【2020】相続登記費用の相場はいくら?計算方法と安く抑えるポイント

相続登記費用 相続税
この記事を監修した専門家は、

土地や建物を相続した場合には、名義変更の手続きにあたる「相続登記」の手続きを行います。

不動産の相続登記にはそれなりに費用がかかるので、必要な資金をあらかじめ用意しておかなければなりません。

実際に手続きを進めるときになってから慌てないためにも、相続登記にどれくらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。

相続登記とは

住宅街の戸建て

相続登記は、故人の名義になっている土地や建物を、相続する人の名義に変える手続きです。

登記をすることで、相続する人が不動産の所有者として正式に登録されることになります。

 

相続登記はどこの法務局でもできるわけではなく、手続き場所は不動産がある地域の法務局です。

そのため、遠方で暮らしている相続人(不動産などの遺産を相続する人)が田舎の土地や建物を相続する場合、平日にその地域の法務局に行くのが難しいケースも少なくありません。

よって、相続登記の手続きは、司法書士などの専門家に相談・依頼して、必要書類の取得からすべて任せることが一般的です。

 

なお、相続が起きてからいつまでに相続登記を完了しなければならないという期限はありません。

ただ、登記が完了せず権利者として登録されていないと不利益を被る可能性があるので、相続登記の手続きは早めに終えることが大切です。

必要書類

相続登記で必要な書類はケースによって異なりますが、主に次のような書類が必要になります。

必要書類
  • 登記申請書
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 固定資産評価証明書

また、被相続人の住民票の除票や相続人全員の住民票が必要になる場合もあります。

そして、遺産分割協議をした場合には、遺産分割協議書や印鑑証明書が、遺言書による相続では遺言書の添付が必要です。

相続登記では、こういった多くの書類をそろえるために手間と費用がかかります。

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不動産の相続登記に必要な費用

必要な費用の計算とお金

不動産の相続登記では、主に次の費用がかかります。

不動産の相続登記に必要となる主な費用
  • 登録免許税
  • 固定資産評価証明書の取得費用
  • 戸籍謄本等の取得費用
  • 専門家に依頼した場合の支払報酬

それぞれどれくらいの費用がかかるのか、詳しく解説していきましょう。

登録免許税

不動産の登記をするときには、登録免許税という税金を支払わなければいけません。

  • 登録免許税の税額 = 課税標準 × 税率

登録免許税の税率は次のとおりです。

登録免許税の税率
  • 相続の場合:0.4%
  • 遺贈(遺言書で財産を渡す方法)場合:2%

計算方法はこの後の「登録免許税の計算事例」で詳しく解説しますが、たとえば課税標準が1,000万円の土地であれば0.4パーセントは4万円になります。

なお、不動産に関する税金には不動産取得税もありますが、相続人の方が相続や遺贈によって不動産を取得した場合は、不動産取得税はかかりません。

固定資産評価証明書の取得費用

登録免許税の計算式の中に出てきた「課税標準」を知るためには、固定資産評価証明書が必要です。

固定資産評価証明書は、不動産の所在地を管轄する市区町村役場で取得できますが、発行費用は自治体ごとに異なります。

戸籍謄本等の取得費用

不動産の相続登記では被相続人の戸籍謄本や相続人の住民票が必要になり、被相続人の住民票の除票も原則必要です。

遺産分割協議を行った場合や、不動産を法定相続分で相続する場合は、相続登記で被相続人(遺産を残して亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要になります。

一般的な発行費用は、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本や改製原戸籍謄本が1通750円です。

戸籍謄本が何通も必要になることが多く、費用として意外とかさむことがあります。

 

なお、ケースによっては印鑑証明書も提出しなければなりません。

市区町村役場でこれらの書類を取得する場合は、1通あたり200円から400円ほどの費用がかかります。

また、遠くの地域の役所に書類の発行申請をする場合は、郵送費用も必要です。

必要書類を漏れなくそろえるのは一般の方にとって簡単ではないため、最後の登記の手続きだけでなく書類の取得・収集の段階から専門家に依頼することをおすすめします。

専門家に依頼した場合の支払報酬

相続登記は自分で手続きすることもできますが、司法書士などの専門家に依頼することが一般的です。

専門家に依頼した場合の詳しい費用相場については後でお伝えしますが、相続登記を司法書士に依頼すると6万円から8万円ほどの費用がかかります。

また、そうぞくドットコムであれば、不動産や相続人の数に関係なく定額で69,800円です。

司法書士の場合は戸籍取得費用などの実費を別途請求されることもありますが、そうぞくドットコムの場合は戸籍取得費用や郵送費も含めて定額で相続登記を行っています。

登録免許税の計算例

税金の計算

登録免許税は「課税標準×税率」で計算することはすでに紹介しましたが、計算する際の細かいルールは次のようになります。

登録免許税計算の際のルール
  • 課税標準は固定資産税評価額の1,000円未満を切り捨てた金額とする
  • 計算した登録免許税に100円未満の端数がある場合は切り捨てる
  • 複数の不動産の登録免許税を一括して計算する場合は、最初に固定資産税評価額を合計する

ここでは登録免許税の実際の計算例を紹介するので、上記の計算ルールに沿って税額を計算してみましょう。

相続登記でかかる費用額を具体的にイメージできるので、ご自身のケースにも当てはめて実際に計算してみてください。

【計算例】土地と自宅を相続する場合

たとえば、土地と自宅(建物)を相続してまとめて登記する場合で、固定資産税評価額がそれぞれ次のケースを考えてみましょう。

  • 土地:1,600万1,500円
  • 建物:930万3,650円
  1. 固定資産税評価額 = 1,600万1,500円 + 930万3,650円 = 2,530万5,150円
  2. 1,000円未満の端数切捨後の金額 = 2,530万5,000円
  3. 登録免許税の税額 = 2,530万5,000円 × 0.4% = 10万1,220円
  4. 100円未満の端数切捨後の金額 = 10万1,200円
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相続登記を専門家に依頼した場合の費用相場

専門家に相談してコンサルティングを受けている

相続登記は多くの方にとって馴染みが薄く、自分で手続きをすることは簡単ではありません。

相続に伴って不動産を取得する場合は、一般的に専門家に登記を依頼します。

そして、登記の手続きをできる主な士業には弁護士と司法書士がいますが、特に登記に詳しい専門家が司法書士です。

相続登記の相談や依頼は司法書士にするのが一般的なので、ここでは相続登記を司法書士に依頼した場合の費用相場について紹介します。

司法書士に支払う報酬相場は6万円~8万円

司法書士は報酬額を自由に決められるため、相続登記を依頼した際の報酬は事務所ごとに異なります。

ただ、報酬相場としては6万円~8万円と設定している司法書士が多く、高い場合でも10万円以内には収まると考えて良いでしょう。

また、登記対象の不動産の件数が多ければ費用は増えますが、2件目以降は割引を適用してくれる司法書士もいます。

追加料金がかかる場合もある

先ほど紹介した報酬相場6万円~8万円は、あくまで基本料金です。

基本料金に何のサービスが含まれるかは司法書士ごとに異なり、別途費用がかかる場合があります。

たとえば、よくあるのは土地や建物のある場所に直接出向く実地調査を行ったり、手続きのために司法書士が役所に行ったときに、日当や交通費として追加料金が請求されるケースです。

後になってから高額な請求を受けて驚かないためにも、最初に提示された料金に一体どんなサービスが含まれるのか、しっかり確認するようにしてください。

相続登記を専門家に依頼した方が良いケース

ポイントを伝える男性

相続登記を専門家に依頼すると費用がかかるため、自分で手続きをしたいと思う人もいるはずです。

ただ、たとえば次のようなケースでは、費用をかけてでも専門家に依頼したほうがメリットが大きくなります。

専門家に依頼した方が良いケース
  1. 不動産が遠方にある場合
  2. 不動産や相続人の数が多い場合
  3. 平日に手続きをする時間が取れない場合
  4. すぐに登記を終えたい場合

それぞれのケースを確認して、もしもご自身が該当する場合には専門家にすぐに相談するようにしましょう。

そうぞくドットコムであれば、土日祝日でも夜10時まで受け付けているため、気軽に相談いただけます。

ケース①:不動産が遠方にある場合

相続登記の手続きを行う場所は、対象となる不動産がある地域の法務局です。

しかし、財産を相続する方が遠方に住んでいて、その地域の法務局に直接行くことが難しいケースも少なくありません。

たとえば、田舎に住む親が亡くなって土地や家を子が相続する場合、子が遠方に住んでいてその地域の法務局にわざわざ出向くことが難しいような場合があります。

このときに、司法書士に依頼すればわざわざ本人が行く必要がなくなり手続きをミスなく進められるため安心です。

ケース②:不動産や相続人の数が多い場合

相続登記の対象となる不動産が多い場合や相続人の数が多い場合も、専門家に依頼した方が良いケースです。

たとえば、複数の地域の不動産を相続する場合、各地域の法務局にわざわざ行かなければならず手間がかかります。

相続人の数が多くて戸籍収集に時間がかかる場合、自分でやるよりも専門家にすべて依頼した方が明らかに手間がかからないためおすすめです。

また、登記対象の不動産の数が多い場合、司法書士では件数に応じて費用が増えることが一般的ですが、そうぞくドットコムであれば不動産や相続人の数に関係なく定額でサービスを受けられます。

ケース③:平日に手続きをする時間が取れない場合

法務局は土日や祝日には開いておらず、平日でないと手続きができません。

平日でも休みが取りやすい職業スタイルの方であれば問題ありませんが、会社員の方などは平日の手続きは難しい場合も多いはずです。

会社員が相続登記の手続きをしようとすると、わざわざ平日に休暇を取得して会社を休んで法務局に行く必要があります。

しかも、一般の方が自分で相続登記の手続きをすると、手続きミスをして何度も法務局に足を運ぶことになり、その度に休暇を取ることにもなりかねません。

司法書士などの専門家に相続登記を依頼すれば余計な手間や労力をかけずに済むため、費用をかけてでも専門家にすべてを任せてしまった方が良いでしょう。

ケース④:すぐに登記を終えたい場合

相続した不動産を売却する場合でも、まずは相続登記が必要になります。

迅速に売却を進めるために相続登記を早く終えたい場合には、費用をかけてでも専門家に依頼した方が良いでしょう。

せっかく買い手が見つかったのに登記の手続きが完了せず売却できなくなっては大変ですが、相続登記に慣れている専門家に任せれば手続きがスムーズに進みます。

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相続登記の費用は誰が負担する?

相続登記の費用は誰が負担する?

相続登記の費用を誰が負担するのかに関して、特に決まりはありません。

ただ、不動産の相続の仕方に応じて、費用を負担する人はおよそ決まっているため、ここではケースごとに紹介します。

  • 特定の相続人が不動産を相続する場合
  • 換価分割によって不動産を売却する場合
  • 共有分割を行う場合

特定の相続人が不動産を相続する場合

相続人の中の1人が不動産を相続するのであれば、一般的にその人が相続登記の費用を負担します。

遺産分割協議を行って土地や建物を相続する旨を承諾する場合には、その後の手続きで登記費用がかかる点は踏まえておいた方が良いでしょう。

換価分割によって不動産を売却する場合

換価分割とは、故人が残した不動産を売却して得た現金を相続人で分ける方法です。

この場合、故人の名義から相続人の誰かに名義変更して売却を行います。

登記費用は換価分割を行う相続人全員で負担することが一般的ですが、換価分割をするにあたって相続登記の費用の負担方法についても事前に確認しておきましょう。

共有分割を行う場合

不動産の相続では共有名義にする共有分割を行うこともできます。

共有分割を行う場合は、共有名義者全員で相続登記の費用を負担することが一般的です。

ただし、不動産を共有状態にしてしまうと売却や建て直しなど何をするにしても相続人全員の同意が必要になります。

不動産の遺産分割方法の中でも共有分割はあまりおすすめできない方法なので、共有分割をするかどうかは慎重に検討してください。

相続登記の費用と所得税の必要経費の関係

相続登記の費用と所得税の必要経費を計算している

所得税の確定申告をする人の中には、相続登記の費用を経費として計上できるのか気になる人もいるはずです。

結論としては「相続登記の費用は経費扱いにできる」ということになります。

不動産を売却するケースと事業経営を行うケース、それぞれの費用の取扱いについて確認しておきましょう。

相続した不動産を売却した場合

相続した不動産を売却して譲渡所得が生じた場合、譲渡所得は次のように計算します。

  • 譲渡所得 = 譲渡価格 -(取得費用 + 譲渡費用)

相続登記にかかった費用は、上記の式の中の「取得費用」に含めることができます。

相続登記の費用を含めて計算すればその分譲渡所得が安くなるため、確定申告で譲渡所得を計算する際には忘れずに費用として計上しましょう。

事業経営を引き継いだ場合

賃貸経営をしている建物を相続した場合、家賃収入などは不動産所得または事業所得として確定申告することになります。

  • 不動産所得・事業所得 = 収入 - 必要経費

相続登記にかかった費用は上記の式の中の「必要経費」に含めることができるため、忘れずに費用として計上しましょう。

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相続登記をしなかった場合のデメリット

メリットとデメリットの天秤

相続登記には期限はないため、手続きをせずに放置しても罰則はありません。

しかし、相続登記が完了していない状態が続くと、たとえば次のような点で不利益を被る可能性があります。

デメリット
  1. 差し押さえや売却の恐れがある
  2. 売却や担保設定ができない
  3. 権利関係が複雑化するリスクがある

相続登記をしなかった場合のデメリットをしっかりと理解して、必要であれば費用をかけてでも専門家に依頼して手続きをすぐに終えるようにしてください。

デメリット①:差し押さえや売却の恐れがある

相続が起きると、故人が所有していた不動産は相続人全員の共有の持ち物になります。

遺産分割協議が終わって相続登記が完了するまでは、それぞれの相続人が法定相続分に応じて持ち分・権利を持っている状態です。

相続人のうちの1人が借金をしていた場合、お金を貸している債権者(銀行など)は、相続人の持ち分に当たる不動産部分を差し押さえることができます。

差し押さえられたり売却をされてしまうと、遺産分割協議によって不動産を相続することになった相続人でも、権利を主張することができません。

このようなことが起きないようにするためにも、遺産分割協議が終わって誰が不動産を相続するのかが決まったら、すぐに相続登記を行うことが大切です。

デメリット②:売却や担保設定ができない

相続した不動産を売却する場合、「その不動産が自分のものであること」を明確に証明できなければなりません。

この証明になるのが不動産の名義であり、登記簿上の登録者名です。

相続登記を行っておらず、相続した自分の名義に不動産の名義を変更していなければ、不動産の売却はできないことになります。

また、不動産の担保設定も、登記が完了してその人の名義になっていなければできません。

不動産を購入したり担保を設定する側にとっては、不動産が本当にその人のものなのかを確認する必要があるからです。

デメリット③:権利関係が複雑化するリスクがある

不動産の登記が終わらないまま次の相続が起きると、権利関係が複雑になって登記が難しくなる場合があります。

たとえば、親が亡くなり相続人が長男Aと次男Bの2人で、どちらが親の土地甲を相続するか決まる前に長男Aが亡くなったとしましょう。

 

長男Aが亡くなったことによる相続において、相続人が配偶者Cと子D・Eだった場合、土地甲に関する遺産分割協議は、B・C・D・Eで行わなければなりません。

AとBの2人ですぐに話し合っておけば簡単に済んだものの、次の相続が起きるまでに決めなかったために4人で決めることになります。

 

利害関係者の数が増えれば権利関係が複雑化して、話し合いがまとまらなくなる可能性も高くなります。

そのため、誰が不動産を相続するのかを早く決めて相続登記まで終えておくことが大切です。

まとめ

不動産の相続登記では、登録免許税や各種必要書類を取得するための費用がかかります。

登録免許税の金額は課税標準に0.4%の税率をかければ計算できるため、相続登記にかかる費用のおよその金額の見当を付けて必要な資金を準備しておきましょう。

また、相続登記を専門家に依頼すると費用がさらにかかりますが、ミスなくスムーズに手続きを終えるためにも、司法書士などの専門家に依頼することを検討してみてください。

 

なお、そうぞくドットコムでは、相続登記に必要な書類の取得代行から法務局への書類提出代行までサポートを行っています。

定額69,800円のリーズナブルな価格設定になっていますので、相続登記でお困りの方はぜひ一度お問い合わせください。

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