弔電の文例を故人との関係性別に紹介!送り方・手順も

弔電の例文一般知識・マナー

突然の訃報を受けた際は、通夜や葬儀・告別式に参列して故人に弔意を示すべきですが、何らかの事情からこれがままならないことも少なくありません。

このように、訃報を受けたにも関わらず葬儀に参列できない方が遺族に対して行う作法が、今回紹介する「弔電」です。

ここでは、弔電の文例を状況別に紹介しながら、「送り方の手順」「マナーや注意点」「費用相場」などを解説します。

弔電は直ちに依頼しなければならないという状況が多く、それだけにじっくりと文章を考えている暇はありません。

そのようなときは、これから紹介する文例をぜひ活用してください。

弔電とは

葬儀でのスピーチ

弔電とは、通夜や葬儀・告別式に参列することができなかった場合に送る葬儀電報です。

遺族から訃報連絡を受けたが遠方で暮らしていたり、病気や高齢などの理由から葬儀への参列が難しかったりする場合は、遺族にお悔やみの気持ちを伝えるために弔電を送ります。

近年では葬儀規模を小さく行う傾向にあり、家族葬などでは故人の家族と限られた方のみが参加するため、一般の参列者が参列できない葬儀が増えています。

このように、葬儀に参列できなかった方でも弔意を示すことができるのが弔電の一番の特徴です。

そうぞくドットコム 不動産

弔電の送り方・手順

ダイスに書かれたステップ

ここからは、弔電の送り方の手順を解説します。

これまでの弔電は電話やFAXを利用して申し込む方もいましたが、近年は次のようなメリットからインターネットを利用した申し込みが一般的です。

弔電を送る手順は次のとおりです。

手順
  1. 送り先と「通夜」「葬儀」「告別式」の日程を確認する
  2. 弔電の文章を決める
  3. 弔電を申し込む

送り先と「通夜」「葬儀」「告別式」の日程を確認する

訃報連絡を受けたら、まずは送り先を確認して通夜と葬儀・告別式の日程確認を行います。

弔電を送る儀式はお通夜と葬儀・告別式のいずれかであっても構いませんが、弔電が読みあげられるのは告別式が一般的です。

弔電の文章を決める

次に弔電の文章を決めますが、この際の内容は故人と親族の関係を考慮しながらご自身の気持ちを伝えることが重要です。

しかし、弔電を送る状況は時間が限られていることも多く、この文章を決める時間は限られています。

実際には、文例を活用して弔電を送る方も多く、これはマナー違反には当たりません。

弔電を申し込む

「送り先」「送る儀式」「弔電内容」が決まれば、弔電を申し込みましょう。

弔電には次のようにさまざまな種類が用意されていますが、葬儀に参列した場合に渡すはずだった香典金額を参考にして、故人との関係性を踏まえて選びます。

  • 押し花をあしらった押し花電報
  • 表面に刺繡を施した刺繡電報
  • 格式を重んじて漆箱を使用した漆電報 など

なお、弔電は当日の申し込みであっても当日中の配送が可能ではありますが、申し込み時間によっては翌日配送となる場合もあるため注意が必要です。

弔電を申し込む場合は、この点を意識して希望する儀式へ間に合うかどうかを確認します。

弔電の送付先

弔電の送付先は、通夜や葬儀・告別式を行う会場です。

弔電の宛名と差出人

弔電の宛名は故人ではなく、喪主にすることが一般的です。

差出人は個人が送る場合はそのままで構いませんが、会社などの連名で送る場合は代表者と関係者のどちらの名前も記載するなどのルールがあります。

弔電が届くタイミング

弔電は告別式の中で読み上げられることが一般的ですが、弔電の選別や葬儀準備の負担を考えれば、通夜が始まる前に届くよう手配した方が良いでしょう。

そうぞくドットコム 不動産

弔電を送る際のマナー・注意点

疑問と回答

参列できない葬儀に弔意を示すことができる弔電ですが、次のようなマナー・注意点があります。

ここで紹介する内容を間違えてしまうと、せっかく示した弔意が遺族にとっては不快なものになってしまいます。

弔電の内容には十分な注意が必要です。

マナー・注意点
  • 忌み言葉の使用はNG
  • 文中では敬称を用いる
  • 故人の宗教を重んじた言葉を使う

忌み言葉の使用はNG

弔電の文章の中では、ここで紹介する忌み言葉の使用は厳禁です。

忌み言葉とは、不幸事が重なることを想像させる言葉や生死に関わる直接的な表現を指す言葉です。

弔電に限らず、葬儀の場での使用は控えることがマナーとされています。

重ね言葉とは

不幸事が重なることを連想させる重ね言葉には、次のようなものがあります。

  • たびたび
  • ます
  • しばしば
  • くれぐれも
  • いよいよ
  • 重々
  • 重ね重ね
  • 再び
  • 再三
  • 何度も など

生死に関わる直接的な表現とは

生死に関わる直接的な表現には、次の言葉があります。

  • 生きていたころ
  • 死んだ
  • 死亡
  • 生存中
  • 消える
  • なくなる
  • 落ちる など

文中では敬称を用いる

弔電は、あくまでもその葬儀を主催者する喪主に宛てるため、故人に対する敬称は受取人と故人との関係を基準に記すことがマナーです。

ここでは、受取人と故人との関係性別の敬称を一覧として紹介します。

故人と喪主の関係性 敬称
故人が喪主の実父 ご尊父様・お父様・お父上様
故人が喪主の実母 ご母堂様・お母さま・お母上様
故人が喪主の奥様のお父様 ご岳父様(ごがくふさま)
故人が喪主の奥様のお母様 ご外母様(ごがいぼさま)・ご岳母様(ごがくぼさま)・ご丈母(じょうぼ)様
故人が喪主の祖父母 ご祖父様・お祖父様(おじいさま)・ご祖母様・お祖母様(おばあさま)
故人が喪主の夫 ご主人様
故人が喪主の妻 ご令室様(ごれいしつさま)・奥様
故人が喪主の息子 ご令息様(ごれいそくさま)・ご子息様
故人が喪主の娘 ご令嬢様・ご息女様(ごそくじょさま)
故人が喪主の兄や義兄 ご令兄様(ごれいけいさま)・お兄様・兄上様
故人が喪主の弟や義弟 ご令弟様(ごれいていさま)・弟様
故人が喪主の姉や義姉 ご令姉様(ごれいしさま)・お姉様・姉上様
故人が喪主の妹や義妹 ご令妹様(ごれいまい様)・妹様 [/tableRow]

故人の宗教を重んじた言葉を使う

弔電の文章は故人の信仰する宗教を重んじて内容を記すことがマナーです。

そのため、仏教以外の宗教を信仰している方へ向けた弔電では、次のような文言の使用は控えなければなりません。

このような事情から、「ご冥福をお祈りいたします」などの文言は神道やキリスト教への弔電としては不適切です。

弔電を送る際には故人が信仰している宗教を確認し、その教義に即した弔電を送るよう心がけましょう。

そうぞくドットコム 不動産

一般的な弔電の文例

葬儀会場と祭壇

それでは、ここからは弔電の文例をご紹介します。

一般的な弔電の文例は次の通りです。

  • ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
  • ご訃報に接し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
  • ○○様(故人の苗字)の突然のご逝去の報に接し、驚愕しております。ご遺族の方のお悲しみはいかばかりかとお察し申し上げます。心よりご冥福をお祈りいたします。
  • ○○様(故人の苗字)のご逝去を知り驚いております。いたってご壮健と伺っておりましただけに言葉もございません。在りし日を偲び、心よりご冥福をお祈りいたします。
  • ご逝去の報に接し謹んでお悔やみ申しあげます。ご遺族皆様のお気持ちを思いますと、胸が詰まります。遠くから手を合わせ、安らかにご永眠されますようお祈りしております。
そうぞくドットコム 不動産

【故人との関係性別】弔電の文例

葬儀会場へ運ばれた棺

故人との関係性別の弔電の文例は次の通りです。

先方の父親・母親が故人の場合

  • ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに心からご冥福をお祈りいたします。
  • お父様の突然の悲報に接し、驚いております。残されたご家族の皆様のご心情をお察ししすぐにもお慰めに飛んでまいりたい気持ちですが、遥かな地よりご冥福をお祈りいたします。
  • ご母堂様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。これからも御家族お力を合わせて、励ましあいながらこの度のご不幸を乗り越えられる事を心よりお祈りいたします。
  • ご母堂様のご急逝の報に接し、驚きを禁じ得ません。ご遺族の皆様のご傷心を思うと涙がこぼれます。心から哀悼の意を表します。

先方の夫・妻が故人の場合

  • ご主人様のご急逝の報に接し、驚きを禁じ得ません。奥様のご傷心を思うと涙がこぼれます。心から哀悼の意を表します。
  • ご令室様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申しあげます。ご生前をお偲びし悲しみにたえません。故人のご冥福をお祈りいたします。

先方の息子・娘が故人の場合

  • ご子息様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
  • お嬢様の突然のお旅立ち、ご両親様のお嘆きいかばかりかと拝察申しあげます。在りし日の美しいお姿を偲び、衷心より哀悼の意を表します。

先方の兄弟・姉妹が故人の場合

  • ご令兄様のご訃報に接し、心からご冥福をお祈り申し上げます。生前のご活躍に敬意を表するとともに、安らかにご永眠されますようお祈りしております。
  • ご令姉様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。ご家族様も悲しみに暮れておられると思いますが、くれぐれもご自愛くださいませ。

先方の社長が故人の場合(社葬)

  • 貴社社長様の不慮のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げますとともに、安らかにご永眠されますよう心よりお祈り申し上げます。
  • 貴社社長様のご逝去に際し、惜別の念を禁じ得ません。謹んで哀悼の意を捧げますとともに、ご遺族の皆様ならびに社員ご一同様に心よりお悔やみ申し上げます。
そうぞくドットコム 不動産

【宗教別】弔電の文例

お札と神具

神式やキリスト教式で行う葬儀に送る弔電の文例は次の通りです。

神道式の場合

神道の弔電では、「成仏」「他界」「ご供養」などの仏教用語を使用することはできません。

  • ご急逝の報に接し、悲しみにたえません。弔問叶わぬ非礼をお詫びし、遥かな地より故人の安らかな眠りをお祈り致します。
  • ご急逝の報に接し悲しみにたえません。ご生前の笑顔とともに楽しく過ごした日々が思い出され、寂しさが募ってまいります。どうか安らかにご永眠されますよう心からお祈り致します。

キリスト教式の場合

キリスト教では「死は祝福するべきこと」と考えているため、弔電でお悔やみの言葉を述べることはありません。

  • 御昇天の報に接し、心から哀悼の意を捧げます。故人は今まさにこの地上での長きにわたるお働きを終え、天に召されました。神の御許にお導きがあらんことをお祈り申し上げます。
  • 神の御許に召された故人を偲び、心から哀悼の意を捧げます。ご家族皆様の上に、主イエス様のお慰めと励ましがありますようお祈り申し上げます。
そうぞくドットコム 不動産

法要や慰霊祭に送る弔電の文例

旧正月飾り

弔電は通夜や葬儀・告別式だけに限らず、法要や慰霊祭であっても参列できない場合は送るのがマナーとされています。

法要や慰霊祭へ送る弔電の文例は次の通りです。

  • ○回忌(法要名)のご法要にあたり、所用にて参列できず誠に申し訳ありません。故人の面影を偲びつつ、あらためてご冥福をお祈り申し上げます。
  • ○○慰霊祭(慰霊祭名)にあたり心より哀悼の意を表し、関係者各位に敬意を表します。ご遺族の皆様のご健勝をお祈り申し上げ、心よりご冥福をお祈りいたします。
そうぞくドットコム 不動産

弔電費用一覧

紙幣と電卓

弔電の費用は「台紙」と「文字数」により異なりますが、平均すると3,000円から5,000円が相場です。

台紙の種類別費用と文字数別費用は次のとおりです。

台紙の種類別費用相場

一般的な弔電相場は5,000円程に収まりますが、生前お世話になった方や親しかった方には、1万円以上の高級台紙を用いた弔電を送る場合もあります。

特に高価なプリザーブドフラワーをあしらった弔電は、半永久的にその美しさが保たれ仏前に供えることができるという特徴から、特別な関係があった方に送られる弔電の一つです。

台紙種類 費用相場
刺繡台紙 1,500円~4,000円ほど
線香付き台紙 500円~1万7,000円ほど
漆台紙 5,000円ほど
プリザーブドフラワー 8,000円~1万8,000円ほど [/tableRow]

文字別費用相場

文字数別の費用は、香典を届ける3日前までに申込みを行うと安くなります。

ここでは、通常の料金とお届け3日目までにWebから申し込んだ際の料金を紹介します。

文字数 通常料金 お届け3日前までに申し込んだ料金
25文字まで 726円 561円
26文字~30文字 825円 660円
31文字~35文字 925円 759円
36文字~40文字 1,023円 858円
41文字~45文字 1,122円 957円
46文字~50文字 1,221円 1,056円
51文字~55文字 1,320円 1,155円
56文字~60文字 1,419円 1,254円
61文字~65文字 1,518円 1,353円 [/tableRow]

66文字以上は上記の金額に5文字追加につき99円を加算

そうぞくドットコム 不動産

まとめ

セレモニーホールの椅子席

弔電の文面を作成するにあたっては、ここで紹介した文例を参考にご自身の言葉をメッセージに盛り込むこともおすすめです。

作成までに時間がなく一般的な文章になりがちな弔電ですが、故人と過ごした日々や故人との出会いなどを文例に加筆すれば、故人を偲ぶ気持ちがさらに伝わり、遺族の心に残る弔電となるでしょう。

そうぞくドットコムなら
役所へ行かずインターネットだけで不動産の名義変更を手軽に完了できます 各種手数料や郵送費用も含めて69,800円!(税込76,780円)
資料

ご利用方法に関する資料を
取り寄せる(無料)

この記事を監修したのは、
マガジン 編集部
そうぞくドットコム マガジンは、不動産や預貯金、相続税などに関する相続手続きの知識、お葬式や仏壇、お墓に関する法要の知識、また贈与や信託など生前対策に関する知識など、様々なジャンルにおいて弁護士、税理士、司法書士など専門家監修のもと、ノウハウをお伝えするライフエンディグメディアです。