お墓を建てる際の費用はいくらくらい?流れと知っておきたい3つのポイント

お墓を建てるお墓

目次

なぜお墓を建てる理由・目的

小さな子供のお墓参り

私たちがお墓を建てる理由・目的を考えたときに、真っ先に思い浮かぶことは「亡くなった家族の魂を供養したい」と願う気持ちや、その供養を執り行うことで「自身の平穏や家内安全を祈願したい」と思うためです。

このように、お墓を建てる理由・目的には、亡くなった方の供養塔を建立し、その御霊の平穏を願う意味合いがあります。

また、その供養塔に向き合い、私たち自身の幸せを祈る祈念塔としての意味合いがあるのです。

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お墓を建てる際に考えるべき3つのポイント

お墓参りする女性

お墓は、地震や災害といった外的要因がなければ、短くても100年、長ければ200年以上経過しても壊れることはありません。

そのため、気軽にお墓を購入してしまえばなかなか建て替えることがないため、ご自身の子孫に数々の負債を背負わせてしまう要因にもなりかねません。

ここでは、お墓を建てる際に絶対に考えなければならないポイントを3つに絞って解説しましょう。

ポイント①:お墓に通えるか

お墓を建てる際にまだ若く足腰が健在であれば、少しくらい遠方の山奥にお墓を購入しても移動には大きな苦労はありません。

しかし、これが高齢となり体に不調を訴えるようになると事態は一変します。

 

あまりにも遠方で交通の便が悪い立地にお墓を購入してしまうと、自身で通うことが困難になり、親族にも負担をかける原因になってしまします。

お墓は、いつでも通える範囲に購入することが望ましいでしょう。

ポイント②:お墓を守り続けられるか

お墓を建てる場合は、今後自身の祖先がそのお墓を守っていかなければならないことを前提に作られます。

ご自身の代で跡が途絶えてしまうことがわかっている場合、このお墓を守り続けることは難しいものです。

お墓を建てる以外の供養方法を検討した方が良いでしょう。

ポイント③:購入にいくらかかるか

お墓を建てるには、数百万円といった高額な費用が必要となる場合が一般的です。

ご自身だけでそれだけの金額を捻出することが困難な場合は、親族と共同でお墓を購入することも考えられます。

 

また、お墓を購入する場合、維持費や管理費等などの資金が必要となる場合があります。

共同で購入する場合は、この費用についても親族と事前に話し合いを持つことが大切です。

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お墓を建てる費用の内訳

費用計算

お墓を建てることになった場合、みなさんが一番気になる項目の中に、お墓の「購入費用」があげられることでしょう。

ここでは、お墓の購入費用に関して、お墓を建てる際の工程別に、それぞれ必要となる金額を詳細に解説いていきます。

費用相場

お墓の費用は、これから説明するすべての項目が含まれた総額です。

この総額での費用相場は、全国平均で145万円から205万円ほどです。

 

ただし、この費用はお住まいの地域の法要費用や永代使用料の違いなどから、大きく異なる場合があります。

あくまでも参考に留めておいてください。

墓石費用

墓石費用とは、お墓の建てる際の墓石にかかる費用です。

この費用は、全国平均でおよそ120万円から175万円ほどです。

また、この価格は首都圏になるほど高額となる傾向があり、東京都の費用相場はおよそ140万円から190万円ほどです。

墓石加工費用

墓石加工費用とは、墓石に文字を彫刻を施す際に発生する料金です。

この彫刻は、墓石に「家名」「題字」「建立者名」「建立日」が彫刻され、費用としては3万円から7万円ほどが必要となります。

また、お墓の横に建てられる墓誌(ぼし)に彫刻する場合は3万円ほど、竿石への彫刻は4万円ほどが必要となります。

墓石工事費用

墓石工事費用とは、お墓を設置する際にかかる「設置費用」と、コンクリートを使った「基礎工事費用」のことです。

これは、お墓を建てる場所やお墓を建てる範囲、またその工事に必要となる重機の種類や台数によって大きく異なります。

 

お墓を建てる場所がそれほど都市部から離れておらず、かつ整備され重機の搬入が容易な区画の場合は9万円ほどが料金相場です。

法要費用

お墓を新たに購入した場合、「開眼供養」「納骨式」「祥月命日法要」「一周忌法要」なども費用に含まれます。

この法要費用には、それぞれお布施が必要となります。

  • 開眼供養:3~5万円ほど
  • 納骨式:10万円ほど
  • 祥月命日法要・一周忌法要:1万円~5万円ほど

管理費用

管理費用とは、お墓のある墓地や霊園の管理運営費のことです。

墓地や霊園の休憩施設、トイレ、水くみ場、水道、電気代などをこの運営費から賄います。

 

支払方法は、毎年収める方法や、数年分また数十年分まとめて収める方法などさまざまです。

管理費用の年間相場は、次のようになっています。

  • 寺院墓地:5千円~1万円ほど
  • 民営霊園:5千円~1万5千円ほど
  • 公営霊園:2千円~1万円ほど

永代使用料

永代使用料とは、墓地や霊園の土地を借りるための費用です。

お墓を建てた場合、この永代使用料と管理費を支払うことでその場所を恒久的に使用することが可能となります。

この永代使用料は全国平均で25万円から30万円ほどですが、関東圏では50万円から100万円ほど、東京23区では150万円~200万円ほどと都市部になるほど高額になります。

 

よく混同されますが、この永代使用料はその土地を購入したことになるわけではありません。

永代使用料に含まれる権利は、あくまでその土地の「使用権」のみです。

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お墓を建てるメリット・デメリット

メリット・デメリット

お墓は、寺院や霊園など建てる場所によって条件が異なるため、そのメリットとデメリットが大きく異なります。

ここでは、お墓を建てる場所ごとの条件を加味し、それぞれのメリットとデメリットについて解説していきます。

メリット

お墓を建てるメリットには次の5つがあります。

メリット①:安心感を持つことができる

お墓があることで家族の象徴となる場所ができ、ご自身が家族と離れて生活していても帰る場所ができます。

そのため、大きな安心感を持つことができるようになります。

メリット②:法要に関して相談することができる

寺院の管理する墓地にお墓を建てる場合は、そのお寺の檀家となることで、法事・法要などをその寺院で執り行うことができます。

また、法要全般についてわからないことがあれば、比較的簡単にその寺院の僧侶に相談することが可能です。

メリット③:ご自身が希望するお墓が建てられる

寺院以外の霊園などにお墓を建てる場合は、大抵の宗教や宗派は自由です。

そのため、お墓の仕様に関する制限は少なく、自身が希望するお墓を建てることができるのです。

メリット④:霊園は金銭的な負担が少ない

大きな公園と墓地が一つになった霊園は、宗教的な制約が少なく檀家になる必要がありません。

そのため、金銭的な負担が少なくお墓を維持することができます。

メリット⑤:公営霊園は永代使用料・管理費の負担が少ない

公営霊園は自治体が運営母体となっていることが多いです。

そのため、永代使用料や管理費が安く済みます。

デメリット

一方で、お墓を建てるデメリットには次の5つがあります。

デメリット①:子孫の負担となることがある

お墓の今後を考えるうえでそのお墓を引き継ぐことができるのか、またお墓が子孫の負担にならないのかについて十分に考える必要があります。

デメリット②:お墓の管理には労力が必要

お墓は必ずメンテナンスが必要となり、その管理について考える必要があります。

特に、遠方にお住いの場合、定期的なメンテナンスに多くの労力が必要となるため注意が必要です。

デメリット③:宗派の制限がある

寺院が運営する墓地にお墓を建てる場合、そのお寺の宗派でなければ檀家になることができません。

そのため、お墓を建てることができないのです。

デメリット④:金銭的な負担がある

檀家になった場合、金銭的な支援をそのお寺にすることとなります。

そのため、お寺の増改築などにもお布施が必要となる場合があります。

デメリット⑤:郊外の霊園は通いづらい

大きな公園と墓地が一つになった霊園は、ほとんどの場合郊外の中でも交通の便が良くない場所にあることが多いです。

そのため、お墓に通うためには労力が必要となる場合があります。

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お墓を建てる流れ

墓石とお花

ご自身がお墓を建てる場合、さまざまな判断をし、自身が納得した上でお墓を建てることができます。

ここでは、お墓を建てる工程について、流れに沿って解説していきます。

流れ①:墓地・霊園を探す

墓地・霊園などの情報は、チラシやインターネットなどをもとに探すと良いです。

墓地・霊園の情報は、所在地以外に「墓地面積」「墓石費用」「宗派や宗旨」についてチェックしてください。

ご自身の希望と合致する場所が見つかったら、実際に現地に足を延ばし事前の情報が正確かどうかを確かめましょう。

流れ②:予算を決める

お墓を建てる総額の平均価格は、145万円から205万円と言われています。

これは、さきほども解説したように「墓地代金」や「設置費用」、「法要費用」といった諸費用が含まれています。

 

ご自身の予算を正確に把握することで、この予算の中からどれほどの金額をを墓石代金に充てるかを考え、その墓石から必要な墓地面積と墓地料金を算出してください。

流れ③:場所を探す

お墓を建てる場所を探す際には、次の2つの項目を覚えておくことがとても重要です。

墓地費用は地価に比例する

お墓を建てる場所の料金である「墓地料金」は、そのお寺や霊園がある場所の地価に比例しています。

そのため、都市の中心街の方が墓地料金は高く、郊外になるほど安くなります。

平米単価の把握が必要

平米単価を把握することで、その墓地料金が高額なのか低額なのか判断をすることが可能です。

 

例えば、「1区画20万円、1平米」の敷地と「1区画30万円、2平米」の敷地があった場合、前者の方が20万円と低額に感じるかもしれません。

しかし、どちらも1平米の単価を見てみると、次のようになります。

  • 前者:1平米あたり20万円(=20万円÷1平米)
  • 後者:1平米あたり15万円(=30万円÷2平米)

つまり、後者の方が低額であることがわかります。

墓地料金の比較は「平米単価」で行わなければ、その土地の正確な価値を知ることはできないのです。

流れ④:墓石の種類を決める

墓石の種類を決める場合、次のような項目で決めることが一般的です。

  • 色合い
  • 石の産地
  • 値段
  • 耐久年数

以下に、国産と外国産の体表的な墓石の種類と、その特徴を紹介しましょう。

国産墓石

  • 大島石(愛媛県):青みがかった整然たる石肌が上品
  • 真壁石(茨城県):関東を代表する青御影石
  • 庵治石(香川県):国内最高級石材として日本全国で使用される

海外産墓石

  • クンナム(インド):黒石の中でも代表的な産地として安定した品質を誇る石材
  • K-12(中国):近年の流行となった少し濃い色をした青御影石

流れ⑤:石材業者を決める

石材業者の決定には、複数の業者から相見積もりを取って、適正な価格を把握した上で、さらに施工方法や工事工程などを加味しながら決定すると良いでしょう。

金額だけで石材業者を決定してしまうと、安価な料金を謳った粗悪工事をする石材業者と契約する危険があるからです。

業者の選定は総合的な判断をもって、納得できる業者と契約しなければ、後悔することになりかねません。

流れ⑥:施工を進める

お墓の設置は、次の3つの工程でおこなわれます。

  1. 基礎工事:地盤を固める
  2. 外柵工事:外柵と呼ばれる墓地の境界線の枠となる石を設置する
  3. 墓石工事:墓石を据え付ける

施工期間は、既製品であれば1ヶ月ほど、オーダーデザインであれば2ヶ月から3ヶ月ほどは必要となるでしょう。

流れ⑦:お墓が完成したら開眼供養を執り行う

お墓を新たに購入した場合、僧侶と親族立会いのもと、そのお墓に魂を宿すための法要である「開眼法要(魂入れ)」を執り行います。

この開眼供養をもって、お墓の設置は完了です。

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お墓を建てる時期・タイミング

お寺

お墓を建てる時期に正確な決まりはありません。

しかし、近年は生前にお墓を建てる「寿陵(じゅりょう)」を執り行う方が増えています。

 

ここでは、生前にお墓を建てるメリットとデメリットを解説します。

また、あわせて亡くなった後にお墓を建てる建てる場合や、お墓を建てるのには適さない時期についてもお伝えしましょう。

生前

生前にお墓を建てる「寿陵」は、子孫繫栄や家庭円満を招くとても縁起が良いこととして推奨されてきたお墓の建立方法です。

ここでは、この「寿陵」のメリットとデメリットをまとめてお伝えしましょう。

メリット①:お墓を建てる手続きから家族を解放できる

お墓を建てるためにはさまざまな法事・書類作成・業者選びなどとても多くの労力を要します。

そのため、ご自身でお墓を立ててしまえば、家族の負担を軽くすることができます。

メリット②:節税対策ができる

相続税は個人の不動産・預金・現金・有価証券・貴金属などに課せられますが、墓所に関しては相続税は例外的に課税されません。

そのため、お墓を建てる現金および預貯金は相続税の課税対象ですが、お墓自体は相続税の対象にはなりません。

メリット③:お墓得お建てる不安から家族を解放できる

不慮の事故や重篤な病気など、私たちは大切な方と突然お別れすることも考えられます。

そんなとき、ご遺族は突然お墓が必要となり、余裕がない状態でお墓を建てなければなりません。

 

それにより、意図しないお墓や埋葬場所を選択することも考えられます。

寿陵を執り行っておけば、家族のお墓に対する不安を払拭することができます。

メリット④:自分好みのお墓を建てることができる

ご自身にお墓に対するこだわりがある方もいるでしょう。

その場合、そのイメージを石材店に伝えることができ、自分好みのお墓を作製してもらうことができます。

デメリット①寿陵ができない場合もある

お墓や霊園には、実際に遺骨がないとお墓を建てることができない場所もあります。

事前の確認をする場合は寿陵についても問い合わせましょう。

デメリット②:好条件の墓地が後から見つかる場合もある

ご自身が死後の準備を焦るあまり、それほど好条件ではない墓地にお墓を建ててしまい、その後さらに条件の良い墓地が見つかった場合は後悔することになりかねません。

すべて希望する条件に合致する場所が見つかった場合にのみ、寿陵について検討した方が良いでしょう。

亡くなった後

亡くなった後にお墓を建てる場合、そのお墓に関するすべてをご遺族に任せてしまうことになります。

お墓に関して事前に家族間での取り決めがなされている場合は滞りなくお墓を建てることができますが、そうでない場合は遺族間でのトラブルにつながる場合があります。

特にお墓を建てる費用はは高額であるため、ご遺族の負担とならないよう事前の話し合いが必要です。

お墓を建てるのに避けるべき時期

お墓を建てるのに避けるべき時期については「仏滅は避けるべき」「大安に建てると縁起が良い」などと言われています。

しかし、仏教の教義にこのような教えはなく、これらはすべて迷信です。

実際には、お墓を建てるのに避けなければならない時期はありません。

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墓石を建てる以外の供養方法

供養

もともと、先祖代々のお墓がある方や、お墓を建てることのできる経済的な余裕がある方以外では、お墓を建てずに故人を供養する方も多くいます。

最後に、お墓を建てない方の供養方法を5つ紹介しておきましょう。

供養方法①:納骨堂

納骨堂とは、本来お寺の中に遺骨を一時的に預かる場所として捉えられていました。

しかし、近年ではこの納骨堂で永代供養が執り行われるようになり、墓地の購入費が高額な都市部を中心にとても人気の供養方法となっています。

供養方法②:樹木葬

樹木葬とは、お墓の代わりに大きな樹木の下にご遺骨を埋葬する供養方法です。

埋葬区画は整備されているため、個別埋葬やご家族での埋葬などを選択することも可能です。

自然志向の方などを中心に近年人気の供養方法です。

供養方法③:合祀墓

合祀墓とは、複数の方が一つのお墓を共有し、一緒に納骨される供養方法です。

この合祀墓に納骨されるご遺骨の中には、永代供養の期限後に合祀墓に再納骨される方や、後継者不足から初めから合祀墓を利用するケースがあるなどさまざまです。

供養方法④:手元供養

手元供養とは「自宅供養」とも呼ばれ、ご自宅で遺骨そのものを供養する方法です。

骨壺や仏壇に収められた遺骨をご自宅に置く方法や、ご遺骨の破片をペンダントにして、常に身につけるといった供養方法もあります。

供養方法⑤:散骨

遺骨を自然に還す点では「樹木葬」と同様ですが、散骨は遺骨を粉砕した後に海や山などに捲く供養方法です。

遺骨を自然に撒くことから、故人の魂が自然に還ると考えられている供養方法です。

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まとめ

山岳部にある墓地

お墓を建てるにあたりっての流れや費用について解説しました。

お墓を建てるということは、ご自身が亡くなった後の供養先を考えると同時に、その先にある遥かに長い年月を子孫がお墓を守っていけるかを考える行為でなければなりません。

故人を偲ぶことができ、一族の精神的な拠り所として存在するお墓ですが、少子高齢化社会の近年では、お墓との関わり方についても親族全員で共有する必要があるでしょう。

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この記事を監修したのは、
マガジン 編集部
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