土地の相続税評価額とは?概要や計算式について解説。

不動産
この記事を監修した専門家は、

 

相続税の課税対象は、基本的には財産の時価に対して算出されることとなります。

土地の時価については相続税評価額呼んだりもしますが、基本的に土地の評価は専門性が高いため、税理士や不動産鑑定士へ依頼することが多いです。

しかし、専門家へ相続税評価額算出の依頼を行うと、1つの土地だけで30万円程度の費用が発生します。また、土地が分筆(1個の土地を2個以上の土地に分割すること)されている場合、さらに上乗せで費用が発生する可能性があります。

人が亡くなった時には、多くの手続きが必要になり、その都度費用がかかるため、専門家に依頼することなく、ご自身で手続きを行いたいと考える方も少なくないと思います。

そこで、本稿では、土地の相続税評価額の算出方法について基礎的な部分をご紹介いたします。

※財産の評価は、相続税の金額に関わる大変重要な作業であり、申告内容にも大きく影響します。そのため、ご自身で行うことはあまりオススメしません、専門家へ依頼することを前提とした上で、知識として参考にして頂けたらと思います。

1.相続税評価額の計算式について

土地の相続税評価額を算出するにあたって、2つの方法があります。

  1. 路線価方式(ろせんかほうしき)
  2. 倍率方式(ばいりつほうしき)

の2つです。それぞれ解説します。

路線価方式とは?

原則的に、土地は地目ごとに評価を行います。(地目とは、宅地・畑・田、等を示します。)

また、路線価が定められている地域に属していることの有無で算出方法が異なります。

路線価方式は、路線価が定められている地域に属している場合に、採用する方式です。

路線価方式 = 評価額=路線価(千円/㎡)×面積(㎡)×補正率

路線価方式を用いた相続税評価額の計算について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

路線価方式を用いた土地評価の計算方法について徹底解説!

倍率方式とは?

路線価が定められていない土地の場合、倍率方式での算出となります。

一般的には、路線価評価に比べ、低めに見積もられる形になります。

倍率方式 = 固定資産税評価額×国税局長が定める倍率

土地の相続税評価額の計算方法手順

(1)土地の地積の確認

固定資産税の納税通知書をご用意ください。こちらの書類には、土地の地積(面積)が記載されているので、ご確認ください。

納税通知書に関して、不明点がある場合には、最寄りの法務局にお問い合せると良いでしょう。

(2)路線価で土地の価格の確認

次に、路線価図をご用意ください。路線価図は、国税庁ホームページから簡単に確認することができます。国税庁ホームページでは、日本全国の土地から、調べたい土地を検索することが可能です。

最初は、何が書いてあるのか不明な点が多いかと思われますが、覚えてしまえば難しくはありません。例えば、道路に「185D」と記載がある場合、こちらの土地は、1㎡18万5千円ということです。つまり、数字の後に「千円」をつけるというわけです。

面積と路線価を掛け合わせ評価額を算出

次に、面積 × 路線価 を計算し、算出します。

(例)面積300㎡ × 路線価18万5千円 = 5550万円

※実際の評価額は、土地の地形により異なる場合が多く、複雑な計算となります

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2.時価は3つに分けられる

前章では、土地の相続税評価額について説明しましたが、相続財産と言う大きな括りで見ると、時価の種類は大きく3つに分けられると考えられます。

  1. 相続税評価額
  2. 固定資産税評価額
  3. 実質的な時価

の3つです。

実質的な時価とは?

実質的な時価とは、売買契約にて成立する金額のことを示します。

一般的な売買契約の場合、買手は安く購入しようと考え、売り手は高く売りたいと考えます。

そのバランスが一致(売買契約の成立)した金額が「実質的な時価」なのです。

基本的には、

実質的な時価 > 相続税評価額 > 固定資産税評価額

の順に、時価が高くなります。

比率としては、実質的な時価を100とした場合、

実質的な時価(100) > 相続税評価額(80) > 固定資産税評価額(70)

ほどになると言われています。

例として、固定資産税評価額3,000万の土地がある場合、

「実質的な時価」→ 3000万÷70×100=4285万円

「相続税評価額」→ 3000万÷70×80=3428万円

となります。

このように、おおまかな目安を把握することが可能ですが、専門家の方の中には、上記の計算方法では算出できないと考えていらっしゃる方もいます。

確かに、それも間違いではありません。こちらの計算式はあくまで、ご自身で目安を把握いただくためのものです。上記計算式をご利用の際は、ご留意ください。

3.注意点

最後に、相続税評価額と関係する事柄や、注意点について解説致します。

1.遺留分について

遺留分とは、法定相続人が最低限相続できる金額を保障している制度です。

具体的には、配偶者・子・直系尊属(父母・祖父母など)に遺留分の権利があり、兄弟姉妹には遺留分がありません。

遺留分を計算する際には、注意が必要です。それは、遺留分の計算は、実質的な時価での計算となるためです。

つまり、相続税評価額にて遺留分を考えていると、争いに発展する可能性を秘めています。

そのため、遺留分に問題が生じる可能性がある場合、早めの検討や専門家へのご相談をご検討ください。

2.相続税の対策

相続税評価額と時価を考慮し、相続税の対策を行うことができます。それぞれの差額を算出し、対策を行う方法です。

相続税評価額は、時価よりも低く設定が可能です。なぜ、このようなことが可能なのでしょうか?これは、不動産の性質が関係しています。

現金と不動産は異なり、不動産を現金化するためには、多くの労力を費やします。不動産と現金を同等に扱ってしまうと、納税者側に立つと不具合が生じるため、評価額を低く設定できるようになっているのです。

ケーススタディ

5,000万円を支払い土地購入&賃貸物件建設

● 評価額は時価の80%になるため、評価額4000万円となる
● 賃貸物件等の土地は、2割の割引を受けられる
● つまり、5,000万円で手に入れた土地の評価額は3200万円になります。
● 相続人が賃貸経営を継続させる場合、さらに200㎡まで50%割引きになる制度がある(次項で説明)

最終的に、5,000万円を支払い、購入した土地の評価額は、3200万円以下の評価となるわけです。

3.小規模宅地特例について

亡くなった方が住んでいた家などを相続する際の特例として、小規模宅地等の特例と言うものがあります。

この特例では、被相続人が土地をアパートや駐車場として使用していた場合にも、特例が適用される場合があります。

しかし、土地については200㎡まで50%引きになりますが、青空駐車場は不可など一定の規制があります。青空駐車場とは、砂利やアスファルトがない駐車場のことです。

特例を適用させるべきかどうかは、個々の案件により異なるため、留意が必要です。

4.相続税を下げるためのその他制度

相続税を下げるための制度は、その他

等が考えられます。

その他にも、被相続人が生存している段階にて、特定の人に土地を譲渡する生前贈与も相続税を減額させるメリットがあります。

加えて、相続時精算課税制度もあります。こちらの制度は、20歳以上の子どもまたは孫に対して60歳以上の父母・祖父母から財産贈与を行う際に、限度額まで何度でも控除が可能になる制度です。限度額は、2,500万円です。

状況に合わせ、様々な制度の利用を検討することをお勧めします。

すまいValue

まとめ

土地の相続税評価額は、様々な計算式や特例で成り立っています。

土地の相続税評価額の算出は、相続税評価額に特化した専門家でなくては、難しいとも言われています。

そのため、土地の相続税評価額の算出に特化している専門家を探す必要があります。

専門家に依頼することで、トラブルの防止はもちろん、ご紹介の「遺留分」「相続税」「特例」対策など、ご依頼者様にメリットが多いことも確かです。

被相続人が亡くなった際、様々な手続きに追われることになります。

依頼した場合、もちろん費用は発生しますが、利便性と正確性を考慮してご検討頂けたらと思います。

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