【詳細】納骨式に香典は必要?金額の相場・香典袋の種類・表書きの書き方

納骨の際の香典 一般知識・マナー

通夜・葬儀などと比べて、納骨式に参列する機会はそれほど多くはありません。

そのため、この儀式における注意点・マナーについては不安な方も多いのではないでしょうか?

この記事では、納骨式のマナー・注意点の中でも特に「納骨式の香典」に関するマナー・注意点を中心に、香典相場や香典袋の表書きについて解説します。

 

納骨式は参加人数が少なく、故人と近しい関係の方だけで行われるため、それだけにマナー違反があれば目立ってしまいます。

まずは、納骨式の正しい知識を身につけ、故人や遺族に対して失礼の無い対応方法を身につけましょう。

納骨式とは

お墓詣りする女性

まずは、納骨式について解説します。

納骨式とは、火葬され骨壺に入れられた遺骨をお墓に納める儀式です。

 

お墓に納めると聞くと、野外にある一般的な墓石を想像しますが、納骨は一般墓だけとは限りません。

永代供養を行い、遺骨を納骨堂に納める際にも納骨式は行われるのです。

行う時期

納骨式を行う時期は、「この期間内に必ず行わなければならない」という決まりはありません。

しかし、喪中明けとなる「四十九日法要」と同時に、納骨式を行うことが多くなっています。

四十九日法要までにお墓の準備ができない場合は、遅くても一周忌法要を目安にお墓を準備し、その際に納骨式を行うことが一般的です。

香典が必要

納骨式では、通夜・葬儀と同様に参列者は香典を持参するのがマナーです。

ただし、この香典の費用相場は、次の条件により異なります。

  • 納骨式の内容
  • 故人との関係

香典の注意点・マナー

常識・非常識

納骨式に持参する香典については、注意点・マナーがあります。

香典マナーを押さえ、施主に対して失礼のない態度で納骨式に臨みましょう。

香典の注意点・マナー
  • 香典の表書きの書き方
  • 香典の中袋の書き方
  • 金額の書き方
  • 香典袋の水引の選び方

注意点・マナー①:香典の表書きの書き方

「表書き」とは、香典袋の表面に表記する文字のことです。

この表書きは、宗教・宗派により表記方法が異なるため、注意が必要です。

 

ここでは、私たち日本人になじみが深い・仏式・神式・キリスト教式の表書きについて解説していきます。

各宗教における表書きは次のようになります。

葬儀形態 表書き
仏式葬儀
  • 御仏前
  • 御香典
  • 御霊前(四十九日以降)
神式葬儀
  • 御玉串料
  • 御榊料
  • 御神前
  • 御霊前
キリスト教式葬儀(カトリック)
  • 御ミサ料
  • 御霊前
キリスト教式葬儀(プロテスタント)
  • 献花料

仏式の書き方

仏式での表書きは「御仏前」「御香典」と記載することが一般的です。

ただし、四十九日法要以前に納骨式を行う際には、表書きは「御霊前」と記載しましょう。

 

仏教の多くの宗派では、四十九日を境に故人の魂は仏様になると考えられています。

そのため、この日を迎えるまでは故人は霊魂として扱われ、表書きも「御霊前」となるのです。

 

なお、浄土真宗では「故人は死後すぐに仏様になる」と教義にあるため、どの時期に納骨式を行っても、香典の表書きは「御仏前」となります。

神式の書き方

神式の表書きは「御玉串料」「御榊料」と記載することが一般的です。

また、「御神前」や仏式と同じく「御霊前」と記載しても問題はありません。

キリスト教式の書き方

本来、キリスト教式では香典を包むという文化はありません。

しかし、日本でのキリスト教においては、他の宗教から影響をうけ香典を包むことが多くなってきました。

 

キリスト教式の表書きはカトリックであれば「御ミサ料」、プロテスタントでは「献花料」と記載することが一般的です。

 

なお、カトリックであれば仏式同様の「御霊前」の表書きも問題ではありませんが、プロテスタントに「御霊前」は厳禁です。

プロテスタントの教義では、霊魂の存在は認められていないため、「御霊前」の表書きは失礼に当たります。

注意点・マナー②:香典の中袋の書き方

香典は現金を包むものですが、香典袋に直接現金を入れるのはマナー違反です。

香典袋は二重構造になっており、香典袋の内側に当たる小さな封筒の「中袋」に現金を包み、さらに香典袋でこの中袋を包みます。

 

中袋の表面には金額を記載し、裏面には氏名・住所を記載しましょう。

住所は、縦書きで・郵便番号・番地・アパート名・部屋番号まで正確に記載します。

注意点・マナー③:金額の書き方

中袋に記載する金額は、アラビア文字・漢数字ではなく大字で記載することがマナーです。

大字とは複雑な構造の漢字で、漢数字の「一・二・三」は「壱・弐・参」と表記されます。

 

大字を使った金額の記入例は次のとおりです。

  • 5,000円:金伍仟圓也
  • 30,000円:金参萬圓也

金額の頭に「金」を、金額の最後は「也」を付けて表記します。

大字を使い、金額の頭と最後に「金」と「也」をつける理由は、金額の改ざんを防止するためです。

そのため、この大字を使った金額の記載方法は、戸籍や領収書などでも用いられています。

注意点・マナー④:香典袋の水引の選び方

香典袋には「水引」と呼ばれる紐を結びます。

この水引には、「人と人を結びつける」とうい意味があり、納骨式では白色と黒色の水引を用いることが一般的です。

【状況別】納骨式の香典費用の相場

御霊前

続いては、香典袋の中身である金額の費用相場を解説します。

納骨式の香典の相場は、納骨式と同時に行う法要によって異なります。

状況①:納骨式のみを行う場合

納骨式のみを行う場合では、香典の費用相場は5千円から1万円ほどです。

納骨式に参列する方は、生前の故人との関係性がどのような場合であっても、これほどの香典は必要になります。

状況②:納骨式と法要を行う場合

納骨式といずれかの法要を行う場合は、2回分の法要の香典は必要なく、その時同時に行う法要の香典のみが必要です。

例えば、納骨式と四十九日法要を同時に行う場合は、四十九日法要の香典のみを持参します。

そのため、この場合の納骨式の香典は四十九日法要の香典が費用相場となり、次の表のとおりとなります。

故人との関係 香典相場
故人の親 3万円~10万円
兄弟・姉妹 1万円~5万円
祖父母・叔父・叔母 5千円~3万円
親族以外・故人の友人・知人 5千円~1万円

状況③:納骨式と節目となる法要を行う場合

一周忌などの法要は、特に節目となる重要な法要として位置付けられています。

この際には、故人と縁があった方が大勢参列する大規模な法要が行われ、法要後には会食を行うため、施主にとっては費用負担が大きくなりがちです。

そのため、納骨式と一周忌などの節目となる法要を同時に行う際には、通常の一周忌法要の香典相場に5千円ほどを上乗せして、次の表のとおりとなります。

故人との関係 香典相場
故人の親 3万5千円~10万5千円
兄弟・姉妹 1万5千円~5万5千円
祖父母・叔父・叔母 1万円~3万5千円
親族以外・故人の友人・知人 1万円~1万5千円

【立場別】納骨式の香典費用の相場

香典袋

香典の費用相場は、故人との関係によっても異なります。

ここでは、故人との関係を5つの立場に分類し、さらに「通夜・告別式と同時に納骨式を行う場合」と、「四十九日以降に納骨式行う場合」に分け、費用相場を記載します。

立場①:親族の場合【両親】

納骨式が行われる状況 香典相場
通夜・告別式と同時に行う 3万円~10万円
四十九日以降に行う 1万円~10万円

立場②:親戚の場合【兄弟・姉妹】

納骨式が行われる状況 香典相場
通夜・告別式と同時に行う 3万円~5万円
四十九日以降に行う 1万円~5万円

立場③:親戚の場合【祖父母・叔父・叔母】

納骨式が行われる状況 香典相場
通夜・告別式と同時に行う 1万円~3万円
四十九日以降に行う 5千円~3万円

立場④:知人の場合

納骨式が行われる状況 香典相場
通夜・告別式と同時に行う 5千円~1万円
四十九日以降に行う 5千円~1万円

立場⑤:職場関係の場合

納骨式が行われる状況 香典相場
通夜・告別式と同時に行う 5千円~1万円
四十九日以降に行う 3千円~1万円

納骨式に必要な費用の内訳

スケジュール帳とお金

ここまでは、納骨式に参列する側の費用である、香典について解説してまいりました。

それでは、納骨式を行う施主側では、どのような費用がどの程度必要なのでしょう?

 

ここでは、納骨式を行う費用の内訳を5つに分類し、それぞれどの程度の費用が必要になるのかを解説します。

施主側が必要な費用は次のとおりです。

内訳 費用相場
卒塔婆費用 2千円~1万円
没年・戒名彫刻費用 3万円~5万円
納骨作業費用 1万5千円~3万円
法要部屋使用費用 1万円~3万円
お布施・御車代・御膳料費用
  • お布施費用:3万円~5万円
  • 御車代:5千円~1万円
  • 御膳料費用:5千円~1万円

内訳①:卒塔婆(そとば)費用

卒塔婆とは、故人の供養のために墓所に立てる細長い木製の板です。

納骨式の際には、この卒塔婆を立てることが、故人の冥福につながると考えられています。

 

卒塔婆の費用は寺院によって異なりますが、2千円から1万円が費用相場となり、お布施とは別に卒塔婆費用として包みます。

なお、浄土真宗に限っては卒塔婆を立てることはありません。

内訳②:没年・戒名彫刻費用

墓誌に追加で没年・戒名を彫る場合は、石材店に依頼して刻名してもらいます。

その際の費用相場は、3万円から5万円となります。

内訳③:納骨作業費用

ご自身でカロート(遺骨を収めるスペース)を開閉出来ない場合は、石材店に作業を依頼します。

この際の費用相場は、1万5千円から3万円となります。

内訳④:法要部屋使用費用

霊園などの法要部屋を借りた場合は、使用料が必要です。

この際の費用相場は1万円から3万円となります。

内訳⑤:・お布施・御車代・御膳料費用

納骨式では、僧侶の読経を行うためお布施が費用です。

お布施の費用は、お住まいの地域・宗派・寺院との付き合い方によって異なりますが、3万円から5万円が費用相場です。

 

また、このお布施以外にも次の費用が必要です。

  • 僧侶に足を運んでもらった際には「御車代」として5千円から1万円を包む
  • 納骨式後の会食に僧侶が欠席する場合は「御膳料」として5千円から1万円を包む

納骨式までに必要な準備

メリットデメリット

納骨式を滞りなく行うためには、事前の準備が重要です。

ここでは、納骨式を行う際の準備として次の項目を解説します。

納骨式までに必要な準備
  1. 読経を寺院に依頼
  2. 没年・戒名の彫刻を石材店に依頼
  3. 遺骨埋葬許可書を取得
  4. 参列者の確認・食事や引出物の準備

準備①:読経を寺院に依頼

納骨式を行うにあたり、まずは寺院へ連絡をとり、僧侶のスケジュールについての確認を行いましょう。

僧侶の手配は寺院側も調整が必要な場合があり、この調整が事前にできていれば、その後の段取りが非常にスムーズです。

 

納骨式を行う時期については、いつまでに行わなければならないといった決まりはありません。

また、六曜なども関係がないため、原則的には納骨式はいつでも行うことが可能です。

ただし、寺院が忙しく僧侶を派遣することができない「お彼岸」「お盆」の時期は、納骨式を遠慮するのがマナーです。

準備②:没年・戒名の彫刻を石材店に依頼

納骨式の日程が決まったら、その日までに墓石への没年・戒名の彫刻を終わらせましょう。

また、納骨の際にご自身で墓石の開閉ができない場合は、納骨式の日程を石材店へ伝え、墓石の開閉作業と遺骨の納骨作業を依頼します。

準備③:遺骨埋葬許可書を取得

納骨を行うためには、埋葬許可書を墓地管理者へ提出する必要があります。

埋葬許可書は、火葬場の印が押された火葬許可証を指すことが一般的で、この書類を寺院へ提出することで埋葬が許可されます。

準備④:参列者の確認・引き出物の準備

納骨式に関する段取りが全て決まったら、次は納骨式参列者の選定を行い、その方々へ参列依頼の連絡をします。

また、納骨式の後に会食を設ける場合は、次の内容についても決定します。

  • 会食会場の手配
  • 会食内容の決定

また、香典返しとして引き出物が必要となるため、納骨式参列者の人数が決まった段階で、引き出物の準備にとり掛かります。

引き出物はタオル・ハンカチなどが一般的です。

納骨式の流れを解説

次のステップ

お葬式が終わり、火葬が済めば故人への弔いはひと段落しますが、その後に行われる儀式が今回解説している納骨式です。

ここでは、この納骨式がどのような流れで行われるのかを解説します。

納骨式は次に挙げる流れで行われることが一般的です。

納骨式の流れを解説
  1. 代表者の挨拶
  2. 納骨
  3. 読経・焼香
  4. 会食

ステップ①:代表者の挨拶

納骨式は、代表者である施主から参列者へ向けた挨拶から始まります。

この挨拶では、次の内容を盛りこむよう心掛けてください。

代表者の挨拶に入れるべき内容
  • 納骨式に参列してもらったことへの御礼
  • 遺族の近況報告
  • 葬儀が終了した後も変わらないお付き合いに対する御礼
  • 納骨式後に会食がある事の報告

施主挨拶の文例

さきに触れた内容を盛り込んだ例文はつぎの通りです。

本日はお忙しい中、亡き父の納骨式に参加いただき、ありがとうございます。

また、葬儀、初七日法要などには大変お世話を頂き感謝申し上げます。

本日納骨する事ができますのも、ご参列の皆様のおかげと感謝しています。

どうぞ皆様、これからもご指導のほどお願い申し上げます。

ささやかながら会食の席も設けておりますので、その際にはお時間の許す限りごゆっくりしていただければと思います。

本日は誠にありがとうございます。

ステップ②:納骨

施主の挨拶が終了したら、次は納骨を行います。

石材店の作業員が遺骨を収めるカロートを開閉し、この部分に遺骨を納めましょう。

 

納骨方法は、関東と関西では若干異なり次のようになります。

  • 関東:カロートへ骨壺ごと遺骨を納めることが一般的
  • 関西:遺骨を骨壺から取り出し納骨袋に入れなおして遺骨を納めることが一般的

納骨の際、遺骨の並べ方に決まりはありませんが、古い遺骨は奥の方へ、新しい遺骨は前の方へと並べるのが基本とされています。

ステップ③:読経・お焼香

納骨が終われば、僧侶による読経と参列者の焼香が始まります。

一般墓で納骨式を行う場合は、野外でそのまま読経を行いますが、中には寺院の中に移動して読経を行う事もあります。

 

僧侶が読経を始めたタイミングで、参列者は焼香を行い、最初は施主、続いて故人と縁が深かった親族、続いて友人・知人の順で焼香が行われます。

参列者全員が焼香を終えると納骨式は終了です。

納骨式の所要時間は30分から1時間ほどとなるでしょう。

ステップ④:会食

納骨式が終了したら、僧侶と参列者全員で会食会場へ場所を移し、会食が開始されます。

会食には次のような注意点があります。

会食の際の注意点
  • 施主の挨拶の前に、位牌の前にお酒の入った盃を準備する
  • 施主の挨拶は長くても1分から2分で終わらせる
  • 献杯は盃を高くあげたり打ち合わせたりしない
  • 献杯を飲んだ後には拍手は行わない

会食時間が終了に近づくと、施主は最後の挨拶を行い、引き出物を参列者に渡し会食終了となります。

納骨式を欠席する際のマナー

郵便ポスト

納骨式を欠席するなど、香典を渡すことができない事情がある場合でも、次の方法で香典を渡すことが可能です。

また、この際にもマナーがありますのでご紹介します。

納骨式を欠席する際のマナー
  • 香典を郵送で送る
  • 香典には手紙を添える

マナー①:香典を郵送で送る

香典を直接遺族に渡すことができない場合は、郵送で送ることが可能です。

この際の香典は、通常の香典と同様の作法で香典袋に現金を包み、その上から現金書留専用の封筒に入れ、現金書留として遺族に郵送しましょう。

マナー②:香典には手紙を添える

香典を郵送で送る際には、手紙を添えるのがマナーです。

手紙は、白色の縦書きの便箋を使用し、現金書留専用の封筒に直接入れるようにします。

手紙を封筒に入れ香典袋の中に入れてしまうと「二重は不幸が重なる」を意味する、二重封筒となってしまうため注意しましょう。

手紙の文例

香典に添える手紙には次の内容を盛り込みます。

  • お悔みの意
  • 参列できないお詫び
  • 香典を贈る旨

この度は○○様(故人名)がお亡くなりになられたという報に接し、驚いております。

○○様のご逝去に、心よりお悔み申し上げます。

ご葬儀に参列できない無礼をお許しください。

同封の物は心ばかりですが、御霊前にお供え頂ければと存じます。

まとめ

お葬式用の持ち物

納骨式は、参列者の数も少なく身内中心となるため、マナーなどを簡単に考えている方もいます。

しかし、実際には小規模・少人数で行われるからこそ、参列者の葬儀マナーが問われているのです。

 

特に、香典に関しては、今後の人間関係にも影響が出る可能性もあります。

ご自身の立場や状況を整理して、施主に対して失礼のない金額を包むよう心がけましょう。

この記事を監修したのは、