【解説】納骨はいつする?までにすればいい?行う時期の目安

骨壷一般知識・マナー

葬儀を経て火葬された遺骨は、骨壺に納められ一定期間をご自宅や納骨堂などに安置されます。

この期間を過ぎると、お墓などに遺骨を埋葬する「納骨」を行います。

初めてこの納骨を行う方の中には、「いつまでに納骨を終えれば良いのか?」と不安を感じている方もいることでしょう。

そこで、ここではこの納骨を行う時期はいつが良いのか、その目安となる時期を説明しながら「納骨までの流れ」「費用」「注意点」などについて解説します。

納骨をいつ行うか時期に決まりはない

骨壺と骨袋

遺骨を埋葬する期日は、「いつまで行わなければならない」という決まりはありません。

そのため、納骨時期の決定は遺族の判断に任されていますが、四十九日法要や一周忌法要などのような比較的規模が大きい法要と同日に行うことが一般的です。

これは、納骨式とその他の法要を同時に行うことで、参列者が何度も法要に足を運ぶことがないようにとの配慮から日程が決められているためです。

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納骨を行う時期の目安

咲き誇る彼岸花

先ほどの解説したように、納骨は四十九日法要と一周忌法要時に行うことが一般的ですが、その他の法要時に行う方も少なくありません。

そこで、ここでは納骨時期の目安として納骨と同日に行うことが多い5つの法要をそれぞれ解説します。

納骨を行う時期の目安
  • 四十九日法要
  • 百か日法要
  • 一周忌法要
  • 三回忌法要
  • 初盆

四十九日法要

四十九日法要は、納骨を行う時期としては最も一般的な法要です。

これは、四十九日法要が多くの親族が集まる大規模な法要となることや、この49日目が「故人が浄土へ旅立ち仏様となる日」という仏教教義が関係しているためです。

この四十九日法要時に納骨行うことができる方は、既にお墓を所有している方が多いです。

新たにお墓を建立する方は、お墓の完成が間に合わないことから、この時期に納骨することは稀でしょう。

百か日法要

四十九日法要までにお墓が間に合わない方で納骨を急いでいる方や、忌明けしてからの納骨を希望する方は、百か日法要を目安に納骨を行います。

この時期に納骨を行う方の多くは、既にお墓を所有している方や、故人の死後直ちにお墓選びを始め、順調に墓地選びや墓石の選定を行うことができた方です。

忌明けしてからしばらく時間が空くこのタイミングは、大切な方を亡くしたことへの気持の整理もつきやすく、落ち着いた気持ちで納骨が行える時期といえるでしょう。

一周忌法要

故人の死去から一年目に行われる一周忌は、四十九日法要と同じく多くの参列者を招いて大規模な法要を行うため、納骨を行う時期としては最適です。

また、新しくお墓を建立する方にとっても、死去から1年という時間はお墓に関する十分な検討を行うことができるため、多くの方はこの時期を目安にお墓を建立します。

三回忌法要

なかなか納骨に前向きになれない方は、故人の死去から2年目にあたる三回忌法要に納骨する方もいます。

三回忌法要時の納骨は、時間をかけて納骨先を検討したい方や、気持の整理がつくまでは遺骨をご自宅に安置したいと考える方が目安とする納骨時期です。

このように、遺族の気持ちが固まらないことで納骨に時間がかかるケースは少なくありません。

初盆

お住いの地域によっては、故人が亡くなってから最初のお盆である「初盆」を盛大に行う場合がありますが、このような地域ではこの時期に納骨を行うことがあります。

ただし、この初盆の際に納骨を行う場合は、故人の命日からどの程度の日時が経過しているかで状況が異なります。

例えば、故人が9月に死去した場合は初盆までには11ヶ月あるため、お墓の準備を行うことは難しくはありません。

一方で、故人が6月に死去した場合では初盆までの期間は2ヶ月程度となり、新しいお墓を建立する方にとっては納骨どころかお墓の準備もままならない状況となります。

そのため、この初盆に納骨を行う方の多くは既にお墓がある方や、初盆までの時間に余裕がある方に限られます。

なお、お盆時期は納骨時にお世話になる僧侶が非常に忙しい時期となるので、この時期に納骨を予定している方は僧侶へ早めの連絡を行いましょう。

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納骨までの流れ

石畳の霊園風景

ご自身が希望する時期に納骨を行うには、そこに至るまでの流れや手順を理解することが重要です。

ここでは、納骨までの流れを6つに分類しそれぞれの作業を解説します。

納骨までの流れ
  • 埋葬許可証を準備する
  • 納骨先の決定
  • 納骨先・納骨日の決定
  • 参列者の決定と納骨日の伝達
  • 納骨当日に必要なものを揃える
  • 返礼品・会食の準備

埋葬許可証を準備する

埋葬許可証は、納骨の際に必ず必要となる書類です。

この書類は火葬が終了した段階で火葬場職員から渡されるため、場合によっては実際に使用するまで時間がかかり、その簡に紛失してしまう方も少なくありません。

そのため、実際に納骨作業を行う際にはまずはこの埋葬許可証を確認し、いつでも使用できる準備を整えておきましょう。

納骨先の決定

納骨を行うには、まずは納骨先を決める必要があります。

納骨先には次の3種類があり、お墓の形状は次の4種類に分かれるため、これをご自身の希望だけで決めるのは後々のトラブルにつながる可能性があるため危険です。

今後お墓を今後守っていく方や、遺族全体の意見を取りまとめて決定するよう心がけましょう。

納骨先の種類
  1. 公営墓地
  2. 民営墓地
  3. 寺院墓地
お墓の種類
  1. 一般墓
  2. 永代供養墓
  3. 納骨堂
  4. 樹木葬

納骨先・納骨日の決定

納骨先と納骨日の決定を行います。

納骨先が決まったらその旨を墓地管理者へ連絡し、納骨日が決まったらその旨を石材店やお世話になっている寺院へ伝えましょう。

通常は納骨日が納骨式となることから、この際の読経を寺院へ依頼しお墓の開閉を石材店へ依頼することになります。

参列者の決定と納骨日の伝達

納骨を行う際の納骨式では、遺族や親族が参加して行うことが一般的であるため、参列者の決定と開催日の伝達を行います。

納骨式参列者の範囲に決まりはないため、今後のお付き合いを考慮して参加者を募りますが、現在では家族のみで行う方も増えています。

なお、このように家族だけで行う納骨式であっても、親族への報告を行っておけば不要なトラブルは回避できるため、周囲の方への連絡は確実に行いましょう。

納骨当日に必要なものを揃える

納骨日当日は次の品が必要です。

ご自身がこれらを用意しない場合は、あらかじめ用意する人物を決めておきましょう。

なお、塔婆の要否は地域の慣習によって異なりますが、依頼先は菩提寺となります。

返礼品・会食の準備

納骨を行った後は、納骨式に参加した方々で会食を行うことが多く、喪主は会食先の予約や会食場所までの地図の作成を行います。

また、納骨式に参加してくれた方に対しては返礼品を渡す場合はこの準備も必要です。

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納骨にまつわる費用

お墓と費用

ここまで、納骨を行う日時やその流れを解説してきました。

これから納骨を行う方の中には、納骨に必要な金額について不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

そこで、ここでは納骨にまつわる費用を解説します。

墓石建立費用

墓石費用は、全国平均で160万円ほどというデータがあり、またお墓全体にまつわる費用は200万円前後が相場といわれています。

この墓石の他にも、墓地を使用するための永代使用料は、地方都市の郊外などでは20万円ほどと比較的安価ですが、大都市圏の都心部などでは200万円と非常に高額です。

参照元:お墓購入者アンケート調査(一般社団法人全優石全国優良石材店調べ)

戒名彫刻費用

既にお墓がある方は、新しく納骨する方の戒名や俗名を墓石に刻むため、その彫刻代金として3万円~5万円の費用が必要です。

墓石への彫刻は石材店が行いますが、墓地までの距離が遠い場合や足場の悪い作業を行う際には別途追加料金が発生します。

納骨式費用の内訳

納骨を行う際は、納骨式も同時に行うことが一般的ですが、その際には次のような費用が必要です。

ここでは、納骨式を行う際の費用をその内訳と共に説明します。

納骨式費用の内訳
  • 墓石開閉費用
  • 法要時のお布施費用
  • 会食費用

墓石開閉費用

納骨はお墓を開いて行う必要がありますが、墓石の種類によっては一般の方では開閉が難しいタイプがあります。

その際には、石材店などへお墓の開閉を依頼しなければなりません。

中には無料で開閉作業を行ってくれる業者もありますが、通常は5,000円から1万円ほどの作業費用が必要です。

法要時のお布施費用

納骨式では、僧侶へ読経を依頼するため3万円~5万円のお布施が必要です。

また、菩提寺以外で納骨式を行う際にはお車代として5,000円から1万円、会食を行い僧侶が参加を見合わせた場合は御膳料として5,000円から1万円ほどを包みます。

会食費用

納骨式後の会食代金は、1人当たり5,000円ほどが目安となり、この際に参列者へ渡すお礼の品は3,000円が目安となります。

なお、相場以上に高額のお布施を頂いた方に対しては、お礼の品とは別に何らかの形でお礼の手紙と共に贈り物をすることがマナーです。

この際の贈り物の金額は、頂いた香典の1/3程度の品となるよう心がけましょう。

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納骨時の注意点

納骨を行う際には、次に紹介すると3つの注意点を意識して作業を進める必要があります。

納骨時の注意点
  • 墓石建立までの時間を意識する
  • 費用総額を算出しておく
  • 納骨方法は家族と相談して決める

墓石建立までの時間を意識する

墓石建立までは、納骨方法の決定や墓石の発注などで多くの時間が必要となります。

そのため、すべての作業が円滑に行われたとしても、最短で3ヶ月ほどの時間が必要です。

また、これに加えて墓地の選定などを親族へ相談する時間を含めれば、お墓を建立して納骨を行うには半年程度の期間を設定した方が良いでしょう。

このように、納骨までの時間を意識して作業を進めれば、どのような法要と納骨式を行うべきなのかがおのずと見えてきます。

費用総額を算出しておく

先ほど解説したように、納骨を行う際には墓石の購入や納骨式などで高額の費用が必要となるため、納骨全体の費用総額を意識した予算配分が必要です。

正確な費用総額を算出し予算配分を行うことで、墓石に使用する金額やその他に使用する金額がわかるため、無理のない金額で納骨を行ことが可能になります。

納骨方法は家族と相談して決める

納骨先を決める際には、ご自身の意見だけではなく家族やお墓を守って行く子供たちの意見も重要です。

納骨先であるお墓はご自身だけではなく家族やその子孫たちが守っていくため、この方々の意見を取り入れて決定しなければ、後のトラブルに発展してしまうことがあります。

納骨に関わるすべての方が納得した納骨先であることが、故人はもとより一族にとっての最適な納骨先と考えましょう。

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まとめ

ご遺骨を納骨する時期に決まりはありません。

ただし、遺族はご遺骨をお墓に埋葬することで始めて葬儀の終了を意識することができ、故人を弔う責任感から解放され安心できるものです。

それだけに、既にお墓をお持ちの方はできるだけ早い段階で納骨を行う傾向にありますが、納骨時期は遺族の気持の整理がついた段階で行うことが重要です。

また、新しくお墓を建立する方に関しては手順や全体の費用を意識しながら準備を進め、無理のない日程と予算で納骨作業を進めるよう心がけましょう。

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この記事を監修したのは、
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