【2021】土地の相続手続きは自分でできる?必要書類や流れを徹底解説

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略歴
2008年 名城大学法学部卒業 一般企業の会社員、法律事務所でのパラリーガル業務を経験。2016年 司法書士試験合格。東京司法書士会所属。都内司法書士法人にて実務経験を経て、新宿区にて司法書士事務所グラティアスを開業。

ご家族が亡くなると、数多くの相続手続きが降りかかります。

中でも、何から手をつければ良いのかよくわからない手続きの一つが、土地の相続手続きではないでしょうか?

今回は、土地の相続手続きの流れや必要書類を解説するとともに、土地の相続手続きを自分ですることはできるのかについて解説します。

土地の相続登記はしなければならない?

土地の相続登記はしなければならない?

そもそも、土地の相続手続きである相続登記は、必ずしなければならないのでしょうか?

ここでは、土地の相続登記をせず、亡くなったご家族の名義のまま放置した場合の主なリスクを3つ紹介します。

土地の相続登記をしないと権利が守られない

相続登記は本来、その不動産を取得した人の権利を守るための制度です。

相続登記をしないままでいると、せっかく取得したはずの権利が守られないことにもなりかねません。

たとえば、遺産分割協議の結果長男が土地を取得することになったにもかかわらず、長男が相続登記をしないでいる間に二男が勝手に法定相続分での登記を入れて、二男の名義となった部分を第三者に売却してしまうなどが考えられます。

また、二男にお金を貸している金融機関などが、二男の相続分を差し押さえて競売してしまうかもしれません。

そうなれば、もはや売られてしまった持分を長男が取り返すことは困難です。

登記手続きを放置すると、このようなトラブルが生じるおそれがあります。

相続登記をしないと土地が売却できない

土地を売却したり、お金を借りる際の担保として抵当権の設定などをしたりするためには、故人名義のままでは手続きをすることができません。

売却や抵当権の設定をするには、先に相続登記を済ませ、登記の名義人を正しくしておく必要があります。

すぐには売却などの予定がないからといって土地の相続手続きを放置してしまうと、将来売却などの必要が生じて相続登記をする際に、手続きが非常に大変なものとなってしまう可能性が高いでしょう。

相続開始からかなりの年月が経過しているとすでに相続人の代替わりが起きている可能性があるほか、相続人の中に認知症になる人が生じるなど、相続開始の時から状況が変わってしまう可能性が高いためです。

2024年度以降は3年以内の相続登記が義務化へ

本来、相続登記は不動産を取得した人の権利を守るための制度です。

そのため、これまでは特に義務ではなく、期限も設けられていませんでした。

しかし、これが理由で故人名義のまま放置され、もはや現在の所有者がわからない「所有者不明土地」が急増し、社会問題となっています。

このことから法律が改正されました。改正により相続登記が義務化され、期限が設けられています。

改正法が施行される2024年度以降は、相続開始から3年以内に相続登記を済ませなければなりません。

正当な理由のないまま期限を過ぎると10万円以下の過料の対象となるため、より早期に相続登記をおこなう必要が生じます。

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土地の相続手続きを自分で完了させるまでの流れ

土地の相続登記を自分で完了させるには、次の3つのステップを踏む必要があります。

では、それぞれ見ていきましょう。

土地の相続手続きを自分で完了させるまでの流れ
  • 土地を相続する人を決める
  • 必要書類を準備する
  • 法務局へ相続登記を申請する

土地を相続する人を決める

はじめに、その土地を誰が相続するのかを決める必要があります。

土地を相続する人を決める主な方法は、次の3つです。

遺言書で決める

亡くなった方(「被相続人」といいます)が遺言書を遺しており、その遺言書で土地の取得者が定められていた場合には、原則としてその遺言書で指定された人が土地を相続します。

有効な遺言書が遺っていれば、他の相続人の同意を得たり他の相続人と話し合ったりする必要はありません。

遺産分割協議で決める

遺言書がない場合や、遺言書があっても土地の取得者が定められていない場合などには、遺産分割協議で土地の取得者を決めます。

遺産分割協議とは、相続人全員でおこなう遺産分けの話し合いのことです。

遺産分割協議は多数決ではなく全員一致が原則であり、1人でも納得しない相続人がいれば成立させることはできません。

これが、土地の取得者を決める方法としてもっとも一般的な方法です。

調停や審判で決める

相続人同士で遺産分割協議をまとめることができない場合には、調停へと移行します。

調停とは、調停委員の立会いのもと、裁判所でおこなう話し合いのことです。

調停でも決着がつかない場合には、審判へと移行します。

審判では、最終的に裁判所が遺産の分け方を決定します。

必要書類を準備する

土地を誰が取得するのかが決まったら、相続登記に必要となる書類の作成や収集をおこないます。

必要書類については、後ほど詳しく解説します。

法務局へ相続登記を申請する

必要書類の準備ができたら、相続登記を申請します。

登記の申請はどの法務局でもよいわけではなく、その土地の所在地を管轄する法務局でおこなわなければなりません。

登記申請の方法には、次の3つがあります。

  • 窓口に持ち込んで申請する
  • 郵送で申請する
  • オンラインで申請する

登記手続きに慣れていない場合には、できるだけ窓口での申請をすると良いでしょう。

なぜなら、書類に不備があった場合、軽微なものであればその場で指摘され修正できる可能性があるためです。

オンラインでの申請には周辺機器の準備など初期設定に非常に手間がかかるため、数回程度登記申請をするのみであればおすすめできません。

土地の相続手続きの必要書類と書類の請求先は?

土地の相続手続きには、数多くの書類が必要となります。

ここでは、遺産分割協議で土地の取得者を決めた場合の一般的な必要書類と書類の請求先を紹介します。

登記申請書

登記申請書は、土地の相続手続きのメインとなる書類です。

原則として、この登記申請書に記載した内容で登記がされることとなります。

登記申請書は銀行の手続き書類などのようにいわゆる穴埋め形式で作成するものではなく、自分で一から作成しなければなりません。

法務局のホームページに記載例がありますので、参考にしながら作成すると良いでしょう。

ある程度作成ができたら、管轄の法務局の登記相談を予約して、申請の前に確認してもらうと安心です。

遺産分割協議書

遺産分割協議書とは、遺産分割協議の結果を記した書類です。

遺産分割協議書には決まった様式があるわけではありませんが、登記手続きをしようとする土地を特定したうえで、その土地を誰が取得することになったのかがわかるよう明確に記載しましょう。

全員での協議がまとまっていることの証拠として、相続人全員が実印で捺印します。

相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書に押した印が実印であることの証明として添付します。

印鑑証明書は、それぞれの相続人の住所地の市区町村役場で取得します。

市区町村によってはマイナンバーカードを持っていることを条件にコンビニエンストアなどで請求できる場合もありますので、あらかじめ確認すると良いでしょう。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等

被相続人の相続人を確認するため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本が必要です。

それぞれ、その時点で被相続人が本籍を置いていた市区町村役場で取得します。

郵送で請求することもできますので、請求先が遠方の場合などには郵送請求を検討すると良いでしょう。

相続人が被相続人の子などではなく兄弟姉妹や甥姪である場合には、これと合わせて被相続人の父母それぞれの出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本も必要となります。

相続人全員の戸籍謄本

相続人の生存を確認するため、相続人全員の戸籍謄本が必要です。

戸籍謄本は、それぞれの相続人の本籍地を管轄する市区町村役場で取得できます。

市区町村によっては、マイナンバーカードの所有などを条件としてコンビニエンスストアで取得することも可能です。

土地を相続する人の住民票

新しい所有者の情報を正しく登記するため、土地を相続することになる相続人の住民票が必要です。

住所地の市区町村役場の窓口のほか、市区町村によってはマイナンバーカードを使ってコンビニエンスストアで取得することもできます。

固定資産税評価証明書

固定資産税評価証明書は、土地の固定資産税評価額を証明する書類です。

土地の相続手続きには後ほど解説するとおり登録免許税がかかりますが、この登録免許税を計算するために必要となります。

請求先は、土地の所在地を管轄する市区町村役場です。

郵送で請求することもできます。

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土地の相続手続きにかかる費用はいくら?

土地の相続手続きにかかる主な費用には、「登録免許税」「書類取得費用」「専門家報酬」の3つがあります。

このうち、登録免許税と書類取得費用は自分で土地の相続手続きをした場合であってもかかる費用であり、手続きを司法書士へ依頼した場合にはこれに加えて専門家報酬がかかります。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

登録免許税

登録免許税とは、土地の名義を変える際などにかかる税金です。

土地の相続登記にかかる登録免許税の額は、その土地の固定資産税評価額に1,000分の4を乗じて計算します。

たとえば、手続きしようとする土地の固定資産税評価額が3,000万円であれば、登録免許税は12万円ということです。

土地の評価額が高ければ高いほど高額な登録免許税が課されることとなりますので、登記手続きをしようとする土地にどの程度の登録免許税がかかるのかあらかじめ確認しておいたほうが良いでしょう。

必要書類の取得費用

上で解説したとおり、土地の相続手続きには多くの書類が必要となります。

必要書類の取得にかかる費用は、子などが相続人である場合で1万円から2万円程度、兄弟姉妹や甥姪が相続人である場合で2万円から3万円程度となることが一般的です。

ただし、被相続人に転籍などが多い場合や相続人の数が多い場合などにはこれ以上に費用がかる場合もあり、最終的な費用は実際に取得してみなければわかりません。

土地の相続手続きを専門家に依頼すると報酬が別途かかる

土地の相続手続きを司法書士へ依頼した場合には、報酬がかかります。

報酬額や報酬の計算方法は事務所によって異なり、一律ではありません。

報酬の相場としては自宅の土地建物の相続登記を依頼する場合で6万円から10万円程度と言われていますが、たとえば不動産の数や相続人の数などで変動することが一般的です。

また、遺産分割協議書の作成や必要書類の取得などから依頼した場合には別料金がかかることもあります。

正確な費用を知るためには、依頼を検討している司法書士から見積もりを取る必要があるでしょう。

土地の相続手続きを自分でやった方が良い条件は?

土地の相続手続きには、専門家へ依頼したほうがよい場合と、自分でおこなったほうが良い場合とが存在します。

自分で土地の相続手続きをおこなえば、その分だけ費用を節約することが可能です。

次の条件をすべて満たす場合には、土地の相続手続きを自分で行うことが選択肢に入るでしょう。

相続についての専門家のアドバイスを必要としていない

土地の相続について専門家のアドバイスを要しないことが、自分で土地の相続手続きをする1つ目の条件です。

たとえば、亡くなった父名義の土地を母名義にすべきか長男である自分名義にすべきかなど、専門家にアドバイスを受けたい場合もあるでしょう。

その場合には、土地の相続手続きを専門家に依頼したほうが良いといえます。

なお、法務局の登記相談では登記手続きに関する相談には乗ってくれますが、土地の名義を誰にすべきかなど、登記の前提となる相談には乗ってくれないことが一般的です。

数次相続が起きているなど複雑な相続ではない

数次相続とは、土地の名義人の死亡後さらに相続人が亡くなり、複数回の相続が起きている状態を指します。

たとえば、相続手続きをしようとしている土地が10年前に亡くなった祖父の名義となっており、2年前に祖父の子である父も亡くなっているような場合です。

この場合は祖父の相続人である父が亡くなっており、2回分の相続が発生していることになります。

数次相続が起きている場合の登記申請書は特別な記載が求められることがあるほか、一般的には必要書類も増えるため、通常の相続手続き以上に手間がかかる傾向にあります。

登記手続きに不慣れな方が、数次相続が起きている土地の相続手続きをおこなうのは容易ではありませんので、この場合には専門家に依頼したほうが良いでしょう。

調べながら正確な書類を作成できる

土地の相続手続を行うには、正確な登記申請書が作成できなければなりません。

法務局の登記相談はあるものの通常はイチから書き方の指導が受けられるわけでなく、ある程度のレベルまでは自分できちんと作成できることが必要となります。

平日の日中に何度も時間が取れる

登記申請先である法務局は、平日の日中しか開庁していません。

また、自分でイチから土地の相続手続きをおこなう場合には、申請時のみならず申請前に複数回登記相談へ出向く必要が生じ、さらに申請後も不備の補正などで出向かなければならないことが多いでしょう。

加えて、必要書類の取得のためにも平日の日中に動く必要が生じます。

必要書類の一部はマイナンバーカードがあることを条件に時間外にコンビニエンスストアで取得ができますが、最も取得に手間がかかる除籍謄本や原戸籍謄本は、現在のところコンビニエンスストアなどでは取得できないためです。

また、古い除籍謄本は手書きであり、今とは形も違うことから、誰にも相談なく過不足なく集めることは困難でしょう。

市役所の窓口などで相談をしながら取得をするには、平日の日中に役所まで出向く必要があります。

このように、土地の相続手続きをするには平日の日中に出歩かざるを得ないため、平日の日中に何度も時間が取れなければ自分で手続きを完了させることは困難でしょう。

土地の相続手続きの完了を急いでいない

自分で土地の相続手続きをおこなうと書類の収集や申請書の作成などで手間取ってしまうことが多く、一つひとつ調べながらおこなう必要があるため、専門家に依頼するよりも多くの時間がかかる傾向にあります。

また、登記申請後も不備があれば補正の必要が生じ、完了までにさらに時間がかかるでしょう。

そのため、たとえば売却を控えているなど土地の相続手続きを急ぐ必要がある場合には、自分で登記手続きをすることはおすすめできません。

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まとめ

土地の相続手続きを自分でおこなうことは不可能ではありません。

ただし、土地の相続手続きには多くの書類が必要となるうえ申請書の書き方も独特で、多大な時間と労力がかかってしまう場合が多いでしょう。

そうぞくドットコムでは、戸籍謄本や除籍謄本、土地の固定資産税評価証明書など、土地の相続手続きに必要となる書類をまとめて代行取得しています。

料金は実費も込みの税別一律69,800円(税込76,780円)で、たとえ相続人が多かったり被相続人の転籍回数が多かったりしても、追加費用は一切かかりません。

また、サービスをご利用いただいた方は、簡単な入力のみで面倒な登記申請書を作成することも可能です。

土地の相続手続きでお困りの際には、ぜひそうぞくドットコムのサービスをご利用ください。

この記事を監修した専門家は、
略歴
2008年 名城大学法学部卒業 一般企業の会社員、法律事務所でのパラリーガル業務を経験。2016年 司法書士試験合格。東京司法書士会所属。都内司法書士法人にて実務経験を経て、新宿区にて司法書士事務所グラティアスを開業。