ごとにできることとできないことをまとめましたので、参考にしてください。
■資格ごとのできること・できないこと
| 資格 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 司法書士 | 相続登記の申請書類の作成、法務局への提出、登記完了までの手続きの代行。必要書類の取得サポートや、登記手続きに関する相談対応 | 相続に関する法律相談や、相続トラブルの解決(弁護士業務に該当) |
| 弁護士 | 相続登記の申請書類の作成、法務局への提出、登記完了までの手続きの代行。相続に関する法律相談や、相続トラブルの解決 | 相続登記の専門家ではないため、登記手続きに関する相談対応が十分でない場合がある |
| 行政書士 | 戸籍収集や遺産分割協議書の作成補助など、相続登記に関連する業務(手続きそのものは不可) | 法務局への申請書類の提出や、登記完了までの手続きの代行(司法書士業務に該当)。相続に関する法律相談や、相続トラブルの解決(弁護士業務に該当) |
ネットサービスの利用
従来、相続登記はご自身で手続きするか、司法書士に依頼することがほとんどでした。現在では、時間を選ばずインターネットで依頼できるネットサービスという選択肢もあります。
例えば、スマートフォン(スマホ)で簡単に不動産名義変更の手続きができる「そうぞくドットコム」では、必要書類の取得代行から法務局への提出代行までワンストップでサポート可能です。通常11万5,000円(税込12万6,500円)の一律料金で、資料請求して依頼すると3万円割引の8万5,000円(税込9万3,500円)でご利用になれます。また、登記申請書の作成に特化した最安値のプランが4万5,000円(税込4万9,500円)もあります。
専門家への依頼では対面での相談や移動のための時間が必要になりがちですが、「そうぞくドットコム」では出掛けることなくスマホでサービスが完結するため、より手間を省きたい方におすすめです。
まずは無料の資料請求から内容を確認した上で、ぜひご利用を検討してみてください。
依頼時のトラブルを避ける方法
相続登記代行の費用や手続きの流れは、事前に確認し、可能であれば書面で残しておくことが重要です。見積もりや依頼契約の内容を確認し、追加料金の条件や登記完了の目安時期を把握しましょう。
また、必要書類の提出期限を守り、期限内に提出することが、スムーズな手続きにつながります。
相続登記の代行を依頼して、手続きの負担を軽減しよう
相続登記の代行は、相続登記の手続きを司法書士などの専門家に依頼して代行してもらうサービスです。専門家に任せることで正確に早く手続きが進むため、負担を軽減したい方に適しています。
また、近年では、ワンストップですべての手続きを代行してくれるネットサービスを利用する方法もあります。例えば、スマホで簡単に名義変更ができるサービス「そうぞくドットコム」は手軽に行える上、一律料金なので安心です。ご自身で書類を集めることが難しい場合や、手続きの負担を削減したい場合は、ぜひご検討ください。
よくある質問(FAQ)
相続登記を代行できる専門家は?
相続登記を代行できる専門家は、司法書士と弁護士です。必要書類の取得から申請書類の作成、法務局への提出までを代行できます。司法書士は登記手続きの専門家であり、相続登記の代行を依頼する際の窓口として一般的です。弁護士も相続登記の代行は行えますが、相続の法律相談やトラブル対応を併せて依頼したい場合に向いています。
相続登記を自分で行う場合と、専門家やネットサービスに依頼する場合の違いは?
相続登記をご自身で行う場合は代行費用を抑えられますが、書類の取得から申請まですべてご自身で行う必要があり、ミスも発生しがちです。
専門家に依頼する場合は、手続きの負担が軽減され、登記を確実に完了しやすい反面、代行費用がかかります。ネットサービスに依頼する場合は、対面の手間がほとんどなく、ワンストップで手続きを行えるのが特徴です。例えば、定額で依頼できる「そうぞくドットコム」などのネットサービスも選択肢となるでしょう。
相続登記の代行を依頼する際に注意する点は?
相続登記の代行は、基本料金・追加料金の条件・依頼から登記完了までの目安期間を必ず確認し、総額を把握した上で依頼することをおすすめします。費用や手続きの流れは書面で残しておくと安心です。必要書類の提出期限を守り、不明な点は専門家やサービス担当者に質問してから進めましょう。

