葬式に参列する際には、涙を拭いたり汗を抑えるため、ハンカチを用意して持参します。
ハンカチにもさまざまな種類がありますが、葬式という厳粛な場に参列する際には、それに相応しいハンカチを用意しなければなりません。
では、葬式に持参するのに相応しいハンカチとは、具体的にどのようなものなのでしょうか?
今回は、葬式のハンカチを用意する際のマナーや注意点とともに、葬式に相応しいハンカチの具体的な例を詳しく紹介します。
目次
葬式のハンカチのマナー・注意点

葬式のハンカチを用意する時には、ハンカチの素材や色などに気を配り、マナーや注意点を守ったものを用意しなければなりません。
また、ハンカチの使い方やしまい方にも気をつけ、マナーを守ることも大切です。
ここでは、葬式のハンカチに関するマナー・注意点を紹介しますので、用意する前の参考にしてみてください。
タオル素材・絹のハンカチは使わない
葬式で使用するハンカチは、タオル地や絹素材のものを用意してはなりません。
タオル素材のハンカチは、水分をよく吸収しますがそれだけでもかなりカジュアルになってしまい、どのような色合いであっても葬式という場には相応しくないのです。
また、絹素材のハンカチはフォーマルではあるのですが、基本的に光沢がある質感なので華美と捉えられてしまい、故人や遺族に対して失礼になってしまいます。
葬式で使用するハンカチでは、タオル素材のものや絹のハンカチを使わないようにしましょう。
派手な色・模様のハンカチは避ける
葬式は、故人に最後のご挨拶をして旅立ちを見送る厳粛な儀式なので、全体的に派手な持ち物はマナー違反です。
これはハンカチでも気をつけるべきことでは、派手な色や模様のハンカチは使用してはなりません。
葬式に相応しいハンカチでは、赤・黄色・ピンクなどの原色に近い色や、花柄模様や派手なレースなどのハンカチはマナー違反です。
葬式の準備でハンカチを用意する時は、派手な色・模様のあるハンカチを避けるようにしましょう。
ハンカチをポケットチーフのようにしまわない
葬式のハンカチを持ち歩くとき、ハンカチをジェケットの胸ポケットにしまい、ポケットチーフのようにするのはマナー違反です。
ポケットチーフは、基本的に慶事の装いと認識されているので、葬式という弔事の場には相応しくありません。
素材や色・模様に気をつけたハンカチを用意しても、ハンカチの取り扱いを間違ってしまうと、それだけでマナー違反になってしまいます。
葬式に参列する際は、ハンカチの取り扱い一つにも注意して、故人や遺族に哀悼の意を表しましょう。
ハンカチはすぐ取り出せるようにしておく
葬式に参列していると、涙を拭いたり汗を抑えるなど、頻繁にハンカチを使用するケースもあります。
もしハンカチを取り出しにくい場所にしまっていると、一つひとつの動作に時間が掛かかり、式典の最中に落ち着きなく周囲を探ったり、隣に座っている人に迷惑を掛けてしまうかもしれません。
葬式のハンカチは、喪服の上着やズボンのポケット、カバンの中のすぐ取り出せるような場所にしまっておくのがベストです。
着物で葬式に参列する場合は、合わせの胸元や袂などにハンカチを入れておき、いつでもすぐに取り出せるようにしましょう。
清潔で皺がないハンカチを用意する
葬式に参列する際は、全体的に清潔感があるように身なりを整えなければなりません。
これはハンカチにも言えることで、葬式で使用するハンカチも、清潔が皺なないものを用意します。
使用している間に多少汚れるのは仕方ありませんが、最初から汚れていたり使用感がありすぎるものはよくありません。
葬式のハンカチは、あらかじめ洗ってアイロンをかけてあるものや、新品で使用感がないものを用意しましょう。
葬式のハンカチの色

葬式のハンカチでは、原色に近い派手は色合いのものはマナー違反です。
しかし、それ以外にも多くの色合いのハンカチがあるので、実際にハンカチを用意する際に迷う人も少なくありません。
では、葬式で使用するハンカチはどのような色が相応しいのか、具体的な色の例を詳しく解説しましょう。
基本は白か黒
葬式に参列する際、用意するハンカチの基本的な色は白か黒です。
白いハンカチは、慶事でも使用できることから多くの人があらかじめ用意していますし、慶弔をしっかりと分けたい人は、弔事用に黒いハンカチを購入する人も少なくありません。
葬式では、白か黒の無地であればどちらのハンカチでも大丈夫です。
ただし、白いハンカチの場合は、長くしまっているとシミや黄ばみが目立つこともありますので、使用する前に一度確認しておきましょう。
袱紗と同じ色
袱紗(ふくさ)は、慶事や弔辞でお金を包む際、お金の入った袋を入れて持ち運ぶためのものです。
弔事で使用する袱紗には、濃い紫・濃い灰色・薄い水色などがありますが、これと同じ色のハンカチであれば葬式で使用しても目立つことはありません。
袱紗と同じハンカチを持っていると、もし袱紗を用意できなかった場合などに、袱紗の代わりに香典を包むことも可能です。
葬式のハンカチの基本は白か黒ですが、どうしても用意できない場合には袱紗と同じ色のハンカチにしてみましょう。
ダーク系で目立たない色
葬式への参列が急に決まった際は、白や黒のハンカチが用意できないケースもあります。
このような場合は、寒色でダーク系の目立たない色のハンカチを用意しましょう。
ダークグレー・ダークブルー・ダークグリーンなどであれば、葬式の場で使用しても目立ちません。
ただし、ダーク系であってもおしゃれな模様やチェック柄などはかえって目立つこともありますので、できるだけ模様がないハンカチにするよう注意してください。
葬式のハンカチの素材

葬式で使用するハンカチは、「光沢がない」「吸収性が良い」「カジュアルになりすぎない」という3つのポイントを押さえた素材のものを用意します。
具体的な素材の例をご紹介しますので、ハンカチを選ぶときの参考にしてみましょう。
麻
麻は、昔から伝わる天然素材の一つで、吸水性に優れています。
麻のハンカチにはシンプルなものが多いので、使う人の年齢・性別を問いません。
麻にもさまざまな種類がありますので、葬式のハンカチとして選ぶ際には、シンプルでカジュアルになりすぎないものを選んでみましょう。
木綿
木綿も昔から親しまれている素材で、素朴なものから折り目が美しいものまで、さまざまなハンカチがあります。
木綿も吸水性に優れており、薄くて嵩張らないことから愛用する人も少なくありません。
目立たずに使い勝手が良いハンカチを好む場合は、木綿のハンカチで探してみるものも良いでしょう。
ポリエステル素材
ポリエステル素材のハンカチは、大人から子供まで多くの人が慣れ親しんでいる素材です。
種類も豊富で手に入れやすいので、用意するのも難しくありません。
急な葬式への参列で急いでいる際には、ポリエステル素材のハンカチで対応してみましょう。
葬式のハンカチの模様

葬式のハンカチでは、色や素材だけではなく「模様で目立つ」ことも避けなければなりません。
しかし、完全な無地のハンカチを用意できない場合は、目立たない模様の入ったハンカチでも対応できます。
では、葬式のハンカチの模様はどこまでなら許されるのか、具体的な例を紹介していきましょう。
ワンポイントの刺繍
マナー範囲内の色合いで、葬式のハンカチの基本を押さえた素材であれば、ワンポイントの刺繍が付いていているハンカチでも使用できます。
例えば、有名メーカーのロゴが片隅に小さく刺繍されている程度なら、色・素材がマナー範囲なら問題ありません。
気になる場合は、刺繍が内側になるよう折り畳めば見えなくなりますので、これを目安にしてハンカチを選ぶようにしましょう。
同系色で目立たない折り目模様
ハンカチの中には、折り目を変えることで模様のように見えるものもあります。
葬式のハンカチでは無地が基本ですが、同系色の糸で折られており折り目模様が目立たないのであれば、葬式の参列時に使用しても大丈夫です。
ただし、折り目が変わることで模様が光って浮き出ることもありますので、使用する前には一度確認してみましょう。
同系色で縁のみのレース模様
女性が葬式に参列する際、少し女性らしさのあるハンカチを探すこともあることでしょう。
特に、レース模様が入ったハンカチは、幅広い年代の女性に人気があります。
ハンカチ自体が全体的にレース模様だと少し目立ってしまいますが、基本が無地で縁だけに同系色のレースがあしらわれている程度なら、葬式のハンカチとして使用可能です。
心配な場合は周囲の人に相談し、レースが目立たないかどうか確認してから用意しましょう。
男性に相応しい葬式のハンカチ

男性が葬式に参列する際のハンカチは、身だしなみとしてのマナーと実用性を兼ねて選びます。
では、男性に相応しい葬式のハンカチとはどのようなものなのか、具体的な特徴を紹介しましょう。
黒・白・ダーク色のハンカチ
男性が葬式で用意するハンカチは、「黒」「白」「ダーク系」の色合いを選ぶようにします。
ダーク系といっても、「ダークレッド」や「ダークイエロー」などの暖色系は、原色に近くなるので葬式には相応しくありません。
基本は黒・白のハンカチを用意するよう心掛け、急な参列でハンカチを選ばなければならない場合は、「ダークグレイ」「ダークブルー」といった「暗めの寒色系」のハンカチにしましょう。
汗をかきやすい人は木綿や麻素材のハンカチ
汗をかきやすい男性の場合、タオル地のハンカチを使用することも多いのではないでしょうか?
しかし、タオル地のハンカチはカジュアルすぎてしまうため、葬式のハンカチとしてはマナー違反です。
木綿や麻素材のハンカチなら、吸水性に優れており使いやすいので、汗をかきやすい人は木綿や麻素材のハンカチを用意しましょう。
女性に相応しい葬式のハンカチ

葬式に参列する女性のハンカチは、基本のマナーを押さえつつ、女性らしさを感じるものが選ばれる傾向にあります。
ここでは、女性に相応しい葬式のハンカチの特徴を紹介しますので、ハンカチを選ぶ時の参考にしてみてください。
黒・白・薄い水色やラベンダー色のハンカチ
葬式で使用するハンカチの基本色は黒・白ですが、女性の場合は薄い水色やラベンダー色のハンカチを用意することもあります。
薄い水色やラベンダー色は、寒色系の淡い色合いなので女性らしさがあり、同系色の袱紗もあるので使用しても違和感がありません。
万が一の時には袱紗の代用もできますので、いざというときに1、2枚持っておくのも良いでしょう。
目立たないレースの縁取りや刺繍がされたハンカチ
少し上品な女性物として人気があるのが、レースや刺繍がされているハンカチです。
レースや刺繍は華やかな物なので、基本的には葬式に相応しくありませんが、目立たない程度に施されているのであれば問題ありません。
葬式で着用する喪服に合わせて、女性らしいハンカチを選んでみましょう。
膝を隠せる大判のハンカチ
女性が葬式に参列する場合、喪服のスカートの丈によっては、膝を隠した方が良いケースもあります。
このようなときに便利なのが、膝を隠せる程度の大判のハンカチです。
大判のハンカチがあれば、座敷での葬式や食事会の時にも膝に広げて対応できますので、葬式の形式に合わせて用意してみましょう。
子供用の葬式のハンカチ

子供が葬式に参列するとき、「まだ未成年だから」と普段通りのハンカチを持たせる人も多いのですが、子供も立派な参列者なので、マナーに合わせたハンカチを持たせるようにします。
ここでは、子供に持たせる葬式のハンカチの具体例をご紹介しますので、これを参考にして一緒にハンカチを選んでみましょう。
基本は大人と同じハンカチ
子供用であっても、葬式のハンカチの基本は大人と変わりません。
色・素材・模様などもすべて大人と同じなので、もし子供用でそのようなハンカチがある場合はそれを用意してください。
学校指定のハンカチ
大人と同じようなハンカチが見つからない場合は、学校指定のハンカチで対応しても問題ありません。
元々、子供は学校の制服で葬式に参列しますし、靴・ネクタイ・リボンなどの備品も学校指定の物で揃えるからです。
ただし、学校指定のハンカチの色が原色に近かったり明るすぎる場合は、葬式のハンカチの基本色で対応しましょう。
ダーク系で目立たない色のハンカチ
学校指定のハンカチがなく、子供用のハンカチを用意する時間がない場合は、ダーク系で目立たない色のハンカチを用意します。
ダーク系の基本色は、ダークグレイ・ダークブルー・ダークグリーンなどです。
その際、ハンカチの柄や折り目模様などにも気を配り、目立たないハンカチであることを確認しましょう。
キャラクターが付いてないハンカチ
小さな子供に持たせるハンカチの場合、キャラクターが付いていることも多いことでしょう。
しかし、葬式の場で使用するハンカチとしては、キャラクターが付いているものは相応しくありません。
例えダーク系のハンカチであっても、キャラクターもののハンカチは避けましょう。
葬式のハンカチが購入できる場所

ハンカチ自体は普段から身につけていても、「葬式に相応しいハンカチ」となると、揃っていないという人も多いのではないでしょうか?
葬式で使用できるハンカチは、専門店から気軽に通えるお店まで、さまざまな販売店で取り扱いがあります。
いざというときに慌てないよう、葬式のハンカチが購入できる場所を紹介しましょう。
仏壇・仏具店
仏壇や仏具の専門店では、供養に関係するものから葬式で用意しなければならないものまで、葬儀全般にまつわる専門の品物が揃っています。
いざというときに慌てないよう、自宅にある物を確かめてから、仏壇・仏具の専門店で購入してみましょう。
紳士服・婦人服専門店
紳士服や婦人服の専門店では、日常生活で使用できるものからフォーマルな品物まで、さまざまな品揃えから選ぶことが可能です。
葬式に必要なネクタイやカバンなどの取り扱いもありますので、一度足を運んで弔事用の品物を揃えてみましょう。
ショッピングモール
個々の専門店に出向く時間がない人には、ショッピングモールがおすすめです。
ショッピングモールでは、大型店舗に各種専門店が出店していますので、一箇所に出向くだけでさまざまなお店から選べます。
普段の買い物でショッピングモールをよく利用する人は、一度葬式用のハンカチを探してみましょう。
衣料品専門店
いわゆる「プチプラ」と呼ばれる衣料品専門店でも、葬式用のハンカチを購入できます。
手軽に利用できる衣料品専門店では、ハンカチだけではなく喪服・カバン・靴なども一揃えできますので、時間がないというときに利用してみましょう。
コンビニエンスストア
葬式への急な参列で、ハンカチだけ揃えなければならないという時には、コンビニエンスストアを利用することもできます。
とくに葬儀場に近いコンビニエンスストアでは、需要に合わせて必要な品物も揃っていますので、葬儀場に行く前にコンビニで揃えても良いでしょう。
100円均一店
日常生活用品から雑貨まで、あらゆる品物を取り扱っている100円均一店では、葬式で使用できるハンカチも購入できます。
ただし、同じチェーン店であっても取り扱いがあるかどうかは店舗によって変わっているので、心配な場合は事前に連絡して、葬式で使用できるハンカチがあるかを確認してみましょう。
まとめ

葬式で使用できるハンカチは、「派手でなければ良い」というだけではなく、色・素材・模様にまで気を配って用意しなければなりません。
今回紹介した内容を参考にして、マナーを守った葬式用のハンカチを揃えてみてください。