【2022】相続放棄の必要書類は?書類の種類と取得方法

相続放棄の必要書類相続放棄
この記事を監修した専門家は、
呉村成信
司法書士
2016年、司法書士試験合格。東京司法書士会所属。都内の司法書士事務所にて不動産登記を中心に登記業務全般に携わる。その後独立し、2019年、そうぞくドットコム不動産の立ち上げ期から参画し、プロダクトアドバイザーに就任。2021年、AGE technologiesへ入社。

相続放棄とは、家庭裁判所へ申述することにより、申述をした人がはじめから相続人ではなかったこととなる手続きです。

相続放棄をするにはさまざまな理由がありますが、亡くなった方(被相続人)に多額の借金があり、その借金を引き継がないために行うケースや、被相続人と疎遠であり相続に関わりたくないとの理由で行うケースが比較的多いといえるでしょう。

今回は、相続放棄をする際に必要となる書類について詳しく紹介します。

相続放棄において原則的として必要となる書類

相続放棄において原則的として必要となる書類

相続放棄をするには、さまざまな書類が必要となります。

必要書類は相続放棄をしようとする人と被相続人との関係性や状況などによって異なりますが、まずは必ず用意すべき書類について紹介していきましょう。

相続放棄の申述書

相続放棄の申述書は、相続放棄の手続きにおいてメインとなる書類です。

申述書には、相続放棄をしようとする人について記載する欄や被相続人について記載する欄、相続放棄をする理由や被相続人の財産状況などについて記載する欄などがあります。

特に難しいところはありませんが、この申述書をもとに相続放棄の可否が判断されることになりますので、正しくかつ嘘偽りなく記載するようにしてください。

家庭裁判所のホームページに書式や記載例も掲載されていますので、参考にすると良いでしょう。

被相続人の住民票除票又は戸籍附票

住民票の除票と戸籍の附票は、いずれも被相続人の最後の住所を確認するための書類です。

  • 住民票の除票:被相続人の最後の住所地を管轄する市区町村役場
  • 戸籍の附票:被相続人の最後の本籍地を管轄する市区町村役場

にてそれぞれ取得することができます。

取得にかかる手数料は市区町村により異なりますが、1通200円から400円程度であることが一般的です。

郵送で請求する場合には、あらかじめ手数料の額を市区町村のホームページなどで料金を確認してください。

相続放棄する人の戸籍謄本

相続放棄をする際は、相続放棄をしようとする人の戸籍謄本も必要です。

戸籍謄本は、本籍のある市区町村役場で取得することができます。

取得にかかる手数料は、1通450円で全国共通です。

被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等

相続放棄には、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本や除籍謄本も必要です。

被相続人が亡くなった後も、その戸籍に配偶者など生存している人が残っている場合には「戸籍謄本」のままである一方、被相続人が亡くなったことにより、その戸籍から誰もいなくなった場合には、自動的に「除籍謄本」となっています。

戸籍謄本や除籍謄本は、被相続人の最後に本籍地を置いていた市区町村役場で取得が可能です。

取得にかかる手数料は、全国一律で戸籍謄本であれば1通450円、除籍謄本となっていれば1通750円とされています。

なお、例えば相続放棄をする人が被相続人の配偶者である場合など、被相続人の死亡の旨が記載された戸籍謄本に相続放棄をする人も掲載されている場合があります。

この場合には、前述した「相続放棄をする人の戸籍謄本」とこの「被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等」を1通の戸籍謄本で兼ねることができ、同じ書類を2通提出する必要はありません。

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相続放棄において場合によって求められる書類

相続放棄において場合によって求められる書類

これから紹介するケースに該当する場合などには、相続放棄をするにあたって前述した書類以外の書類も必要になります。

他の書類が必要となる代表的なケースごとに必要書類を挙げますので、書類を集める際の参考としてください。

相続放棄をする人が被相続人の孫である場合

相続放棄をしようとしている人が被相続人の孫である場合には、その孫の親である被相続人の子が死亡したことのわかる戸籍謄本や除籍謄本が必要です。

そもそも、相続放棄をすることができるのは、相続人のみです。

相続人でないのであれば相続放棄をすることはできませんし、相続放棄をする意味もありません。

すなわち、被相続人の孫が相続放棄をしようとしているということは、本来相続人となるはずであった被相続人の子が死亡し、孫が代襲して相続人となったということです。

このことを確認するため、相続放棄をしようとしている孫の親である被相続人の子の死亡を確認するための書類が必要なのです。

なお、孫が代襲する原因は、孫の親である被相続人の子の死亡の他、欠格事由への該当や廃除による場合も考えられます。

これらの場合の必要書類については、管轄の家庭裁判所へ相談するようにしてください。

相続放棄をする人が被相続人の親である場合

被相続人の親が相続放棄をする場合には、被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍、除籍、原戸籍謄本が必要です。

被相続人に子がいれば、親は相続人ではありません。

そのため、親が相続人であることを確認するには被相続人に子がいないかどうかを調べる必要があり、この確認のために被相続人の出生まで遡る戸籍等が必要なのです。

なお、被相続人にもともと子がいたにも関わらず、子が被相続人の死亡以前に亡くなってしまった結果として親が相続人になる場合もあります。

この場合は、その亡くなった子の出生時から死亡時までのすべての戸籍、除籍、原戸籍本も必要となります。

これは、仮にその亡くなった子に子(被相続人の孫)がいれば、相続人となるのはこの孫であり、親は相続人とはならないためです。

相続放棄をする人が被相続人の兄弟姉妹である場合

相続放棄をしようとする人が被相続人の兄弟姉妹である場合には、被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍、除籍、原戸籍謄本に加えて、 被相続人の両親それぞれの死亡の記載のある戸籍謄本または除籍謄本も必要となります。

これは、被相続人に子がいたり両親が存命であったりする場合には兄弟姉妹は相続人とはならないため、これらの人がいないことを確認するためです。

なお、被相続人にもともと子がいたにも関わらず、子が被相続人の死亡以前に亡くなっている場合には、その亡くなった子の出生時から死亡時までのすべての戸籍、除籍、原戸籍本も必要となります。

親が相続放棄をする場合と同様に、仮にその亡くなった子に子(被相続人の孫)がいれば、相続人となるのはこの孫であり、兄弟姉妹は相続人とはならないためです。

相続放棄をする人が被相続人の甥・姪(おい・めい)である場合

相続放棄をしようとしている人が被相続人の甥や姪である場合は、上記「相続放棄をする人が被相続人の兄弟姉妹である場合」の必要書類に加えて、その甥や姪の親である被相続人の兄弟姉妹の死亡がわかる戸籍謄本や除籍謄本も必要となります。

甥や姪が相続人になるということは、その親である兄弟姉妹が亡くなっているはずであり、そのことを確認するためです。

戸籍謄本や除籍謄本を郵送で取り寄せる方法

戸籍謄本や除籍謄本を郵送で取り寄せる方法

戸籍謄本や除籍謄本の請求先である市区町村役場が近隣の場合は窓口に出向いて取得すれば良いですが、請求先の役所が遠方の場合には出向くだけでもひと苦労です。

このような場合には、郵送で書類を取り寄せることもできます。

では、郵送で戸籍謄本や除籍謄本を取り寄せるにはどうすれば良いのでしょうか?

ここでは、郵送で書類を取り寄せる方法を解説します。

請求先の役所のホームページから請求用紙をダウンロードする

郵送で戸籍謄本や除籍謄本を取り寄せるには、まず請求先の市区町村役場のホームページから請求用紙をダウンロードし、印刷してください。

なお、必要事項がきちんと記載してあれば、その様式でなくとも受け付けてもらえることが一般的です。

請求用紙に必要事項を記載する

請求用紙が用意できたら、そこに必要な事項を記載しましょう。

請求用紙には、請求対象者の本籍と氏名、氏名のふりがなや生年月日の他、戸籍のはじめに記載される筆頭者などの氏名、請求する人の氏名や住所、請求対象者と請求する人との関係などを記載します。

なお、請求にあたっては正しい本籍を記載する必要がありますので、請求対象者の本籍がわからなければ戸籍謄本等を取り寄せることはできません。

そのため、本籍が不明な場合には先に本籍地が記載された住民票を取るなどして本籍地を確認してから請求すると良いでしょう。

詳しい記入方法は、各市区町村のホームページを参照してください。

必要な小為替を用意する

郵送で戸籍や除籍と取り寄せる際、その手数料は定額小為替で支払います。

定額小為替はゆうちょ銀行の窓口でのみ購入可能ですので、窓口が開いている時間にゆうちょ銀行へ出向いて入手しましょう。

なお、夜間や土日などにゆうゆう窓口が開いている郵便局もありますが、ゆうゆう窓口などでは定額小為替を購入することはできません。

小為替は12種類存在しますので(50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1,000円)、必要なものを購入してください。

なお、小為替を購入するには1通につき100円の手数料がかかります。

例えば、額面450円の小為替を購入するには、550円が必要だということです。

また、通常、小為替は役所からお釣りを出してもらうことはできません。

例えば、750円の手数料を支払うために額面1,000円の小為替のみを送付した場合、250円分の小為替を返送してもらえる可能性は低いということです。

この場合には、額面1,000円の小為替は返却するので750円のものを再度送付するようにと市区町村役場から連絡が入ることが多いといえます。

再度送付することになると郵送費や時間が余分にかかってしまいますので、小為替は必要な額を同封するようにしましょう。

必要書類を入れて郵送する

最後に、必要な書類を入れて請求先の市区町村へ郵送します。

郵送先の課は「市民課」や「市民窓口課」など市区町村により名称が異なりますので、その市区町村役場のホームページなどで確認しましょう。

課の名称まで正しく書かれていない場合、返送までに時間がかかる場合があります。

また、郵送での請求はまとめて事務処理センターなどで行っている場合もありますので、郵送先についてもきちんと確認してください。

送付先を誤るとそのまま返送されてしまったり、回送してもらえるものの余分に時間がかかったりする可能性が高くなります。

郵送申請の際に同封すべき書類は、一般的に次のとおりです。

  • 記入済の請求用紙
  • 手数料分の定額小為替
  • 返送先を明記し切手を貼った返信用封筒
  • 運転免許証など本人確認書類のコピー

ただし、請求者と請求の対象となった人との関係が、その市区町村にある戸籍等から確認できない場合などは、追加の書類を求められる場合もあります。

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相続放棄はいつまでにすべき?

相続放棄はいつまでにすべき?

相続放棄はいつまでに行うべきなのでしょうか?

ここでは、相続放棄の期限について解説していきます。

相続放棄の期限は3ヶ月以内

相続放棄は、民法915条の規定により、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内にすべきとされています。

原則として、この期限を過ぎてしまうと、相続放棄をすることはできません。

相続が起きてからは何かと行うべきことが多く、あっという間に3ヶ月は過ぎてしまうでしょう。

相続放棄を検討している場合は、多忙の中でうっかり期限を過ぎてしまわないよう、早めに書類の取り寄せなど準備を進めるようにしてください。

事前の申立てで伸長できる

相続放棄の判断の前提となる被相続人の財産調査に時間がかかるなど、3ヶ月以内に相続放棄を行うことが困難である場合は、あらかじめ家庭裁判所へ申述することにより、相続放棄の期限を伸長してもらうことが可能です。

期限に間に合いそうにない場合には、必ず事前に伸長のための手続きをしておいてください。

この手続きをしないまま期限を過ぎてしまった場合には、原則として相続放棄は受理されません。

相続放棄の流れ

相続放棄の流れ

相続放棄の申述や受理は、どのような流れで進めるのでしょうか?

ここでは、手続きの流れについて解説していきます。

必要書類を準備する

まずは、前述した必要書類を準備することから始めましょう。

相続放棄をする人が被相続人の親や兄弟姉妹、甥姪である場合は必要書類が多いため、計画的に準備を進めてください。

家庭裁判所に申立てをする

書類が揃ったら、家庭裁判所へ相続放棄を申し立てます。

申し立てをする家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

近くであれば出向いた方が安心ですが、遠方の場合には郵送でも申し立てすることができます。

なお、郵送で相続放棄を申し立てる場合は、特に期限に余裕を持って申し立てをする共に、配達の記録が残る簡易書留などで発送するようにしましょう。

家庭裁判所から届く照会書に回答する

相続放棄の申述をすると、後日家庭裁判所から「照会書」が送付されます。

照会書が届いたら、すみやかに回答し返送してください。

照会書では、被相続人の財産の内容に関することや相続放棄をした理由、被相続人の生前の生活状況などが質問されます。

照会書の主な目的は、相続放棄の申述を本当に本人が自分の意思で行ったのかどうかの確認です。

相続放棄はとても大きな効果をもたらすため、万が一にでも他者がなりすまして申述した相続放棄が受理されれば大問題であるためです。

この照会書の回答をもとに相続放棄を認めるかどうかの判断が下されるため、もれなく丁寧に記載してください。

記載した内容によっては相続放棄が認められない可能性もあるため、注意が必要です。

相続放棄申述受理通知書を受領する

相続放棄が無事に受理されると、家庭裁判所から「相続放棄受理通知書」が送付されます。この相続放棄受理通知書は、ご自身で大切に保管しましょう。

相続放棄をしなかった相続人など、他者に相続放棄をした旨の証明書を交付する必要がある場合は、家庭裁判所から別途「相続放棄受理証明書」を取得してください。

相続放棄受理証明書は、郵送でも請求できます。

郵送で請求する際には、必要事項を記入した申請用紙に1件につき150円分の収入印紙と返信用の切手を添えて、相続放棄が受理された家庭裁判所に郵送します。

もしくは、家庭裁判所の窓口へ出向いて取得することも可能です。

その際は、印鑑や相続放棄受理通知書、運転免許証などを持って行ってください。

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まとめ

相続放棄は、受理されることではじめから相続人ではなかったこととなる、非常に強い効果をもたらす手続きです。

申述をする際は、その効果をよく理解してから行うようにしてください。

そして、相続放棄をするにはさまざまな書類が必要となるうえ、相続が起きてから3ヶ月以内という短い期間内に申述しなければ、相続放棄が認められなくなってしまう可能性が高くなります。

相続放棄を検討している場合は、相続放棄の期限は短いということを念頭に置き、相続開始後できるだけ早期から申述の準備に取り掛かることをおすすめします。

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2016年、司法書士試験合格。東京司法書士会所属。都内の司法書士事務所にて不動産登記を中心に登記業務全般に携わる。その後独立し、2019年、そうぞくドットコム不動産の立ち上げ期から参画し、プロダクトアドバイザーに就任。2021年、AGE technologiesへ入社。