【2022】贈与税の非課税枠をわかりやすく解説!特例制度と利用の際の注意点

贈与税の非課税枠生前贈与
この記事を監修した専門家は、
牛腸真司
税理士
立命館大学卒業2011年、税理士登録。税理士登録番号は118275。2012年 東京都港区益本公認会計士事務所(現税理士法人総和)にて資産税対策専任。2015年 千葉県税理士会登録。千葉県税理士会松戸支部広報部員。

贈与税は高いとよく言われますが、基礎控除という非課税枠を使えば税金を安く抑えられます。
贈与の目的に応じて利用できるさまざまな非課税の特例制度もあるため、贈与税の仕組みを活用してうまく節税を行うことが大切です。
この記事では、贈与税がかからないケースや非課税になる特例制度について詳しく解説します。
支払う税金を少なくすればより多くの資産を贈与することができるため、ぜひ参考にしてください。

贈与税の概要

贈与税について説明する女性
贈与税は個人から財産を贈与された時にかかり、1月1日から12月31日の1年間の贈与額をもとに計算します。
贈与を受けた側に納税義務があり、申告や納税を行う期間は贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日です。
現金や不動産などの資産を贈与された場合だけでなく、借金を免除されたケースのように「実質的に贈与とみなされる場合」にも贈与税がかかります。
ただし、1円でも贈与を受けたら贈与税がかかるわけではありません。
贈与税には非課税枠というものがあり、一定額までの贈与には税金はかからない制度になっています。

基礎控除額110万円までは非課税

贈与税の税額は、贈与された金額から基礎控除額110万円を引いた上で、税率を掛けて計算します。
つまり、贈与した金額が110万円までは贈与税はかかりません。
贈与税の非課税枠と一般的によく言われるのは、この基礎控除額110万円のことです。
贈与する資産の金額を110万円以内に抑えれば贈与税がかからず、その場合には税務署への申告手続きも不要なので手間もかからずに済みます。

非課税財産にはかからない

財産の種類によっては、贈与しても贈与税がかからない非課税財産というものがあります。
生活費として欠かせない資産や、税金を課すこと自体に馴染まない性質のものが非課税財産です。
例えば、前者には親が子に渡す仕送りなどの生活費や教育費が該当します。
後者には、香典や見舞い品、年末年始の贈答品や祝物などが該当します。

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贈与税が非課税になる特例制度

贈与税
贈与税の非課税枠は一般的には基礎控除額110万円ですが、それ以外にも贈与税が一定額まで非課税になるさまざまな特例制度が用意されています。

贈与税が非課税になる特例制度
  1. 贈与税の配偶者控除の特例制度
  2. 住宅取得等資金の贈与の非課税制度
  3. 教育資金の一括贈与の非課税制度
  4. 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度
  5. 障害者への贈与で活用できる非課税制度
  6. 相続時精算課税制度
非課税制度を利用するには一定の条件を満たす必要がありますが、基礎控除額110万円よりも大きな金額が非課税になるので節税効果が大きい制度です。
具体的にどのような制度なのかについて、詳しく解説していきましょう。

贈与税の配偶者控除の特例制度

夫婦の間で居住用の不動産を贈与する場合や、居住用の不動産を取得するための資金を贈与する場合、最高2,000万円の控除を受けられます。
基礎控除110万円に加えて最高2,000万円の控除を受けられるので、この金額以下の贈与であれば、贈与税はかかりません。
この特例制度を適用するための主な要件を挙げると、以下のとおりです。

適用要件
  • 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与された居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が住んでいて、その後も引き続き住む見込みであること
また、この特例制度を適用するためには、戸籍謄本や贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証明する書類など、一定の書類をそろえて贈与税の申告手続きをする必要があります。

住宅取得等資金の贈与の非課税制度

自分が居住する住宅用の家屋の新築、取得、増改築等のための金銭を、父母や祖父母など直系尊属から贈与された場合、一定額まで贈与税が非課税になります。
この特例制度の対象になるのは、平成27年1月1日から令和3年12月31日の間に行われた贈与です。
非課税になる金額の上限は住宅取得の契約日や省エネ住宅かなどによって異なりますが、300万円 500万円~3,000万円の贈与まで贈与税がかかりません。
この特例制度を適用できる人の条件は、法律で細かく決まっていますが、たとえば次のような要件が定められています。

適用要件
  • 贈与を受けた人が、贈与を受けた年の1月1日に20歳以上であること
  • 贈与を受けた年の贈与を受けた人の所得が2,000万円以下であること
  • 配偶者や親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること
  • 対象の家屋の登記簿上の床面積が50㎡(令和3年4月1日以降で所得1,000万円以下の場合は40㎡)以上240㎡以下で、その家屋の床面積の2分の1以上を居住用として使うこと
この特例制度を適用するためには、贈与税の申告書に戸籍謄本や登記事項証明書などの一定の書類を添付して、税務署に提出する必要があります。
特例制度を利用する場合には、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日の間に、贈与税の申告を忘れずに行ってください。
また、贈与額のうち非課税になる金額の上限額はケースによって異なるので、実際に特例制度を活用する場合には、以下の国税庁ホームページで詳細な内容を確認するようにしましょう。

教育資金の一括贈与の非課税制度

教育資金に充てるための金銭等を、父母や祖父母などの直系尊属から贈与された場合、一定額まで贈与税が非課税になります。
非課税になる贈与額は、学校等に支払われる金銭は1,500万円まで、それ以外の金銭は500万円までで、平成25年4月1日から令和3年令和5年3月31日の間に行われた贈与がこの特例制度の対象です。
この特例制度を利用するためには、たとえば次のような要件を満たす必要があります。

適用要件
  • 贈与を受けた人が金融機関を経由して教育資金非課税申告書を提出し、金融機関との間で教育資金管理契約を締結して専用の口座を開設すること
  • 贈与を受けた人の年齢が30歳未満であること
  • 贈与を受けた前年の贈与を受けた人の所得が1,000万円以下であること
  • 教育費として引き出すときに領収書など事実を証明する書類を提出すること
この特例制度を使う場合は、金融機関に専用の口座を開設して、その口座から教育資金を引き出すことになります。
資金を引き出す際に書類の提出など手続きをする手間はかかりますが、教育資金以外での引き出しができないので、贈与する側にとっては他の目的で資金が使われる心配がなくなり安心です。

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度

結婚・子育て資金に充てるための金銭等を、父母や祖父母などの直系尊属から贈与された場合、一定額まで贈与税が非課税になります。
非課税になる贈与額は、子育てに関する資金は1,000万円まで、結婚に関する資金は300万円までで、平成27年4月1日から令和3年令和5年3月31日の間に行われた贈与がこの特例制度の対象です。
この特例制度を利用するためには、たとえば次のような要件を満たす必要があります。

適用要件
  • 贈与を受けた人が金融機関を経由して結婚・子育て資金非課税申告書を提出し、金融機関との間で結婚・子育て資金管理契約を締結して専用の口座を開設すること
  • 贈与を受けた人の年齢が20歳以上50歳未満であること
  • 贈与を受けた前年の贈与を受けた人の所得が1,000万円以下であること
  • 結婚や子育ての費用として引き出すときに領収書など事実を証明する書類を提出すること
さきほどの「教育資金の一括贈与の非課税制度」と同じく、特例制度を使う場合は金融機関に専用の口座を開設して、その口座から結婚・子育て資金を引き出すことになります。
資金を引き出す際に書類の提出など手続きをする手間はかかりますが、結婚・子育て資金以外での引き出しができないので、贈与する側にとっては他の目的で資金が使われる心配がなくなり安心です。

障害者への贈与で活用できる非課税制度

特定障害者の生活費などに充てるため、一定の信託契約に基づいて特定障害者を受益者とする財産の信託を行う場合、一定額まで贈与税が非課税になります。
特別障害者の場合は6,000万円まで、特別障害者以外の場合は3,000万円まで贈与税がかかりません。
この制度を利用するには、信託会社に資金を信託するとともに、信託会社を経由して障害者非課税信託申告書を提出することが必要です。
信託した資産は障害者の生活費などとして使うことができ、信託会社から定期的に交付される仕組みになっています。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合に、2,500万円の贈与まで贈与税がかからない制度です。
ただし、この制度を利用して贈与した財産は、財産を贈与した人が亡くなって相続が開始したときに、相続税の計算に含まれることになります。
相続時精算課税制度を利用するには、主に次のような要件を満たすことが必要です。

適用要件
  • 贈与をした年の1月1日時点で60歳以上の父母や祖父母から、同時点で20歳以上の子や孫への贈与であること
  • 贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日に贈与税の申告書を提出していること
また、相続時精算課税は一度適用すると暦年課税に戻すことができないため注意が必要です。
相続時精算課税を選択すると、暦年課税で使える基礎控除110万円の非課税枠がそれ以降使えなくなります。

非課税制度以外で活用できる生前贈与

非課税制度以外で活用できる生前贈与
ここまでに紹介した贈与税の非課税制度以外にも、贈与税をうまく節税しながらできる生前贈与の方法があります。
それは、110万円の贈与までは税金がかからずに済むという、贈与税の仕組みをうまく活用して生前贈与を行う「暦年贈与」です。
暦年贈与を少しでも早くから始めて、長い期間に渡って贈与を行うと大きな節税効果を発揮します。
暦年贈与は生前贈与の方法として活用されることも多いので、その仕組みや実際に暦年贈与を活用する際のポイントを確認していきましょう。

毎年110万円以下の贈与を行う「暦年贈与」を活用する

贈与税の暦年課税では、1年間の贈与額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。
そのため、仮に毎年100万円ずつ10年間に渡って合計1,000万円を贈与しても、各年の贈与額が基礎控除額110万円の非課税枠の範囲内なので、贈与税がかからずに済みます。
まとめて1,000万円を贈与すると贈与税がかかりますが、毎年少しずつ贈与する暦年贈与であれば、贈与税がかからず税負担を大きく軽減できる点が特徴です。
少しでも早くから暦年贈与を始めて、1年でも多く贈与をすれば、その分だけ贈与税をかけずに贈与できる財産が増えることになります。

暦年贈与では贈与契約書を作成する

家族が亡くなって相続が開始したとき、生前に贈与していた財産について税務署から確認されることがあります。
贈与契約書を作成していないと、税務署から指摘を受けたときに贈与の証拠を示せず、贈与そのものが否認されることがあるので注意が必要です。
贈与そのものが認められないと、暦年贈与による節税効果を得られないことになり、せっかくの節税対策が無駄になりかねません。
そのため、暦年贈与を行うときには財産を贈与する度に毎回贈与契約書を作成することが大切です。
家族の間で行う贈与であっても贈与契約書を作成して保管して、もしも税務署から指摘を受けても、贈与の証拠をしっかりと提示できるようにしてください。

暦年贈与で贈与する日付や金額は年ごとに変える

各年に贈与した額が基礎控除額以下であっても、最初からまとまった金額を贈与する意思があったと見なされると、複数年に渡って贈与した額の合計額を基準に贈与税を課されることがあります。
そのため、各年の贈与が独立していて、複数年に渡る贈与がひとつのまとまったものではないことを、わかるようにしておくことも大切です。
暦年贈与をするとき、毎年同じ日に同じ金額で贈与をしていると、すべての贈与が最初から行うつもりだったと見なされて、一括して贈与税が課税されることになりかねません。
そのため、暦年贈与を行うときには贈与する日付や金額を年ごとに変えるようにしてください。

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贈与税の非課税枠を活用する際の注意点

注意点
基礎控除にしても非課税の特例制度にしても、贈与税の非課税枠を活用すれば相当な金額まで税金がかからずに済みます。
しかし、これらの贈与税の非課税枠を活用できなくなってしまうケースがあるので注意が必要です。

贈与税の非課税枠を活用する際の注意点
  • 贈与自体を否認されると基礎控除を利用できない
  • 特例制度を利用するには手続きが必要
贈与税が非課税になると思っていたのに、非課税枠が活用できずに重たい税金を支払うことになっては元も子もありません。
ここで紹介するポイントを理解して、贈与税の非課税枠を確実に活用して節税を行いましょう。

贈与自体を否認されると基礎控除を利用できない

贈与税の非課税枠を使えるのは、当然のことながら贈与税の課税対象だった場合です。
例えば、子が親から100万円の贈与を受けて、基礎控除額110万円の範囲内なので申告をしていないケースを考えてみましょう。
そして親が亡くなり、相続が開始したタイミングで税務署による相続財産の調査が行われたとします。
税務署は過去のお金の流れも含めて入念に調査を行い、100万円の受渡しがされていたことを把握すると、贈与自体を否認して単なる「貸付金」などと見なしてくることがあります。
贈与契約書などを作成していなくて贈与であることの証拠を示せないと、「貸付金」や「立替金」として扱われてしまい、亡くなった方の相続財産として「相続税」が課されることがあるため注意が必要です。
贈与税の非課税枠を活用する場合は、贈与契約書などの証拠をしっかりと残すようにしてください。

特例制度を利用するには手続きが必要

贈与額が基礎控除額110万円以内で贈与税がゼロ円の場合には、申告や納税の手続きは不要です。
しかし、配偶者控除や住宅取得等資金、教育資金、結婚・子育て資金などの各種非課税制度を利用する場合には、手続きを行わないと非課税枠を利用できません。
必要な手続きを行っていないと非課税枠を活用できないだけでなく、申告義務があるにも関わらず申告を怠ったものとして罰金を科されることがあります。
税務署や金融機関でしっかり手続きすれば活用できる制度なので、忘れずに手続きを行ってください。
「非課税枠の範囲内だから贈与税は0円で申告は不要だろう」などと勘違いしないようにしましょう。

まとめ

贈与した金額が基礎控除額110万円までなら、贈与税はかからずに済みます。
非課税枠をうまく活用して贈与税を低く抑えれば、納税後に贈与を受けた人の手元に残る金額も増えてより多くの資産を渡すことが可能です。
住宅取得資金や教育資金、結婚・子育て資金など、さまざまな非課税の特例制度があるため、贈与する資金の用途が決まっている場合には非課税制度の活用を検討してみましょう。
手続き漏れなどによって利用できないことがないように、しっかりと非課税枠を活用してくださいね。
贈与税については、こちらでも詳しく解説しています。

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この記事を監修した専門家は、
牛腸真司
税理士
立命館大学卒業2011年、税理士登録。税理士登録番号は118275。2012年 東京都港区益本公認会計士事務所(現税理士法人総和)にて資産税対策専任。2015年 千葉県税理士会登録。千葉県税理士会松戸支部広報部員。