【2024】香典の数字・金額の正しい書き方は?併せて知っておきたいマナーも!

香典の数字一般知識・マナー

通夜や告別式の際には香典が必要不可欠ですが、この香典にはさまざまなマナーや作法があります。

そのため、ご自身の書き方が本当にこれでいいのだろうか?と不安を感じている方は少なくありません。

そこで、ここでは香典を用意する際の金額の書き方や書く場所を説明しながら、「大字の正式な表記方法」「香典にまつわるマナー」「費用相場」について解説します。

香典袋の書き方

突然の訃報を受けた際には、その人物が身近な方であるほどすぐに遺族のもとに駆け付けて力になってあげたいと思うものですが、そのような状況にあっても葬儀マナーは大切です。

特に葬儀には欠かせない香典は金銭を包むため、たくさんのマナーやしきたりが存在します。

そこで、ここでは香典袋の正しい書き方を説明します。

香典とは

初めに、香典について詳しく解説します。

香典は、供花やお香の代わりとして故人の霊前に供える金銭を意味し、香典袋に金銭を包み通夜や告別式に参列者が持ち寄ることがマナーとされています。

しかし、以前の香典は現在の香典とはまったく異なるものでした。

以前の葬儀では葬儀中に大量のお香が焚かれる中で行われ、故人はこのお香の煙を道しるべとしてあの世へ旅立つと考えられてきました。

そのため、葬儀中には大量のお香が必要となることから、参列者は遺族に対してお香を贈り遺族の負担を軽減しようします。

 

この行為が時代の中で変化し、これまでお香だった香典の中身は「このお金でお香を買い求めてください」という意味を込め金銭に変化します。

このような理由から現在の香典は以前の香典と異なりますが、大切な方を亡くした遺族を気遣い経済的に支援するという香典本来の理念に変わりはありません。

中袋の正しい書き方

一般的な香典袋は外袋と中袋の二重構造になっており、中袋とは金銭を包み外袋の内側に収納する袋を指しています。

中袋の表面には香典として包む金額を縦書きで、裏面の左下部分には香典を包む方の氏名と住所をそれぞれ記載します。

この際の氏名は、企業として香典を包む場合には企業名や団体名で書き、その香典は誰がどのような立場で包んでくれたのかを、遺族に対して明確に分かる方法で示します。

 

なお、香典袋にはたくさんの種類があります。

中袋によっては初めから金額や氏名などを記載する欄が設けられているタイプがありますが、この際には記載された欄に指定内容を書けば問題ありません。

外袋の正しい書き方

香典袋の外側の袋は外袋と呼ばれ、外袋には水引を中央にしてその上段に表書きを記載します。

この表書きとは贈り物の内容を示す目録が簡略化されたもので、宗教や宗派によって書き方が異なるため注意が必要です(宗教や宗派ごとの表書きは以下の「香典袋の表書きの書き方」で詳しく解説していますのでそちらをご覧ください)。

現在では、この表書きが記載された香典袋が数多く販売されていますが、格式が高い香典袋には表書きが書かれていることがないため、ご自身で記載する必要があります。

名前・住所の正しい書き方

個人で香典を包む場合は外袋の表面、水引を中央にしてその下部分にご自身の名前をフルネームで記載します。

この際の文字の大きさは、表面の上部に記載された表書きと同じ大きさにすると全体的にバランスが良く、見栄えのする香典袋になります。

なお、この名前の書き方は香典を包む人数や状況で書き方が異なるため注意が必要です(詳しくは以下の「香典袋の名前の書き方」で詳しく解説していますのでそちらをご覧ください)。

香典袋に記載する住所は、香典袋の種類によって次のように記載場所が異なります。

  • 中袋がある香典袋:中袋裏面の中央より左側に縦書きで書く
  • 中袋がない香典袋:外袋の裏面に縦書きで書く

住所は郵便番号を含めて記載しますが、この郵便番号の数字部分は算用数字でも漢数字でもどちらでも構わないとされています。

ただし、香典袋は縦書きが前提となっているため、一般的には漢数字を用いて縦書きで表記することが多いでしょう。

薄墨の筆ペンを利用して手書きで書く

香典袋に記載する文字は、薄墨を使用するのがマナーです。

これは、「硯(すずり)を十分にする時間もないほど時間を惜しんで駆け付けた」ということを表し、悲しみの涙で墨が薄くなってしまったことで、故人への哀悼の意を表しています。

このような理由から、香典で薄墨を使用する状況は訃報を聞いて駆けつける通夜や葬儀の香典に限られ、初めから予定が決まっている法要では薄墨を使用することはありません。

なお、薄墨を使用する状況であっても、住所や香典金額については濃い墨の毛筆や筆ペン、もしくは万年筆やボールペンなどでしっかりと必要事項を記載することをお勧めします。

これらの箇所は、葬儀後に遺族が香典返しを用意する際に確認するため、読みづらくなりがちな薄墨ではなく書きなれた書き物でしっかりと記載した方が良いでしょう。

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香典の金額の書き方の作法

香典

葬儀参列時に持参する香典は、香典袋に金額を必ず明記します。

この際の金額の表記方法は、あらかじめ決められた作法に従って書かなければなりません。

そのため、この作法を知らないと誤った表記の香典袋を受付で渡すことになり、恥ずかしい思いをしてしまいます。

そうならないためにも、ここでは香典の金額の書き方の作法について詳しく解説していきます。

香典の金額の書き方の作法
  • 縦書きの場合は漢数字(大字)
  • 横書きの場合は算用数字(アラビア数字)

縦書きの場合は漢数字(大字)

香典袋が縦書きの場合は、私たちが日常で使っている漢数字ではなく、「大字」と呼ばれる漢数字を使い金額を記載します。

この「大字」とは旧字体の漢数字のことで、身近なところではお札などに書かれている数字です。

また、契約書などで金額を記入する場合にはも大字が使われます。

複雑な大字を使うことで、金額を改ざんできないようにすることが目的です。

香典袋に記入する際は「金○○圓」と書きます。

「圓」は「円」の大字、○○は金額で大字で明記することが基本です。

 

また、「也(なり)」を最後につけて「金○○圓也」と明記することが昔からの習慣であることから、正しい金額の明記方法だと言われています。

続いては、具体的な金額の記入例について解説しましょう。

大字を使った記入例

  • 三千円の場合:「金参仟圓」
    • 「参」は「三」の大字、「仟」は「千」の大字
  • 五千円の場合:「金伍仟圓」
    • 「伍」は「五」の大字
  • 一万円の場合:「金壱萬円」
    • 「壱」は「一」の大字、「萬」は「万」の大字

横書きの場合は算用数字(アラビア数字)

香典袋によっては、稀に金額を記入する欄が「横書き」で設けられている場合があります。

その際は、私たちに馴染み深い算用数字(アラビア数字)で金額を明記しても構いません。

 

ただし、この場合は必ず算用数字を使わなければならないわけではありません。

算用数字が気になる方であれば、縦書きと同様に大字を使用しても問題はないでしょう。

算用数字を使った記入例

  • 三千円の場合:「金3,000円」
  • 五千円の場合:「金5,000円」
  • 一万円の場合:「金10,000円」
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漢数字(大字)の正式な表記例

香典で使用する数字には大字を使用することをお伝えしました。

この大字には次のようなものがあります。

なお、「四」は「死」、「九」は「苦」を連想させるため、香典でこれらの数字が使われることはありません。

そのため、表中には記載していません。

一般的な漢数字 旧字体の漢数字(大字)
仟または阡
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香典の金額を書く場所

2万円の香典

香典袋には空白部分が多くあるため、金額を記入する場所について迷ってしまう方もいるでしょう。

ここでは、金額を記入する場所はどこが良いのかについて解説します。

一般的には中袋に書く

一般的に、香典袋はのし袋と中袋でできています。

香典袋に中袋がある場合は、この中袋の表側に金額を明記しましょう。

香典袋の中袋に金額欄が設けられているタイプでは、その記入欄に従います。

中袋がない場合はのし袋の裏面に書く

地域によっては、中袋があることで袋が二枚となり「不幸が重なる」と連想されることから、中袋がない香典袋が販売されていることがあります。

この場合は、香典袋の裏側に金額を明記しましょう。

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香典の金額・お金にまつわる3つのマナー

香典を手渡す女性

香典には、数字の書き方以外にもさまざまなマナーがあります。

ここでは、香典の金額・お金に関わる3つのマナーについて解説していきます。

香典の金額・お金にまつわる3つのマナー
  • お札は旧札を準備を準備する
  • 金額の記載は薄墨を使用する
  • お金は裏向きにする

お札は旧札を準備を準備する

香典に使うお札は、ある程度使用感があるものを使うことがマナーです。

これは、故人が亡くなることを予想して新札を用意していたと、遺族側から思われないようにするためです。

どうしても手元に新札しかなくそれ以外のお札を用意できない場合は、新札に折り目をつければ香典として使用することが可能です。

金額の記載は薄墨を使用する

故人に対して弔意を示すという意味合いから、香典の金額は薄墨を使って書くことがマナーです。

、この際の書き物は筆ペンや毛筆を使用します。

サインペンやボールペンは略式の書き方とされているため、できるだけ控えた方が良いでしょう。

お金は裏向きにする

香典袋にお札を入れる際は、お札の肖像を裏側にして、さらに肖像が下向きになるように入れることがマナーです。

これは、お札を出した際、肖像が見えないようにという古くからのしきたりです。

また、お札はすべて向きを同じく角をそろえて入れることも重要です。

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香典袋の表書きの書き方

花に包また香典

香典袋の表書きは、その香典の題目となることばを書きます。

しかし、表書きは宗教や宗派によってさまざまな書き方があり、決められた表書き以外はマナー違反になるため注意が必要です。

ここでは、香典袋の表書きの適切な書き方について、宗教や宗派ごとに分けて解説していきます。

仏式葬儀

国内では仏式の葬儀が最も多く、ほとんどの宗派では香典の表書きには「御霊前」と書くことが一般的です。

「御香料」と書く場合もあり、仏式の葬儀であれば宗派に関係なく使えます。

葬儀会場の宗派がわからない場合は、「御霊前」より「御香料」と記載する方が無難でしょう。

浄土真宗の場合

浄土真宗は、仏教の中でもその教義の違いから香典の表書きについても特有のマナーがあります。

浄土真宗の表書は「御仏前」と書き、一般的な「御霊前」とは書きません。

 

浄土真宗には、亡くなった方は霊になることなく、ただちに極楽浄土で成仏するという考え方があります。

そのため、他の仏教宗派であれば四十九日以降に使われる「御仏前」ということばを、いち早く葬儀の際に使うことになるのです。

神式葬儀

神式の葬儀でも仏式同様に「御霊前」の表書きが一般的です。

この他、神式の葬儀では

  • 御榊料
  • 御神饌料
  • 御玉串料
  • 玉串料

といった神道特有の表書きも見られます。

キリスト教式

キリスト教には「カトリック」「プロテスタント」などの宗派がありますが、どちらにも共通して

  • 御花代
  • 御花料

と書くことが一般的です。

また、カトリックであれば、仏式・神式の一般的な表書きである「御霊前」を使用することも可能です。

他には、カトリックでは「御ミサ料」、プロテスタントでは「弔慰金」などを表書きとして使用する場合もあります。

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香典袋の名前の書き方

香典袋

香典袋の下のスペースには香典を渡す方の名前を記載します。

この名前は、香典を渡す方により記載方法が異なります。

ここでは、渡す方の状況を4つに分け、それぞれの状況にあった名前の記載方法を解説します。

個人で香典を渡す場合

個人で香典を渡す際はフルネームを書き、結婚などで苗字が変わった場合でも、新しい苗字をフルネームで書きます。

ただし、故人が新しい苗字だけでは誰なのかわからないことが想定される場合、新しい苗字の隣にカッコをつけて旧姓を記載すると良いでしょう。

会社を代表して香典を渡す場合

会社を代表して香典を渡す場合、香典袋の下段に右寄せで、

  • 会社名
  • 役職名
  • 名前

の順で書きます。

この際、名前が香典袋の真ん中に来るよう全体のバランスを見ながら記載してください。

代理で香典を渡す場合

代理で香典を渡す場合、依頼主の名前をフルネームで書きます。

そして、奥様が代理の場合はご主人の名前の左下に小さく「内」、その他の方が代理の場合は依頼主の名前の左下に小さく「代」と記載します。

例えば、次のように記載します。

  • ○○○○(内):○○○○が主人名
  • ○○○○(代):△△△△が依頼人名

こうすることで、葬儀主催者は代理出席を理解することができるようになります。

連名で香典を渡す場合

連名で香典を出す場合は、人数により記載方法が異なります。

夫婦の場合

中央に一人の名前をフルネームで記載し、その左隣にもう一人の名前を記載します。

3人の場合

最も目上の方を中央に書き、その左に残りの2人の名前を記載します。

一番目下の方が左端になるようにします。

4人以上

最も目上の方を中央に書き、左下に「外一同」と記載します。

「外一同」だけでは誰が香典を包んでくれたのか葬儀主催者にはわからないため、紙に香典を包んでくれた方の名前を書き、その紙を香典袋に同封します。

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香典の費用相場

数珠と香典

香典の費用相場は、故人との生前の関係性によって異なります。

ここでは、故人との生前の関係性を例に、香典の費用相場についてお伝えいたします。

故人と親しい関係の場合

故人とは血縁関係はないが、親しい間柄の場合は1万円から3万円が費用相場です。

これは、普段からお互い時間を取って一緒の時間を過ごす間柄や、ビジネス関係で親しくしていた方などが該当します。

故人と一般的な関係の場合

故人とは友人・知人の関係であったけれども、そこまで親しい関係ではない場合は5千円から1万円が費用相場です。

生前に特別な付き合いがなかった場合は、費用も必要最低限となるためこの程度の金額が妥当な金額と言えるでしょう。

故人が親族の場合

故人が親族の場合は1万円から3万円が費用相場です。

ただし、故人が自分にとって特に身近な存在だった場合は、この相場より多くの香典を包む必要があります。

例えば、故人が両親の場合では香典は5万円から10万円以上となり、兄弟姉妹では3万円から5万円が費用相場です。

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まとめ

不幸ごとは予想することができないため、事前に準備できるものではなく誰もが慌ててしまいます。

しかし、だからといって香典袋に記載する数字や表書きを間違ってしまうと、ご自身が恥をかくばかりか、葬儀主催者に対し礼を欠いてしまいます。

 

また、香典とは故人の霊前に供えるものですが、同時に遺族を経済的に支えるという側面もあります。

そのため、故人との生前の関係を考慮して適切な金額を香典として準備しなければなりません。

 

香典に対するマナーを十分に理解していれば、いざというときの備えにつながり慌てることはありません。

そのため、落ち着いた気持ちで故人の最後に立ち会うことができ、遺族に対しても十分な配慮を持った対応ができることでしょう。

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この記事を監修したのは、
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