【2021】夫から妻への家の名義変更にかかる費用は?必要書類と手続きの方法

夫から妻への家の名義変更費用 不動産
この記事を監修した専門家は、

家の名義変更では、手続きに使う書類を役所で発行する費用や登録免許税などがかかります。

贈与や相続などで家の名義を夫から妻に変える際も、名義変更の手続きや費用の支払いが必要です。

費用を支払う段階になってから慌てないように、家の名義変更でどれくらいの費用がかかるのか、事前に確認して支払いに充てる資金を準備しておきましょう。

今回は、贈与、財産分与、相続、それぞれのケースでかかる費用について解説します。

夫から妻への家の名義変更が必要になるタイミング

夫から妻への家の名義変更が必要になるタイミング

不動産が誰のものなのか、不動産の名義は法務局が管理する登記簿に記載されています。

不動産の所有者が変わるときには名義変更を行う必要があり、不動産の名義変更である「登記」と呼ばれる手続きが必要です。

夫から妻に家の名義変更を行うケースとしては、主に贈与・離婚に伴う財産分与・相続の3つのケースがあります。

夫から妻への家の名義変更が必要になるタイミング
  • 贈与
  • 財産分与
  • 相続

贈与

夫が妻に家を生前贈与する場合には、名義変更の手続きが必要になります。

例えば、将来自分が死んで相続が起きたときに相続トラブルが起きそうで、妻に確実に家を渡すために、相続まで待たず生前に贈与しておくようなケースです。

登記は不動産の今までの所有者と新たな所有者が共同で行うことが基本なので、夫から妻に家を贈与して名義を変えるのであれば、夫婦で手続きを進めることになります。

かかる主な費用は、手続きに必要な書類を役所で取得する際の発行費用と、登録免許税・不動産取得税・贈与税です。

ただし、夫婦の婚姻期間が20年以上であるなど、一定の要件を満たして贈与税の配偶者控除の適用を受けられるときは、2,000万円の贈与まで贈与税はかかりません。

財産分与

財産分与とは、夫婦で築いた財産を離婚するときに分けることです。

離婚に伴って財産分与を行い、夫名義や夫婦共同名義の家を離婚後には妻が所有する場合には、夫から妻への名義変更が必要になります。

財産分与は贈与ではなく、あくまで財産の分割にあたるため、基本的に贈与税はかかりません。

ただし、財産分与に関する事情を考慮しても受け取った財産が多すぎる場合などには、贈与税がかかることがあります。

また、不動産取得税はかかる場合とかからない場合があります。

財産を分与した側に所得税が課されることもあるため、どのような税金がかかるのかはケースバイケースです。

離婚協議で揉めて当事者で登記の手続きを進めるのが難しい場合は、司法書士に間に入ってもらって代わりに手続きをしてもらうことも多く、専門家に依頼するのであれば費用がかかります。

相続

家族が亡くなり相続が開始したら、亡くなった方の遺産は相続人が相続します。

亡くなった方の名義になっている個々の遺産を、それぞれの財産を相続する人の名義に変更する手続きが必要です。

そして、家を妻が相続することが遺言書に書かれている場合や、遺産分割協議をして妻が家を相続することになった場合は、家の名義変更である相続登記を行います。

かかる主な費用は、手続きに必要な書類を役所で取得する際の発行費用と登録免許税です。

相続税は、かかる場合とかからない場合があります。

配偶者が遺産を相続する場合は、遺産額が1億6千万円以下であれば相続税がかからないので、相続税がかからないケースが多くなります。

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家の名義変更でかかる費用

家の名義変更でかかる費用

家の名義変更を自分でやる場合、かかる主な費用は次の2つです。

家の名義変更でかかる主な費用
  • 必要書類の取得費用
  • 税金

また、税金に関しては、贈与・財産分与・相続でそれぞれ次のようになります。

家の名義変更でかかる税金
  • 贈与:登録免許税、不動産取得税、贈与税がかかる
  • 財産分与:登録免許税がかかり、ケースによっては不動産取得税や所得税、贈与税がかかる
  • 相続:登録免許税がかかり、相続税はかかる場合とかからない場合がある

必要書類の取得費用

登記をするときには、住民票や固定資産評価証明書など一定の書類をそろえて提出する必要があります。

詳細な書類の一覧はのちほど紹介しますが、書類の発行費用は一般的に1通につき数百円程度で、書類によっては1通につき千円前後です。

必要になる書類はケースによって異なるため一概にはいえませんが、すべての書類をそろえるのに数千円程度の費用がかかると考えておけば良いでしょう。

登録免許税

登録免許税は登記をするときにかかる税金です。

登録免許税の税額は次の式で計算できます。

  • 登録免許税の税額 = 課税標準(固定資産税評価額) × 税率

課税標準(固定資産税評価額)は固定資産評価証明書を見れば確認でき、税率は贈与や財産分与の場合は2%、相続の場合は0.4%です。

たとえば、2,000万円の土地の名義変更をする場合、贈与であれば40万円、相続であれば8万円の登録免許税がかかります。

不動産取得税

不動産取得税は、土地や家などの不動産を取得したときにかかる税金です。

贈与で不動産を取得した場合は不動産取得税がかかり、相続で不動産を取得した場合、不動産取得税はかかりません。

財産分与で不動産を取得する場合は、基本的には不動産取得税はかかりませんが、慰謝料の意味合いで不動産を取得する場合は不動産取得税がかかります。

  • 不動産取得税の税額 = 課税標準(固定資産税評価額) × 税率

家を取得したときの不動産取得税の税率は、原則として住宅ではない家屋は4%、住宅用家屋は3%です。

贈与税

贈与税は、財産の贈与を受けた人にかかる税金です。

家の名義を夫から妻に変更するケースのうち、名義変更をする原因が贈与であれば、贈与税がかかります。

相続の場合は相続税の課税対象になるため贈与税はかからず、離婚に伴う財産分与の場合も原則として贈与税はかかりません。

ただし、財産分与に関する事情を考慮しても受け取った財産が多すぎる場合や、贈与税を免れるために離婚をしていると認められる場合など、贈与税がかかるケースがあります。

一般的には年間の贈与額が110万円を超えると、以下の式で求められる贈与税がかかります。

  • 贈与税の税額 = (1年間に贈与された財産の総額 - 基礎控除額110万円) × 税率 - 控除額

ただし、婚姻期間が20年以上であるなど、一定の要件を満たす夫婦間の贈与で適用できる配偶者控除を使う場合は、基礎控除額110万円のほか最高2,000万円の贈与まで贈与税がかかりません。

所得税

贈与や財産分与、相続によって所有している不動産を手放す場合、所得税は基本的にかかりません。

ただし、財産分与では、財産分与を行う時点の家の価格(時価)が取得価格を上回る場合には、所得税がかかることがあります。

相続税

相続税は、遺産を相続する人にかかる税金で、基礎控除額を超える遺産を相続する場合には、基本的に相続税がかかります。

  • 相続税の基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円×(法定相続人の数)

ただし、例えば家や土地など高額な資産を配偶者が相続する場合は、遺産額が基礎控除額を超えても相続税がかからない場合があります。

配偶者の相続税の計算では、税負担を軽減できるさまざまな特例制度を使えることが多いからです。

そもそも配偶者の場合は、他の相続人と違って、遺産額が1億6千万円までであれば相続税はかかりません。

これは、配偶者の税額軽減と呼ばれる規定です。

なお、配偶者の税額軽減の規定を適用して相続税がゼロになる場合は、納税は不要ですが申告は必要になります。

家の名義変更を専門家に依頼する場合の費用相場

家の名義変更を専門家に依頼する場合の費用相場

登記の手続きは、自分でやらずに司法書士に依頼することもできます。

司法書士事務所によって報酬額や報酬体系は異なりますが、依頼した場合の目安額としては6~9万円ほどです。

費用がかかってしまう点がデメリットではありますが、住民票などの手続き書類を集めるところから司法書士に任せれば、自分で役場や法務局に行く手間はかかりません。

役場や法務局は平日の日中しか開いていないので、仕事があるなど平日は手続きをしに行く時間が取れない人にとっては、司法書士に手続きを代行してもらうメリットが大きいといえます。

夫から妻に家の名義を変更する際、そもそも登記の手続きを自分でやる自信がなければ、最初から司法書士に依頼してしまっても良いでしょう。

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家の名義変更を行うときの手続きの流れ

家の名義変更を行うときの手続きの流れ

ここまで、家の名義を夫から妻に変更するときの費用についてお伝えしました。

実際に名義変更を行うときの手続きの流れについても確認しておきましょう。

家の名義変更を行うときの手続きの流れ
  1. 必要書類を揃える
  2. 登録免許税を計算する
  3. 登記申請書を作成する
  4. 法務局に書類を提出する
  5. 登記完了予定日以降に書類を受け取りに行く

必要書類を揃える

登記の手続きで必要になる具体的な書類はのちほど紹介しますが、まずは手続き書類をそろえる必要があります。

役場に行って、住民票や固定資産評価証明書などを取得します。

また、手続きで提出する書類ではありませんが、登記申請書を書くときに登記事項証明書の内容を確認する必要があります。

そのため、法務局に行って登記事項証明書を取得しましょう。

登録免許税を計算する

さきほど紹介したように、登録免許税の税額は、課税標準(固定資産税評価額)に税率をかけて計算します。

課税標準(固定資産税評価額)は固定資産評価証明書を見れば確認でき、税率は贈与や財産分与の場合は2%、相続の場合は0.4%です。

実際の計算では、固定資産税評価額の1,000円未満の端数を切捨てた額に税率を乗じて、計算結果に100円未満の端数があれば切捨てます。

登記申請書を作成する

不動産の登記では、登記申請書を作成して法務局に提出する必要があります。

用紙の雛形は法務局ホームーページからダウンロードでき、記載例も掲載されているので確認してみると良いでしょう。

法務局に書類を提出する

必要書類をそろえて登記申請書を作成したら、法務局に提出します。

提出先となる法務局は、登記をする不動産がある地域を管轄している法務局です。

一般的には窓口に書類を持参して直接提出するか、書類を郵送して提出することになります。

法務局が開いているのは平日の午前8時30分から午後5時15分までなので、直接行って提出する場合はこの時間内に行くようにしてください。

登記完了予定日以降に書類を受け取りに行く

登記は、書類を提出して即日で手続きが完了するわけではありません。

通常は、少なくとも1週間から10日程度はかかります。

登記が完了すると登記完了証や登記識別情報通知書が発行されるので、登記完了予定日以降に法務局に受け取りに行きましょう。

また、登記完了証や登記識別情報通知書は郵送してもらうこともできます。

家の名義変更で必要になる書類

家の名義変更で必要になる書類

家の名義を夫から妻に変更する際、手続きで必要になる書類の種類はケースによって異なります。

ご自身のケースで必要になる書類が何かを事前に確認して、必要な書類を漏れなく揃えてスムーズに手続きを終えるようにしましょう。

なお、以下では贈与・財産分与・相続それぞれのケースについて紹介しますが、ここで記載する書類の一覧は一般的に必要になる書類です。

相続放棄をしている人がいて相続放棄申述受理証明書が必要になる場合など、さらに書類が必要になる場合があります。

必要書類については、事前に法務局に確認することをおすすめします。

贈与の場合

贈与に伴って家の名義を夫から妻に変更する場合、登記をするときに一般的に次の書類が必要になります。

  • 固定資産評価証明書
  • 不動産の権利書または登記識別情報
  • 登記申請書
  • 贈与した人の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
  • 贈与を受けた人の住民票
  • 贈与契約書(登記原因証明情報)

固定資産評価証明書や印鑑証明書、住民票は自治体の窓口に行けば取得できます。

財産分与の場合

離婚に伴う財産分与で家の名義を夫から妻に変更する場合、登記をするときに一般的に次の書類が必要になります。

  • 固定資産評価証明書
  • 不動産の権利書または登記識別情報
  • 登記申請書
  • 財産分与をする人の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
  • 財産分与を受ける人の住民票
  • 離婚の記載のある戸籍謄本
  • 財産分割協議書(登記原因証明情報)

固定資産評価証明書や印鑑証明書、住民票、戸籍謄本は自治体の窓口に行けば取得できます。

相続の場合

相続に伴って家の名義を夫から妻に変更する場合、「遺言に基づく登記」「遺産分割協議に基づく登記」「法定相続分に基づく登記」のいずれに該当するかで必要書類が異なります。

ご自身のケースでどのような書類が必要になるのかを確認し、自治体の窓口で住民票や戸籍謄本の発行手続きを行ってください。

遺言に基づく登記

遺言に基づく登記では、一般的に次の書類が必要になります。

  • 登記申請書
  • 固定資産評価証明書
  • 遺言書(検認を受けた場合は検認済証明書も必要)
  • 被相続人の死亡時の戸籍謄本、住民票の除票
  • 不動産を相続する人の戸籍謄本と住民票

遺産分割協議に基づく登記

遺産分割協議に基づく登記では、一般的に次の書類が必要になります。

  • 登記申請書
  • 固定資産評価証明書
  • 遺産分割協議書
  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、住民票の除票
  • すべての相続人の戸籍謄本と印鑑証明書
  • 不動産を相続する相続人の住民票

法定相続分に基づく登記

法定相続分に基づく登記では、一般的に次の書類が必要になります。

  • 登記申請書
  • 固定資産評価証明書
  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、住民票の除票
  • すべての相続人の戸籍謄本、住民票
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まとめ

家の名義を夫から妻に変更するときには、登録免許税をはじめとした諸費用がかかります。

どれくらいの費用がかかるのか、あらかじめ計算しておき、費用の支払いに充てる資金に不足がないかどうか確認しておきましょう。

登記の手続きの流れや必要書類、かかる費用の種類や金額を事前に把握しておくことで、実際の手続きをミスなくスムーズに進められます。

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