【2021】土地の相続に必要な書類は?手続きの流れと知っておくべきポイント

土地の相続の必要書類 不動産
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略歴
立命館大学卒業2011年、税理士登録。税理士登録番号は118275。2012年 東京都港区益本公認会計士事務所(現税理士法人総和)にて資産税対策専任。2015年 千葉県税理士会登録。千葉県税理士会松戸支部広報部員。

土地の相続に伴って相続登記や相続税申告をする場合、さまざまな書類をそろえる必要があります。

土地の相続手続きで使う必要書類を準備するには手間も時間もかかるので、自分でやらずに専門家に依頼するのも一つの方法です。

この記事では、手続きで必要になる書類の種類を紹介するので、自分でそろえられそうか専門家に依頼するか、決めるときの参考にしてください。

提出した書類の原本を返却してもらう方法や相続手続きを専門家に依頼するメリットについても解説します。

土地の相続で必要になる手続きと書類

土地の相続で必要になる手続きと書類

まずは土地を相続するときの手続きの流れと、各手続きを進める中で必要になる主な書類について確認しておきましょう。

土地を相続する人は、次のような流れで手続きを進めることになります。

土地の相続手続きの流れ
  1. 相続財産調査
  2. 相続人調査
  3. 遺産分割協議
  4. 相続登記
  5. 相続税申告

相続財産調査|財産の金額が分かる書類を揃える

相続財産調査は、遺産に含まれる財産が何かを調べて、一つひとつの財産の価値を計算して遺産額を確定させるために行うものです。

遺産の把握や金額の計算を間違えると、相続税の計算や遺産の分け方を話し合う遺産分割協議がやり直しになるので、相続財産調査は入念に行う必要があります。

司法書士や税理士、行政書士などの専門家に依頼する場合は、相続財産調査にかかる期間は一般的に1~2ヶ月程度です。

遺産を相続する人が自分で相続財産調査をする場合は、金融機関から残高証明書を取り寄せたり、権利書や固定資産評価証明書などで不動産の状況を確認したりして調べます。

借金などのマイナスの遺産も相続の対象になるので、たとえば遺品整理をする中で消費者金融のキャッシュカードなどが見つかった場合は、未返済額がないか確認を行いましょう。

相続人調査|亡くなった人の戸籍を揃える

相続人調査は、亡くなった人の出生から死亡までのすべての戸籍を取り寄せて、誰が遺産を相続する権利があるのか相続人を調べて確定させるために行うものです。

誰が相続人なのか決まらないと遺産分割協議ができませんし、相続人の数が変わると相続税の計算が変わってしまうので、相続人は漏れなく把握する必要があります。

まずは亡くなった人の死亡時点の戸籍を取り寄せる必要があるので、亡くなったときの本籍地の市区町村役場で戸籍の取得手続きを行いましょう。

その後に順に戸籍をたどっていき出生時点のものまでそろえる必要がありますが、仕事などで忙しくて自分で手続きをする時間が取れない人もいるはずです。

そのような場合は相続人調査を最初から専門家に依頼して任せてしまっても良いでしょう。

遺産分割協議|合意したら遺産分割協議書を作成する

遺産分割協議とは、遺産をどのように分けるのかを決めるために相続人同士で行う話し合いで、相続人調査で把握した相続人全員が参加する必要があります。

直接会って協議しても、メールや電話などで意見交換する形でも構いませんが、参加すべき人が1人でも欠けた状態で行うとその協議は無効です。

相続人の中に未成年者がいる場合は、未成年者本人は遺産分割協議には参加できないので、親などの親権者が代わりに協議に参加します。

ただし、親も相続人の場合は代理ができないので、裁判所で手続きをして特別代理人を選ばなければなりません。

そして、協議をして遺産の分け方が決まったら、遺産分割協議書を作成して合意内容を記載します。

遺産分割協議書を作成する法的な義務はありませんが、遺産の相続手続きで提出を求められることが多いため、実質的に作成が必須の書類です。

相続登記|登記申請書を作成して法務局に提出する

相続登記とは、相続する不動産の名義変更をするための手続きです。

まず、不動産の所有者が誰なのかは法務局にある登記簿謄本で管理されています。

遺産分割協議によって土地を相続する人が決まったら、不動産の名義を亡くなった人から相続する人に変更しなければなりません。

そのための手続きが相続登記で、手続きをする場所は不動産がある地域の法務局です。

相続登記の具体的な手続きの流れや必要書類はのちほど解説しますが、登記申請書を作成して戸籍謄本などを添付して法務局に提出します。

相続税申告|申告書を作成して税務署に提出する

遺産を相続すると相続税がかかることがあり、相続税がかかる場合には申告や納税の手続きが必要になります。

相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内で、たとえば亡くなった日が11月5日であれば、手続き期限は翌年の9月5日です。

相続税申告の具体的な手続きの流れや必要書類はのちほど解説しますが、遺産額から相続税を計算して申告書を作成して、必要書類とともに税務署に提出します。

手続き先となる税務署は、亡くなった人の最後の住所地を管轄する税務署です。

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土地の相続登記の手続きの流れと必要書類

土地の相続登記の手続きの流れと必要書類

土地の名義を相続する人に変更する相続登記は次の流れで手続きを進めることになります。

土地の相続登記の手続きの流れ
  1. 必要書類を揃える
  2. 登記申請書を作成する
  3. 管轄の法務局に提出する

登記の手続きは専門知識がない人でもできますし、自分でやる手間を省くために司法書士に依頼することもできます。

自分でやれそうか専門家に頼むかを決めるためには、手続きの内容やどれくらい手間がかかるかを知っておく必要があるので、相続登記のやり方を見ていきましょう。

必要書類を揃える

土地の相続登記で必要になる書類には、どのようなケースでも必要になる書類とケースごとに必要になる書類の2種類があります。

このうちどのようなケースでも共通して必要になる書類は次の書類です。

相続登記で共通して必要になる書類
  • 登記申請書
  • 固定資産評価証明書
  • 被相続人の死亡時の戸籍謄本と住民票の除票
  • 土地を相続する人の戸籍謄本と住民票

遺言による登記の場合

遺言の内容に従って土地を相続する場合は、上記の共通書類と遺言書を法務局に提出します。

このあとの2つのケースのように、土地を相続する人以外の相続人の戸籍謄本や住民票を提出する必要はありません。

遺産分割協議による登記の場合

遺産分割協議を行って土地を相続する人が決まった場合は、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を提出する必要があります。

また、すべての相続人の戸籍謄本と印鑑証明書も必要です。

これらの書類と遺産分割協議書を法務局に提出します。

法定相続分による登記の場合

法定相続分に基づいて土地を相続する場合は、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本とすべての相続人の戸籍謄本、住民票が必要になります。

さきほど紹介した共通書類とともに法務局に提出します。

登記申請書を作成する

登記申請書は法務局のサイトからダウンロードできます。

申請書に記載する項目のうち、不動産の価格は固定資産評価証明書を、所在地や地番は登記事項証明書を見ればわかります。

また、登録免許税の税額は、土地の価格(課税標準)に税率0.4%をかけて求めた金額です。

課税標準は固定資産評価証明書で確認ができます。

法務局のサイトには記載例も掲載されているので確認してみると良いでしょう。

登記申請書の記載例

管轄の法務局に提出する

相続登記は全国どこの法務局でもできるわけではなく、不動産がある地域の法務局で行います。

土地がある場所を管轄する法務局がわからない場合は、法務局のサイトを使って調べるようにしてください。

書類の提出方法は窓口申請・郵送申請・オンライン申請の3種類です。

このうち、オンライン申請は主に司法書士が使う申請方法なので、自分でやる場合は一般的に法務局の窓口に書類を持参するか郵送で申請します。

窓口で手続きをする場合は、法務局が開いている平日8時30分~17時15分の間に行って手続きをするようにしてください。

相続登記をする法務局が遠方にあり、わざわざ自分で手続きをしに行くのが面倒な場合は、司法書士に依頼してすべて任せてしまっても良いでしょう。

土地の相続税申告の手続きの流れと必要書類

土地の相続税申告の手続きの流れと必要書類

土地にかかる相続税の申告手続きは次の流れで行います。

土地の相続税申告の手続きの流れ
  1. 相続税を計算する
  2. 必要書類を揃える
  3. 申告書を作成する
  4. 管轄の税務署に提出する

相続税の計算や申告書の作成では専門的な知識が必要になるので、手続きは自分でやらずに税理士に依頼するのが一般的です。

ただ、手続きの流れや大まかな内容だけでも理解しておくと、土地にかかる相続税がどれくらいなのかが理解できて、納得感をもって申告や納税の手続きを行えます。

そのため、手続きの概要だけでも押さえておくようにしましょう。

相続税を計算する

相続税は次の流れで計算します。

相続税の計算方法
  1. 遺産の総額から基礎控除額を引いて課税遺産総額を求める
  2. 各相続人が法定相続分に応じて相続したものとして、税率を適用して相続税の総額を求める
  3. 相続人が2人以上いる場合は、各相続人が実際に相続した遺産割合に応じて、相続税の総額を配分して各自の相続税額を求める

まず相続税の基礎控除額とは次の式で求めた金額で、遺産額がこの金額以下であれば相続税はかからず申告の手続きは不要です。

  • 相続税の基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × (法定相続人の数)

たとえば、遺産が土地3,000万円と銀行預金1,000万円の合計4,000万円で、子1人が遺産を相続するケースでは、基礎控除額が3,600万円で次のように計算できます。

  • 課税遺産総額 = 遺産総額4,000万円 – 基礎控除額3,600万円 = 400万円

そして、相続税の税率は課税遺産総額が大きいほど高くなり、400万円の場合は10%です。

そのため相続税は次のように計算できます。

相続税の総額 = 400万円 × 税率10% = 40万円

必要書類を揃える

相続税の申告では一般的に次の書類を申告書に添付して提出します。

相続税申告で必要になる書類
  • 被相続人のすべての相続人を明らかにする戸籍の謄本
  • 遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し
  • 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)

また、特例制度の適用を受ける場合は、追加で書類の提出が必要になる場合があります。

申告書を作成する

相続税の申告書の用紙は税務署でもらうか、国税庁サイトからダウンロードすれば入手できます。

申告書には第1表から第15表まであり、このうち主に使うことになる用紙は第1表・第2表・第11表・第13表・第15表です。

第1表と第2表には相続税の計算過程などを、第11表と第15表には財産の内訳を、第13表には葬式費用などを記載します。

管轄の税務署に提出する

相続税の申告書と必要書類を準備できたら、亡くなった方の最後の住所地の税務署に提出します。

管轄の税務署がわからない場合は以下のサイトで調べるようにしてください。

申告書類は税務署の窓口で直接提出する方法のほか、郵送で提出することもできます。

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相続手続きで使う書類に関するその他のポイント

相続手続きで使う書類に関するその他のポイント

有効期限切れの書類を持参したり原本の返却手続きを忘れたりすると、何度も書類を取得することになって手間がかかる場合があります。

余計な手間をかけないためにも、土地の相続手続きで必要書類を準備する際には次の点も押さえておくようにしましょう。

相続手続きで使う書類に関するポイント
  • 提出先によっては書類の有効期限を定めている場合がある
  • 原本の返却を受けるには原本還付の手続きが必要になる
  • 手続き負担を減らすには法定相続情報一覧図を使うと良い

手続き先によっては有効期限を定めている場合がある

土地の相続に伴って相続登記や相続税申告をする場合、法務局や税務署に提出する必要書類に関して有効期限は特にありません。

たとえば、相続税申告で提出する被相続人の戸籍謄本は、相続開始日から10日を経過した日以後に作成されたものであれば、いつ取得したものであっても提出できます。

ただし、金融機関などでは書類の有効期限を定めている場合があり、期限を過ぎていると受け付けてもらえません。

預金の相続手続きで戸籍謄本などの必要書類を銀行に出す場合、3ヶ月以内や6ヶ月以内に取得したものを提出しなければならないケースが多くなっています。

原本還付の手続きをすれば書類を返却してもらえる

相続登記で法務局に書類を提出する際、原本還付請求をすれば書類の原本を返却してもらえます。

原本を返却してもらえば他の相続手続きでも書類を使うことができるので、同じ書類の発行手続きを何度も行って手間や費用がかかることはありません。

戸籍謄本や住民票の原本を返却してもらいたい場合は、次の手順で申請します。

原本還付の手続きの流れ
  1. 返却してもらう書類のコピーを取って余白に「原本と相違ありません」と記載して署名捺印する
  2. 登記申請書にコピーをホチキスでとめて原本とともに法務局に提出する
  3. 登記完了後に法務局の窓口で原本の返却を受ける

また、原本の返却を郵送でしてもらうことも可能です。

郵送を希望する場合は、あらかじめ申請書に「送付により原本還付書類の返却を希望する」と記載して返信用封筒(切手を貼付)を提出しておきます。

法定相続情報一覧図を使えば手続き負担を減らせる

法定相続情報一覧図とは、亡くなった人の相続関係を一覧で表した図のことで、相続手続きで使える書類です。

一覧図を作成して亡くなった人の戸籍謄本や住民票除票、相続人の戸籍謄本などと一緒に法務局に提出すると、一覧図の写しを発行してもらえます。

一覧図の写しは相続登記や相続税申告など相続手続きで使うことができるので、手続きごとに戸籍謄本などの書類の束を用意して提出する手間がかからずに済む点がメリットです。

一覧図の写しは発行手数料がかからず、何枚再発行しても料金はかからないので、手続きの数だけ戸籍謄本の取得費用がかかって費用がかさむようなことはありません。

また必要書類の原本の返却を受けて他の手続きをする場合は、返却されるまでの間は他の手続きができませんが、一覧図の写しがあれば異なる手続きを同時に進められます。

手間や費用を軽くでき、すべての相続手続きを終えるまでの時間も短くできるので、相続手続きでは法定相続情報一覧図を活用すると良いでしょう。

土地の相続手続きを専門家に依頼するメリット

土地の相続手続きを専門家に依頼するメリット

土地の相続手続きを専門家に依頼すると、自分でやる場合と違って費用がかかります。

しかし、次のようなメリットがあるので、土地の相続手続きは専門家に依頼するほうが良いでしょう。

土地の相続手続きを専門家に依頼するメリット
  • 自分で必要書類を集める手間がかからずに済む
  • ミスなくスムーズに手続きを終えられる

自分で必要書類を集める手間がかからずに済む

戸籍謄本や住民票など、土地の相続手続きで必要になる書類を集めるのは手間も時間もかかる作業です。

家族が亡くなり相続が起きると葬儀など何かと忙しくなるので、負担を少しでも軽減するためにも相続手続きは最初から専門家に任せることをおすすめします。

土地の相続登記を司法書士に依頼すれば、必要書類の取得から法務局での手続きまですべて任せることができ、手間がかからずに済む点がメリットです。

また、相続税の申告書を一般の人が自分で作成するのは難しく、税額計算や申告書の作成を自分でやると時間がかかるので、相続税の申告が必要な場合は税理士に依頼しましょう。

ミスなくスムーズに手続きを終えられる

相続手続きに慣れていない人が自分で手続きをしようとすると、書類の記入ミスをするなどミスがどうしても起きやすくなります。

書類を取得し直したり書き直したりする手間や時間がかかり、何かと忙しくなる相続開始後の負担が増えることになりかねません。

司法書士に依頼すれば相続登記を、税理士に依頼すれば相続税申告を、それぞれミスなくスムーズに終えられるので、土地の相続手続きは相続の専門家に依頼するようにしましょう。

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まとめ

土地の相続手続きでは戸籍謄本や住民票などさまざまな書類が必要になります。

必要書類をすべてそろえるまでに時間がかかることがあるので、相続手続きをする場合は早めに準備をして手続きを進めてください。

必要書類を自分でそろえる手間をかけたくない場合は、司法書士や税理士などの専門家に相談して手続きを依頼しましょう。

そうぞくドットコムでは相続登記のサポートを行っているので、土地の相続手続きでお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

この記事を監修した専門家は、
略歴
立命館大学卒業2011年、税理士登録。税理士登録番号は118275。2012年 東京都港区益本公認会計士事務所(現税理士法人総和)にて資産税対策専任。2015年 千葉県税理士会登録。千葉県税理士会松戸支部広報部員。