【2021】相続税の配偶者控除とは?大きなデメリットがあるので注意!

相続税の配偶者控除相続税
この記事を監修した専門家は、
牛腸真司
税理士
立命館大学卒業2011年、税理士登録。税理士登録番号は118275。2012年 東京都港区益本公認会計士事務所(現税理士法人総和)にて資産税対策専任。2015年 千葉県税理士会登録。千葉県税理士会松戸支部広報部員。

相続税にはさまざまな控除制度があり、その中でも「配偶者控除」は控除額が特に大きくなっています。
手続きし忘れて損をしないためにも、相続税の配偶者控除の仕組みや条件、手続き方法を理解しておくことが大切です。

この記事では、配偶者控除やそれ以外に配偶者が活用できるさまざまな控除制度を解説します。
相続税を低く抑えて亡くなった方の大切な遺産を少しでも多く残すために、ぜひ参考にしてください。

相続税の配偶者控除とは

仲良くしている老夫婦
相続税の配偶者控除とは、配偶者が遺産を相続した場合に、次の2つの金額のうち大きい金額までは相続税が課税されない制度です。

  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分

上記2つの金額のうち大きい方の額を遺産総額が超えた場合でも、遺産総額から大きい方の金額を控除できます。
つまり、遺産総額のうち大きい方の金額を超えた部分にのみ課税される仕組みです。

配偶者の法定相続分

法定相続人とは、亡くなった人の財産を相続する人として法律で定められている人のことを指します。
そして、法定相続分とは、法定相続人がどれくらいの割合の財産を相続するか定めた割合のことです。

ある方が亡くなって相続が開始された場合、配偶者がいるケースでは、配偶者は常に「法定相続人」として扱われ、遺産の一定割合を相続する権利(法定相続分)を持っています。
ただし、配偶者の権利として定められている「一定割合」はケースに応じて異なり、どんな場合でも同じ割合というわけではありません。

配偶者以外の法定相続人として誰が財産を相続する権利を持っているかによって、配偶者の法定相続分は異なります。
遺産を相続する権利を持つ法定相続人には、配偶者以外にも

  • 子などの直系卑属
  • 親などの直系尊属
  • 兄弟姉妹

がいます。
相続する人が誰かによって、配偶者の法定相続分は次のとおりです。

【相続する人】 【法定相続分】
配偶者のみ
  • 全財産
配偶者と子などの直系卑属
  • 配偶者:2分の1
  • 直系卑属:2分の1
配偶者と親などの直系尊属
  • 配偶者:3分の2
  • 直系尊属:3分の1
配偶者と兄弟姉妹
  • 配偶者:4分の3
  • 兄弟姉妹:4分の1

なお、「子などの直系卑属」「親などの直系尊属」「兄弟姉妹」には相続する順位が決まっています。
法定の順位は、高い順に「子などの直系卑属」→「親などの直系尊属」→「兄弟姉妹」です。
順位の高い人がいない場合には次順位の人が遺産を相続する仕組みです。

「子などの直系卑属」「親などの直系尊属」「兄弟姉妹」のうち、誰に相続する権利があるのかを確認したら上の表の該当するケースに当てはめて、配偶者の法定相続分を確認することになります。
配偶者の法定相続分の割合を遺産総額に掛けた金額と1億6,000万円のうち、大きい方の金額が配偶者控除の適用金額です。

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配偶者控除の条件

チェックリスト
相続税の配偶者控除は、亡くなった方の配偶者であれば誰でも適用されるわけではありません。
配偶者控除を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。

条件を勘違いして配偶者控除を受けられないと、相続税額が大きく変わって納税額が増えてしまうため注意が必要です。
まずは、相続税の配偶者控除の条件を確認しておきましょう。

条件①:戸籍上の配偶者であること

相続税の配偶者控除の対象者に「内縁の妻」は含まれず、適用対象はあくまで戸籍上の配偶者です。
そのため、離婚済の元配偶者は含まれず、逆に別居中や離婚協議中でも、法律上の配偶者であれば配偶者控除を受けることができます。

条件②:相続税の申告書を提出していること

相続税の申告書を提出していることも配偶者控除の条件の一つです。
配偶者控除を適用して税額を計算した結果として相続税がゼロになったとしても、相続税の申告が不要になるわけではありません。

控除の適用により税額がゼロになる場合でも、申告書を提出して配偶者控除の適用を受けて初めて税額がゼロになる仕組みです。
相続税の配偶者控除を受けるためには申告書を忘れずに提出してください。

条件③:遺産分割協議が完了していること

相続人などが複数人いる場合、遺産の分割方法を話し合う遺産分割協議を行うことになります。
スムーズに合意に至るケースもありますが、逆に相続が争族になってしまって遺産分割協議が難航するケースも当然あるはずです。
遺産分割協議が完了していない場合には、配偶者控除は受けられません。

申告期限までに遺産分割協議が完了しない場合

遺産分割協議自体に期限はないものの、相続税申告は相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月が経過するまでの間に行わなければなりません。
遺産分割協議が完了していない場合でも申告義務があるケースでは相続税申告は行うので、この場合には「申告期限後3年以内の分割見込書」を相続税申告書に添付して提出します。

遺産分割が終わっていない時点では、配偶者控除を適用しないで計算した相続税額を納付しますが、遺産分割が完了した際に手続きを行えば配偶者控除を受けることが可能です。
配偶者控除を適用して相続税額を計算し直して、払い過ぎた分は払い戻しを受けられます。
分割が成立した日の翌日から4ヶ月以内に手続きが必要なので、忘れずに手続きを行ってください。

なお、3年間でも遺産分割協議が完了しない場合には「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を税務署に提出して承認を得られると、期間をさらに延長できます。

条件④:財産隠しをしていないこと

意図的に相続財産を隠していた場合、後から税務署に指摘を受けて申告を行った場合でも、隠ぺいしていた財産については配偶者控除を受けられません。
配偶者控除を受けられずに税額が軽減できないだけでなく、「延滞税」や「重加算税」といった罰金を課されて重たい負担になります。
脱税行為はやってはなりませんし、相続税は期限までに正しく申告・納税を行うことが大切です。

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配偶者控除の計算事例

計算事例
続いて、相続税の配偶者控除が適用できる場合の相続税額の具体的な計算事例を紹介していきます。

計算事例① 法定相続人:妻と長男の2人、遺産総額:1億円

法定相続人である妻と長男の2人が遺産を相続し、遺産総額が1億円のケースを考えてみましょう。
妻と長男がそれぞれ遺産の2分の1を相続しているケースとして相続税の金額を計算していきます。

まず、このケースでは配偶者の法定相続分は2分の1であり、遺産総額1億円の半分は5,000万円です。
「1億6,000万円」と「法定相続分5,000万円」では前者の方が大きいため、この事例では1億6,000万円の相続財産までは配偶者である妻に相続税はかかりません。
妻の実際の相続財産の金額が5,000万円なので、配偶者控除を受ければ妻は相続税がかからないということです。

続いて相続税を計算しますが、相続税は次の順序で計算していきます。

  1. 【課税遺産総額の計算】遺産総額から「基礎控除額」を控除
  2. 【相続税額の総額の計算】各自が法定相続分に基づいて相続した場合の相続税額を計算して合計
  3. 【各自の納付税額の計算】上記の相続税の総額を各自の実際の相続割合に基づいて按分

まず、基礎控除額ですが、計算式は次のとおりです。

  • 基礎控除額=3,000万円 + 法定相続人の数 × 600万円

よって、この事例における基礎控除額は次のように計算できます。

  • 基礎控除額= 3,000万円 + 2人 × 600万円 = 4,200万円

したがって、課税遺産総額は次のように計算できます。

  • 課税遺産総額= 遺産総額1億円 - 基礎控除額4,200万円 = 5,800万円

なお、法定相続分に基づいて妻・長男ともに2分の1ずつ相続した場合には、それぞれ

  • 課税遺産総額(1人あたり) =5,800万円 ÷ 2人 = 2,900万円

となります。

相続税の税率は、課税価格の金額に応じて税率が次のとおりと異なります。
2,900万円の場合、税率は15パーセントです。

課税価格 相続税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

そのため、法定相続分に基づいて相続したと考えた場合の相続税額は、妻・長男ともに次のとおりです。

  • 相続税額 = 課税価格2,900万円 × 税率15% - 控除額50万円 = 385万円

相続税の総額は770万円(=385万円 × 2人)です。
このケースでは「実際の相続割合」は妻・長男ともに2分の1ずつなので、各自の実際の相続割合に基づいて按分すると、妻の相続税額は385万円(=770万円 ÷ 2)となります。

ただし、この385万円という相続税額は、配偶者控除の適用がなかった場合の相続税額です。
この事例では、配偶者控除として最大1億6,000万円の相続財産まで妻は課税されず、妻の相続財産の金額はそれ以下の5,000万円なので、相続税はかかりません。
そのため、妻に配偶者控除が適用されることで、385万円の節税効果が生まれることになります。

計算事例② 法定相続人:妻と兄の2人、遺産総額:6億円

続いて、妻と兄の2人が相続人として遺産を相続し、遺産総額が6億円のケースを考えてみましょう。
遺産のうち4分の3を妻が、4分の1を兄がそれぞれ相続しているケースとして計算していきます。

このケースでは、妻の法定相続分は4分の3であり、遺産総額6億円の4分の3は4億5,000万円(=6億円×3/4)です。
1億6,000万円と法定相続分4億5,000万円では後者の方が大きいため、この事例では4億5,000万円の相続財産までは配偶者に相続税はかかりません。
妻の実際の相続財産の金額が4億5,000万円なので、配偶者控除を受ければ妻は相続税がかからないということです。

計算事例①と同様に、順を追って相続税を計算していきましょう。
基礎控除額は、計算事例①と同様に4,200万円です。

  • 基礎控除額= 3,000万円 + 2人 × 600万円 = 4,200万円

課税遺産総額は次のとおりです。

  • 課税遺産総額= 遺産総額6億円 - 基礎控除額4,200万円 = 5億5,800万円

法定相続分に基づいて妻4分の3・兄4分の1で相続した場合の相続税額は、それぞれ次のように計算できます。

  • 妻:相続税額 = 5億5,800万円 × 法定相続分3/4 × 税率50% - 控除額4,200万円 = 1億6,725万円
  • 兄:相続税額 = 5億5,800万円 × 法定相続分1/4 × 税率40% - 控除額1,700万円 = 3,880万円

上記の額を合計して、相続税額は2億0,605万円であることがわかります。
このケースでは「実際の相続割合」は妻4分の3・兄2分の1なので、各自の実際の相続割合に基づいて按分すると相続税額は配偶者が1億6,725万円、兄が3,880万円です。

ただし、この1億6,725万円という相続税額は、配偶者控除の適用がなかった場合の相続税額です。
この事例では、配偶者控除として最大4億5,000万円の相続財産まで妻は課税されず、妻の相続財産の金額はその範囲内の4億5,000万円なので、相続税はかかりません。
そのため妻に配偶者控除が適用されることで、1億6,725万円の節税効果が生まれることになります。

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配偶者控除を受けるための申告手続き

申告手続きを進める女性
配偶者控除を受けるには、相続税の申告書を提出する際に戸籍謄本等のほか、遺言書の写しや遺産分割協議書の写しなど配偶者が取得した財産がわかる書類を添付する必要があります。
遺産分割協議が終わらない場合は配偶者控除の適用を受けられないため、相続税申告書の提出の際に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付してください。
いったん、配偶者控除を適用せずに計算した相続税額を納税することになります。

ただし、遺産分割協議が終わったときに税務署で手続きを行えば、税額が計算し直されて払い過ぎた分の払い戻しを受けられます。
この場合、遺産分割協議が成立した日の翌日から4ヶ月以内に税務署で手続きを行う必要があるので、配偶者控除を受けるためにも忘れずに手続きを行うようにしましょう。
また、3年間でも遺産分割協議が完了しない場合には「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を税務署に提出し、承認を得られると期間をさらに延長できます。

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配偶者控除に関する注意点

老夫婦に営業する男性
配偶者控除を適用して税額を低く抑えられれば、今後の生活費をより多く確保することに役立ちます。
配偶者控除は控除額が非常に大きく相続税額がゼロになるケースも多いため、条件を満たしているのであればぜひとも活用すべき制度です。

しかし、配偶者控除の適用を見越して多額の財産を配偶者に相続してしまうと、後になってから思わぬデメリットが生じることもあります。
相続税の仕組みは複雑なので、一見メリットしかなさそうな場合でも注意が必要です。
ここでは、配偶者控除を活用する上で注意すべき点について解説していきます。

注意点①:配偶者控除が受けられない場合がある

相続税の配偶者控除を受けるには「配偶者控除の条件」で解説した全条件を満たす必要があります。
相続税の申告書を提出していなかったり、脱税等を目的として意図的に財産を隠蔽していた場合には配偶者控除は受けられません。
配偶者控除の対象はあくまで戸籍上の配偶者なので、内縁の妻は適用対象外となります。

注意点②:次の相続も考慮して相続対策する

1億6,000万円または法定相続分まで相続税がかからないと知って配偶者にまとめて財産を相続させた場合、その次の相続が発生したときの相続税額がむしろ高くなるケースがあります。
相続が開始された場合、さらに次の相続も考慮して配偶者控除の活用を考えることが重要です。
ここでは、二次相続まで考慮すると相続税がどれほど変わるのかを計算してみましょう。

夫・妻・子の3人家族がいて、1億円の遺産を残して夫が亡くなったケースを考えてみましょう。

  • ケース1:夫が亡くなった際に妻が全財産を相続し、その後に妻が亡くなると子がその財産を相続する
  • ケース2:夫が亡くなった際に妻と子が法定相続分に基づいて半分ずつ相続し、妻が相続した遺産を妻が亡くなった時に子が相続する

一次相続と二次相続の合計で、相続税額がどれほど変わるのか実際に計算していきましょう。
配偶者控除を最大限活用しようと考えて配偶者に相続財産を集中させるケース1のような方法が、相続税の負担を考える上で本当に有利なのか確認することがこの計算の目的です。

ケース1:配偶者が全て財産を相続する場合

配偶者控除によって税額を抑えられると考え、配偶者である妻が遺産のすべてを相続するとします。
このケースでは、配偶者控除の基準額は1億6,000万円なので、妻が相続する財産は1億6,000万円までは相続税がかかりません。

基礎控除額や課税遺産総額、相続税の合計額の計算方法は前述の「配偶者控除の計算事例」で紹介した計算事例①と同じです。
そのため、妻・子の2人で合計770万円の相続税がかかります。

最後に実際の相続割合に基づいて按分しますが、このケースでは妻がすべての遺産を相続しているので、子に相続税はかからず、妻の相続税額が770万円です。
しかし、配偶者控除の基準額1億6,000万円までは妻に相続税はかからず、妻が実際に受け取った遺産額は1億円でそれ以下の金額なので相続税はかかりません。
つまり、配偶者控除によって770万円分の節税効果が生まれ、夫が亡くなった時の一次相続でかかる相続税額は妻・子の2人合計でゼロです。

次に、妻が亡くなって、妻が夫から受け継いだ遺産を子が相続する二次相続での相続税額を計算します。
遺産の価格は1億円のままで、法定相続人は子1人のみとすると、基礎控除額は3,600万円と計算でき、課税遺産総額は6,400万円(=遺産総額1億円 - 基礎控除額3,600万円 )となります。
適用税率は30パーセントなので、相続税額は次のようになります。

  • 相続税額 = 6,400万円 × 30% - 控除額700万円 = 1,220万円と

つまり、一次相続と二次相続の合計でかかる相続税額は1,220万円です。

ケース2:配偶者と子それぞれが2分の1ずつ相続する場合

今度は、夫が亡くなった際には妻と子がそれぞれ半分の5,000万円ずつ相続し、妻が夫から相続した5,000万円は、妻が亡くなったときに子が相続するケースを計算してみましょう(相次相続控除など他の控除制度の適用はないものとします)。
一次相続における相続税額は「配偶者控除の計算事例」で紹介した計算事例①と同じです。
配偶者と子の合計で770万円の相続税がかかり、2人で半分ずつ負担することになります。
配偶者は配偶者控除の適用を受けて相続税負担はなくなり、子には385万円の相続税がかかります。
つまり、夫が亡くなった時の一次相続でかかる相続税額は妻・子の2人合計で385万円です。

次に妻が亡くなり、妻が夫から受け継いだ遺産5,000万円を子が相続する二次相続での相続税を計算します。
遺産の価格は5,000万円のままで法定相続人は子1人のみとすると、基礎控除額は3,600万円で、課税遺産総額は1,400万円(=遺産総額5,000万円 - 基礎控除額3,600万円 )と計算できます。
適用税率は15パーセントなので、相続税額は次のように計算できます。

  • 相続税額 = 1,400万円 × 15% - 控除額50万円 = 160万円

つまり、一次相続での385万円と二次相続での160万円の合計で相続税額は545万円となります。
一次相続と二次相続の相続税の合計額は、ケース1の1,220万円よりもケース2の545万円のほうが圧倒的に低いことがわかります。

配偶者控除を適用される配偶者に全ての財産を渡すケース1の方が税制上有利なのだろうと思いがちですが、そのようなことは決してありません。
ケース2のように、一次相続で子に相続税負担が生じるケースでも、結果的に二次相続まで考慮するとケース1よりも2回の相続税合計額が安く抑えられることがあるということです。
相続税の配偶者控除の適用を考える際には、二次相続まで考慮に入れて相続対策を検討するようにしてください。

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配偶者控除以外の控除制度

相続税申告書
配偶者が利用できる相続税の控除制度は、配偶者控除だけではありません。
控除制度ごとに条件は異なりますが、税金を安く抑えるために活用できる相続税のさまざまな制度について知っておくことが大切です。

ここでは、未成年者控除や障害者控除などについて解説していきます。
ご自身が条件を満たしていて活用できるものがないかどうか確認してみてください。

控除制度①:基礎控除

法定相続人がいる場合、「3,000万円 + 法定相続人の数 × 600万円」の金額を遺産総額から差し引けるのが基礎控除です。
税率をかける前の金額が基礎控除額ぶんだけ安くなるため、相続税額が安くなります。

なお、最近のニュースで「基礎控除額の改定」を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、これは所得税の基礎控除額の話です。
2020年の所得の計算から所得税の基礎控除額は変わりますが、相続税の基礎控除は従来どおりなので間違えないようにしましょう。

控除制度②:障害者控除

一定の障害がある方については「85歳に達するまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)×10万円」の金額を相続税額から引くことができます。
上述の基礎控除のように税率をかける前の金額から引くのではなく、算出した相続税額から障害者控除の金額を引く仕組みです。
また、特別障害者の場合には、上記の式の「10万円」が「20万円」になります。

障害者控除は控除額が非常に大きいため、障害者本人の相続税額よりも大きくて引き切れない場合には、引き切れない金額を扶養義務者の相続税額から引くことができます。
詳細な内容は国税庁ホームページにも掲載されているので、確認してみてください。

控除制度③:未成年者控除

20歳未満の法定相続人が「相続」または「遺贈」によって財産を取得した場合、「20歳に達するまでの年数(1年未満の端数は切り上げ)× 10万円」の金額を相続税額から引くことができます。
また、未成年者控除は控除額が非常に大きいため、未成年者本人の相続税額よりも大きくて引き切れない場合には、引き切れない金額を扶養義務者の相続税額から引くことができます。

なお、20歳未満の人が結婚すると成年の扱いになる成年擬制という制度があります。
親等の同意がないと多くの法律行為ができない未婚の未成年者と違って、結婚した20歳未満の人は成年扱いになる制度です。

すでに結婚していて20歳未満のときに配偶者が亡くなった場合、婚姻により成年扱いなので未成年者控除を受けられないと勘違いしがちですが、相続税の未成年者控除は適用される取扱いになっているので注意が必要です。

控除制度④:相次相続控除

被相続人が亡くなって相続が開始された場合、その被相続人が10年以内に相続税を払っていた場合には、その被相続人から今回財産を取得する人の相続税額から一定額を引く仕組みになっています。
これは「相次相続控除」と呼ばれる控除制度で、近い期間に相次いで相続が発生した場合でも相続税の金額が大きくなりすぎないように、負担を軽減する仕組みです。

ただし、適用される条件や控除額の計算式は複雑です。
詳細な内容については税理士に相談・確認するようにしてください。

控除制度⑤:所得税や贈与税の配偶者控除

配偶者に税制上適用される控除制度は、相続税以外にもさまざまなものがあります。
一定の条件を満たす配偶者がいる場合には、所得税を計算する際に配偶者控除として一定額を控除できます。

婚姻関係20年以上の夫婦間で、居住用不動産の贈与またはその購入用の資金の贈与をした場合には、贈与税が最高2,000万円まで控除できる贈与税の配偶者控除も受けられます。
亡くなった配偶者の所得税の確定申告をする際に配偶者控除の適用有無を確認するなど、さまざまな税金で配偶者控除を考慮しなければなりません。
税金の仕組みは複雑なので、よくわからない場合には税理士に相談すると良いでしょう。

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まとめ

相続税の配偶者控除は、さまざまな控除制度の中でも特に控除額や節税効果が大きい控除制度です。
適用されるのは一定の条件を満たす配偶者に限られますが、申告方法は決して難しくありません。
遺産分割が完了していない場合でも、税務署に一定の申請をしておくことで後々相続税の配偶者控除を受けることができます。

ただし、控除額が大きいからと言って配偶者に多くの相続財産を渡すと、二次相続でむしろ相続税額が大きくなるケースがあるため注意が必要です。
相続税額を計算する上では配偶者控除以外にもさまざまな控除制度に関する知識が求められるため、よくわからない場合には一人で抱え込まずに税理士に相談してみてください。
各控除制度を十分に活用し税額を低く抑えて、大切な資産をできるだけ多く残すことが大切です。

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