【2024】終活とはいつ・何歳からやるべき?やることリストと注意点

終活とはその他

人生の最期を穏やかに迎えるため、近年多くの人が終活を行うようになりました。

しかし、終活で行うべき項目は多岐にわたるため、いつ・何から始めればいいのか迷う人も少なくありません。

そこで、今回は終活を始める時期や項目と共に、終活を行う上で注意するべき点を詳しく紹介します。

終活とは?どんな意味?

遺言書と書かれた封筒

終活とは、いずれ来るであろう自分の死を見つめ、人生の終わりの時期、つまり終末期に備えて準備をしたり、理解を深めたりする活動のことです。

終活は、自分の葬儀や身の回りの整理といった物理的な活動はもちろんのこと、これまで歩んだ自分の人生を客観的に見つめ、心身共に穏やかな最期を迎えることが目的です。

死という現実と向き合ったとき、人は経験したことのない恐怖に囚われてしまい、大きな不安を抱え込んでしまいます。

しかし、終活で気になる項目を一つひとつ整理していくと、漠然とした不安に対する答えがクリアになり、心穏やかに過ごせるものです。

自分の気持ちに向き合いながら終活を行うことで、心身共に満たされ有効な時間を過ごせることでしょう。

断捨離との違い

終活を行う中で、よく「断捨離」という言葉を耳にします。

断捨離とは、「断行・捨行・離行」というヨガの思想を表したもので、簡単にいうと不要な物を断って手放し、それに執着しないということです。

終活においても、不要な物を整理して手放すことが多いので「終活=断捨離」と思う人もいますが、終活は自分の死に対して向き合う準備をすることなので、基本の考え方が違います。

終活の一環として断捨離を取り入れること自体は問題ありませんが、終活ではさらに多くのことを整理して考えを深めていくので間違えないようにしましょう。

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終活はいつから・何歳からやるべき?

終活というと、ある程度年齢を重ねてから行うものと思う人も多いですが、実はそのような決まりはありません。

人の死はいつ訪れるかわかりませんし、終活自体が「自分の人生を振り返る」という要素を持っているので、近年では若い人が終活を行うケースも増えています。

では、終活は何歳でどのようなことから始めると良いのか、年代別に分けて詳しく解説しましょう。

20代の終活

20代は、人生まさにこれからという世代なので、死を身近に感じられない人も多いことでしょう。

しかし数年先の未来を見据えた時、生命保険・年金・貯蓄の必要性などが見えてきます。

20代の終活では、このような少し先の未来に対する備えをリストアップし、それに対してどう動くべきかを考えてみましょう。

エンディングノートを活用すると、具体的な項目が目に見える形になりますので、上手に利用してみてください。

30代の終活

30代は、結婚・出産・転職といったライフイベントが多く、これまでの人生を振り返りプランを練り直す良い時期です。

終末期とまではいきませんが、最低でも5〜10年先の未来を見据えて、現在の交友関係や家族との将来を考えたり、必要な貯蓄高を計算して計画を立てるなどのライフプランニングをしてみたりしましょう。

40代の終活

40代になってくると、両親の介護や人の死と向き合う機会が多くなり、それを通じて自分の終末期を考える人も増えてきます。

40代は人生の折り返しになる年代なので、これまでの自分を見つめ直したり、手にした財産や品物を整理したりするのに良い時期です。

使用していない銀行口座やクレジットカードの解約、投資先の状況確認と整理、なんとなく取っておいた品物の整理をしながら、今の自分の状況を確認して老後の準備を始めてみましょう。

50代の終活

50代は、十分な気力・体力・判断力を持って、具体的なセカンドライフの計画が立てられる世代です。

エンディングノートに自分史を書いてやり残したことを整理したり、資産の整理や老後のライフプランニングをしたりしてみましょう。

また、50代になると両親の死と向き合う人も少なくありません。

お墓の継承者問題や両親の終活の手伝いなどを通して、「老後の自分のために今やるべきこと」に取り組んでみましょう。

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終活でやることのリスト

エンディングノート

終活では多くの項目に向き合うため、何から始めれば良いか迷う人も多いものです。

ここでは、終活でやることをリストにして紹介しますので、これからやることを決める際の参考にしてください。

終活でやることのリスト
  • エンディングノートを準備する
  • 医療方針を決めておく
  • 葬儀の準備を行う
  • 供養方法を決める
  • お墓の準備や墓じまいをする
  • 身の回りの品物を整理する
  • クレジットカード類を整理する
  • 有価証券を整理する
  • インターネット上の契約をリスト化する
  • 各種契約を整理・解除する
  • 財産目録を作る
  • 遺言書を作成する

エンディングノートを準備する

エンディングノートは、自分の歴史や家族へのことば、財産・お墓・デジタル情報などをまとめて記入できるノートです。

さまざまなエンディングノートが販売されていますが、書くべき項目が分かれているため初めての人もわかりやすく、できることから記入していくことで頭の中が整理されます。

何から始めるべきか迷っている人は、まずエンディングノートを準備すると良いでしょう。

医療方針を決めておく

自分が危篤状態になったとき、事前に医療方針を決めておくと、残された家族が判断に苦しむことがありません。

例えば、「延命措置はしないで欲しい」「自宅で最期を迎えたい」など、具体的な医療方針を決めてエンディングノートなどに残しましょう。

葬儀の準備を行う

自分の葬儀を自分で決めておくと、いざという時家族が慌てることなく、望み通りの葬儀を行うことができます。

終活で行われる準備項目は次の通りなので、よく確認してできるところから始めてみましょう。

葬儀形式を決める

葬儀形式は、大きく分けて一般葬・小規模葬の2種類があり、さらに小規模葬は「家族葬」「一日葬」「直葬」など多くの形式があります。

どの形式を選ぶかによって葬儀費用や参列者の人数は異なるため、準備をしていないと遺された家族が悩むことになるのです。

自分が亡くなったらどのような葬儀が良いか、具体的な葬儀形式を決めて金額を確認し、それに見合う預貯金を用意してみると良いでしょう。

友人・知人をリストにまとめる

故人が亡くなると、残された家族は多くの友人・知人に訃報を届け、葬儀の案内をしなければなりません。

しかし、仲の良い家族であってもすべての友人・知人を把握しているわけではなためで、連絡をする際に困るというケースも見られます。

どうしても参列して欲しい友人・知人がいる場合は、名前・住所・電話番号・メールアドレスなどをリスト化しておき、家族が一目でわかるようにしましょう。

葬儀社を決める

近年、葬儀の生前予約を行う葬儀社も増えてきました。

終活で葬儀社を決めておくと、残された家族は葬儀社選びをする必要がないため、その分の負担が軽減されるメリットがあります。

気になる葬儀社がある場合は、終活としてパンフレットなどで情報を集めたり、葬儀社が主催するセミナーに参加してみたりしましょう。

遺影を準備する

遺影は、どのような葬儀形式でも必ず準備するものの一つです。

死亡した時期に近く、できるだけ穏やかな表情の写真が相応しいものです。

しかし、急な逝去でなかなか写真が見つからなかったり、あってもあまり美しくない写真が使われたりすることもあります。

美しい遺影写真を用意しておけば、残された家族が困ることがありません。

生前遺影を撮影してくれる写真館もありますので、気になる人は相談してみましょう。

供養方法を決める

故人を見送った後、遺された家族が遺骨の供養を続けることになります。

しかし、継承者がいない状態だとお墓が無縁仏になってしまいますし、納骨される場所が遠いと供養が続けられないかもしれません。

最近では、従来のお墓の他にも樹木葬・永代供養・夫婦墓など、さまざまな供養方法を選べるようになりました。

自分の希望や家族の意見を取り入れながら、供養方法を決めていきましょう。

お墓の準備や墓じまいをする

お墓の継承者やお墓を持っていない人は、亡くなった後のことを考えて終活しなければなりません。

現在入るべきお墓を持っていない人は、先ほどお伝えした供養方法を決めた後に、それぞれに応じたお墓や納骨堂・永代供養などの準備をしてください。

現在お墓の継承者で、亡くなった後にお墓を継ぐ人がいない場合は、墓じまいをして先祖の永代供養を行い、自分の供養方法に合わせて準備を進めましょう。

身の回りの品物を整理する

身の回りの品物を整理して持ち物を減らすことも、遺された家族に負担をかけないために必要な終活です。

故人が遺した品物は鉛筆の一本まで遺品となるため、あまりに数が多いと遺族間で揉めたり、手続きが進まなくなったりする可能性もあります。

できれば体が動くうちから少しずつ整理をして、スッキリした老後を迎えるようにしましょう。

クレジットカード類を整理する

クレジットカードを複数枚持っている人は、最低限必要な1〜2枚を残し、残りは解約するのがお勧めです。

クレジットカード類が複数残っていると、残された家族が複雑な手続きを踏んで解約しなければなりません。

自分が管理できる枚数だけを残し、クレジットカードを整理するようにしましょう。

また、使わないポイントカードなども見直し、必要なものを絞って整理するようにしてください。

有価証券を整理する

株式や為替・先物取引・著作権などの有価証券は、すべて故人が遺した財産です。

しかし、そのままにしておくと名義変更などの手続きが必要になり、その分遺族の負担になるかも知れません。

有価証券を保有している人は、一度整理をして遺すものを決め、相続手続きがスムーズになるよう準備すると良いでしょう。

インターネット上の契約をリスト化する

インターネット上で契約している手続きを、すべてリスト化しておくことも大切な終活の一つです。

例えば、有料のメールや動画配信・TV視聴・月契約の有料ゲームなど、銀行引き落としが掛かる契約はすべてリスト化し、見落としがないようにしてください。

各種契約を整理・解除する

先ほどお伝えしたインターネット上の契約を初め、賃貸物件や月極駐車場、ガス・電気・水道や携帯電話など、自分の名前で契約しているものを整理しましょう。

紙に書き出し、その中から必要なものと不要なものを分けると解除しやすくなります。

財産目録を作る

ここでいう財産とは、金銭としてプラスになるものだけではなく、借金やローンといったマイナスのも含まれます。

故人が遺した財産は、原則として借金まで含めて遺族が相続することになります。

不動産や有価証券はもちろんのこと、車や骨董品・ブランドバッグ・宝石類、借用書やローンの名義まですべて書き出し、目録にして家族がわかりやすいようにしてください。

遺言書を作成する

遺言書は、故人の意見を尊重した法的拘束力のある書類です。

自分が亡くなった後、遺産やその他の処分に関して法的拘束力を持たせたいという人は、終活で遺言書を作成しましょう。

遺言書の具体的な種類は次のとおりです。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言を遺す人が自筆で書類を作成する遺言書です。

自分で書くだけで遺言書になるというメリットはありますが、民法で定められた規定を守って作成しなければならず、逝去後に遺言書を発見した人は、家庭裁判所に提出して法的に有効か検認しなければなりません。

また、間違った形式で書かれている場合は、その内容を無効にされる可能性があります。

公正証書遺言

公正証書遺言は、2人の立会人を証人にして、遺言者の意向を公証人が聞き取りながら作成する形式の遺言書です。

作成された書類は公証役場で保管されるため、偽造されにくいというメリットがありますが、作成の手続きが複雑で手数料が掛かるというデメリットもあります。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、自筆で作成した遺言書を2人の証人と一緒に公証役場へ持ち込み、遺言書が存在していることを保証してもらう形式の遺言書です。

遺言書の内容を誰にも知られないというメリットはありますが、保管は自分で行わなければならないため、盗難や紛失の可能性があります。

また、誰も事前に内容確認を行わないため、万が一遺言書に不備があっても指摘されず、結果として遺言書と認められないリスクがあります。

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終活を行う際の注意点

虫眼鏡で注意を見つける

終活は、やるべき項目が多く手続きが必要なこともあるため、問題なく進めるには注意したいポイントがあります。

では、具体的にどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか?

終活を行う際の注意点
  • 葬儀形式や供養方法は必ず周囲と相談する
  • エンディングノートを遺言書代わりにしない
  • パスワードの保管に気をつける
  • できるだけ早くから少しずつ進める
  • 困った時は専門家に相談する

葬儀形式や供養方法は必ず周囲と相談する

葬儀形式や供養方法は、家族や親戚にも影響が出る問題です。

特に供養方法については、終活を行っている本人にとって良いものであっても、家族や親戚が納得しないケースも考えられます。

必ず周囲と相談し、お互いに納得できるまで話し合って決めましょう。

エンディングノートを遺言書代わりにしない

エンディングノートは、個人の意思を伝えるために書かれるものですが、法的拘束力はありません。

つまり、エンディングノートに遺言を書き残しても、法的には認められないのです。

どうしても守って欲しい遺言がある場合は、必ず遺言書を作成してください。

パスワードの保管に気をつける

何かしらの契約に際し必要になるパスワードは、万が一他人に知られると悪用される可能性があります。

とくに、キャッシュカードやクレジットカードといった金銭に関わるパスワードは、誰にも知られないように保管してください。

できるだけ早くから少しずつ進める

終活は、時間と根気の要る活動です。

年齢を重ねてから始めてしまうと、思うように進められなかったり、途中で放棄せざるを得なくなったりすることもあります。

体が自由に動かせるうちから少しずつ進めて、悔いなく終わらせると良いでしょう。

困った時は専門家に相談する

終活を進めていくと、自分では進めにくい問題が出てくることがあります。

特に、財産整理や遺産相続、遺言書の作成などは法律が関わることも多く、法律に明るくないと難しいケースもあります。

終活で困ったことがある場合は、無理をせず専門家に相談するようにしましょう。

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まとめ

終活は、人生の終末期を穏やかに迎えるための準備である一方、若い世代から始めることで、未来を見つめる指針にもなります。

今回紹介したリストを参考にして、自分ができることから少しずつ終活を始めてみましょう。

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