民法改正案が国会で審議入り!

その他
この記事を監修した専門家は、
牛腸真司
税理士
立命館大学卒業2011年、税理士登録。税理士登録番号は118275。2012年 東京都港区益本公認会計士事務所(現税理士法人総和)にて資産税対策専任。2015年 千葉県税理士会登録。千葉県税理士会松戸支部広報部員。

 
こちらの記事は2018年6月6日に執筆された記事です

1.相続分野に関わる民法改正案が、審議入り

2018年6月6日、相続分野における民法改正案が、いよいよ衆院法務委員会で審議入りしました。
この新案は実に相続分野における法改正として、実に40年ぶりの見直しとなり、国会で成立すれば2022年春を目処に施行される予定です。
新案ではいくつかの改定におけるポイントがありますが、その中でも特に注目されている3つのポイントについて解説します。


被相続人=資産を残す人=亡くなった方
相続人=資産を受け継ぐ人=配偶者,子供,親戚など


そうぞくドットコム 不動産

2.新案の3つのポイント

配偶者居住権(新設)

新たに配偶者居住権という制度が設けられます。
これは、被相続人の死後も、配偶者が現在住んでいる自宅に住み続けられる権利を指します。
これだけ聞くと「現状でも、配偶者は遺産分割で自宅を相続することによって、住み続ける事はできるのは?」と思った方も多いかもしれません。
このように思われた方は、新制度について「住んでいた住居に賃料などを払うことなく利用し続けることを認める権利」だと認識すると良いかもしれません。つまり、自宅そのものの所有権を相続するというよりも、上記の権利を相続する事ができるのです。
これによって、どう変わるのか。端的に説明すると、配偶者居住権については実際の自宅の相続税評価額よりも、低い評価額で相続する事ができるのです。
こうすることによって、配偶者はこれまで相続財産の多くを自宅(不動産)が占めており、それ以外の財産(特に現金などの生活資金)が相続できていなかったという面を改善し、現預金についてもより多く相続する事ができるようになり、配偶者の生活が保護されます。
今までは、配偶者が不動産を、その他の相続人が現預金をという遺産分割になりがちでしたが、今後は配偶者にも現預金などの財産が渡るように、と考えて作られる制度です。

結婚20年夫婦の住居の贈与が特別受益の対象外に

※先にこちらの記事をお読み下さい [特別受益の持戻とは?] 結婚期間20年以上の夫婦の、住居に関する生前贈与について、特別受益の対象外となり、遺産分割の対象財産とはならないという制度ができるようです。
現行では、上記の記事の通り、相続人が生前に被相続人から贈与などによって受け取っていた資産については、特別受益の持ち出しとして、遺産分割の際に考慮するとしていました。
つまり配偶者が自宅などの住居を生前贈与されていた場合、遺産分割の際に、その分の財産はすでに取得しているとしてされていました。
しかし、このままだと、配偶者が実質的に相続できる資産の割合が減ってしまうなどのデメリットがあり、この制度が検討されています。
こちらも、先ほどの配偶者居住権と同様に「配偶者の生活の保護」を目的とした新制度と言えるでしょう。

被相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭請求が可能となる

これまで、法定相続人以外の人物は、遺言で介護や看病などの対価として相続財産を受け取る事ができるという事を定めていない限りは、財産を受け取る事ができませんでした。
これを新案では、法定相続人でなくても、生前に介護や看病などで貢献した人は、金銭請求ができるようになるとしました。
これによって、法定相続人以外でも、生前に被相続人の面倒などを見ている人は、被相続人の死後、報酬を受け取る事ができるようになりました。
しかし、「法定相続人以外の人物でも」とは言いましたが、あくまでも親族に限られます。
つまり、生前にどれだけ被相続人の介護を献身的に行なっていたとしても、家政婦や、その他の親族以外の人物については、相続財産を受け取る事はできません。

まとめ

新案が具体的に施行されれば、上記のような制度が新たにできる予定です。
改正案が成立しても、施行されるまでには時間がかかりますが、特に「配偶者に関わる重要な制度」が多いため、一次相続を控えている人は、ぜひチェックして、まずは理解しておく事が重要です。

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牛腸真司
税理士
立命館大学卒業2011年、税理士登録。税理士登録番号は118275。2012年 東京都港区益本公認会計士事務所(現税理士法人総和)にて資産税対策専任。2015年 千葉県税理士会登録。千葉県税理士会松戸支部広報部員。