【2021】不動産の相続手続きは自分でできる?登記にかかる費用・必要書類

★不動産 相続 手続き 自分 で 不動産
この記事を監修した専門家は、

不動産の相続手続きを自分でやるには、手続きで使う書類を揃えて申請書を作成して役所に提出する必要があります。

初めて相続を経験する人の中には、「そもそも不動産の相続手続きは自分でできるのか?」「相続手続きは自分でやるのと士業に依頼するのと、一体どちらが良いのか」と迷う人も少なくありません。

そこでこの記事では、不動産の相続におけるポイントや自分で手続きをするときの方法について解説します。

仮に専門家に任せる場合でも、手続きの内容を理解した上で代行を頼めば、何もわからず何となく頼む場合より納得感をもって任せられます。

そのため、まずは手続きの内容を理解しておくことが大切です。

不動産の相続手続きは自分でできる?

★不動産の相続手続きは自分でできる?

家族が亡くなり相続が開始すると、死亡届の提出や遺産の相続手続きなどさまざまな手続きが必要になります。

さらに、遺産に家や土地などの不動産が含まれる場合は、不動産の名義を亡くなった人から相続する人に変更するための登記が必要です。

また、不動産のような高額な財産を相続するケースでは、相続税がかかることが多く、相続税がかかる場合には税務署に対して申告を行う必要があります。

そもそも登記と相続税の申告は、専門家に依頼しなくても自分でできるのか、まずはこの点について解説していきましょう。

相続登記は自分でできる

相続登記は、不動産の名義を故人から相続人に変えるために法務局で行う手続きです。

ここで、人によってはそもそも法務局に行ったことがなく、「法務局で行う手続き」と聞いて難しい手続きをイメージする人もいるかもしれません。

ただ、相続登記は専門家である司法書士でなくてもできますし、登記に必要な書類をあらかじめ確認して漏れなくそろえれば、自分でも手続きは進められます。

また、手続きをする際に法務局に提出する登記申請書についても、記載例が法務局ホームーページに掲載されているので、記載例を見ながら作成すれば特に問題はありません。

もちろん、慣れない人が自分で手続きをすれば、専門家がやる場合に比べて時間がかかる可能性はあります。

ただ、司法書士に必ずしも依頼する必要はないので、この後に紹介する手続き方法を確認して自分でできそうであれば、わざわざ司法書士に依頼せず自分で手続きをしてしまっても良いでしょう。

相続税の申告は一般的に税理士に依頼する

相続税の計算では専門的な知識が必要になり、一般の人が自分で相続税を計算することは容易ではありません。

相続税の計算や申告書の作成・提出は、自分でやらずに税理士に依頼するのが一般的です。

特に、遺産に家や土地などの不動産が含まれる場合には、特例の適用可否など難しい判断が必要になるケースが少なくありません。

相続税に強い税理士に依頼しないと、税負担の軽減につながる各種特例を適切に適用できず、税額が高く算出されて余計な税金を払ってしまう場合があります。

税額を高く計算して余計な税金を払ったり、逆に誤って過少に計算して後から罰金を科されたりすることがないよう、相続税の申告は税理士に依頼したほうが良いでしょう。

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相続登記のポイント

相続登記のポイント

相続登記の具体的な手続き方法を解説していく前に、まずは相続登記のポイントを確認しておきましょう。

相続登記のポイントは次の2つです。

相続登記のポイント
  • 法務局で手続きが必要
  • 登録免許税などの費用がかかる

法務局で手続きが必要

家や土地などの不動産が誰のものなのか、名義は登記簿に記載されています。

登記簿は法務局で管理されている書類です。

相続によって不動産の所有者が故人から相続人に変わるのであれば、名義変更の手続きである登記を法務局で行う必要があります。

家や土地の所有者が亡くなった後に、法務局で管理されている登記簿上の名義人が自動的に書き換えられるわけではありません。

自治体に死亡届を提出すると、法務局にも情報が伝わったり名義変更がされたりするわけではなく、不動産を相続する人による登記が必要です。

手続きは不動産がある地域の法務局で行う必要があり、一般的には窓口で直接書類を提出して申請するか、書類を郵送して申請します。

相続する人が不動産の所在地から遠い地域で生活している場合、法務局に行って手続きするのであれば、わざわざ不動産のある地域の法務局に行く必要があり、手間や時間がかかることがあります。

登録免許税などの費用がかかる

不動産の名義変更の手続きである登記は、無料でできるわけではない点には注意が必要です。

相続登記ではある程度の費用がかかるので、費用の支払いに充てるお金を準備しておかなければなりません。

費用の支払いに充てられる現預金が遺産に含まれる場合は問題ありませんが、不動産を相続する人が自分で資金を準備する場合は、いくら費用がかかるのかを事前に確認した方が良いでしょう。

自分で相続登記をする場合には、主に次のような費用がかかります。

相続登記でかかる主な費用
  • 登録免許税
  • 必要書類の発行費用

登録免許税は、登記をするときに納める税金で、税額は固定資産評価証明書に記載されている不動産の価格(固定資産税評価額)に税率0.4%をかけて求めた金額です。

たとえば、3,000万円の不動産を相続するのであれば、相続登記の際に12万円の登録免許税がかかります。

不動産を相続するパターンは3種類

不動産を相続するパターンは3種類

家族が亡くなると相続人が遺産を相続しますが、相続は大きく分けると次の3パターンがあります。

3種類の相続パターン
  1. 遺言による相続
  2. 遺産分割協議による相続
  3. 法定相続による相続

いずれのケースに該当するかによって、相続開始後の手続きの流れや不動産の相続手続きで必要になる書類が変わります。

まずは、それぞれが一体どのような相続なのかを押さえるようにしましょう。

1. 遺言による相続

財産を遺す人が生前に遺言を残している場合には、その内容に従って遺産を分けることになり、遺言書で指定された人が不動産を相続します。

相続人の間で遺産の分け方について話し合う必要は基本的にありません。

不動産を相続する人は、遺言書など一定の書類をそろえた上で、法務局で登記の手続きを行います。

なお、遺言書を作成していることや保管場所を本人から生前に聞いていればすぐに見つけられますが、遺言書を作っているのかどうかを本人から聞いていない場合もあります。

この場合には、遺言書が遺されているのかどうか、相続開始後に相続人が確認しなければなりません。

遺言書が保管されている可能性がある場所はいくつか考えられますが、例えば次のような場所で保管されていることがあります。

遺言書が保管されている可能性がある場所
  • 自宅の神棚や箪笥の中などで自筆証書遺言や秘密証書遺言が保管されている
  • 公証役場で公正証書遺言が保管されている
  • 法務局で自筆証書遺言が保管されている

そのため、亡くなった方の自宅で遺品整理を行って遺言書がないか探し、公証役場や法務局で保管されていないか、照会手続きを行いましょう。

自宅などで遺言書が見つかった場合は「検認」が必要になるので、見つかった遺言書は開封せずに家庭裁判所に持ち込んで検認を受けるようにしてください。

2. 遺産分割協議による相続

遺言書が遺されていない場合や、遺言書で一部の遺産の分け方しか指定されていない場合、相続人が2人以上いれば遺産の分け方を話し合う必要があります。

遺産をどのように分けるのかを相続人同士で話し合うのが遺産分割協議です。

遺産分割協議を通して誰が不動産を相続するのかが決まったら、その人が遺産分割協議書など一定の書類を揃えた上で、法務局で登記の手続きを行います。

なお、遺産分割協議にはすべての相続人が参加しなければならず、一人でも欠けた状態で行った場合は無効です。

相続開始後には、故人の出生から死亡までのすべての戸籍を取り寄せて相続人調査を行いますが、その中で判明した相続人が全員遺産分割協議に参加しなければなりません。

なお、遺産分割協議は直接集まって開催しても、電話やメールなどで意見を交換して行っても構いません。

そして、誰がどの遺産を相続するのかが決まったら、合意した内容を遺産分割協議書としてまとめて、参加者全員が記名押印します。

遺産分割協議書は、参加者の人数分作成して、各自が1通ずつ保管することが一般的です。

3. 法定相続による相続

どの相続人がどれだけの遺産を相続する権利を持つのか、相続権の割合として法定相続分が法律で決まっています。

法定相続による相続とは、相続人が2人以上いる場合に、不動産を法定相続分に基づいて各相続人が相続する方法です。

例えば、遺産分割協議を行っても話し合いがつかない場合に、とりあえず各自の法定相続分に基づいて相続して、不動産を相続人全員の共有状態にする場合があります。

相続登記の手続きは、必要書類さえ準備できていれば全員で行う必要はなく、不動産を相続する人の誰か一人が手続きをしても構いません。

なお、各相続人が法定相続分に基づいて相続した家や土地を売却する場合には、共有しているすべての相続人の同意が必要になります。

法定相続による相続自体が不動産の有効活用の妨げになるケースも多いので、相続の仕方としてはあまりおすすめできない方法です。

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自分で相続登記をするときの手続きの流れ

自分で相続登記をするときの手続きの流れ

不動産を相続する人として遺言書で指定された人や、遺産分割協議によって不動産を相続することになった人は、不動産の名義を亡くなった方から自分に変更する登記を行います。

土地や家の相続登記を行うときの手続きの流れは次のとおりです。

相続登記をするときの手続きの流れ
  1. 手続き書類を集める
  2. 登記申請書を作成する
  3. 法務局に書類を提出する
  4. 登記完了予定日以降に書類を受け取る

手続き書類を集める

相続登記で必要な書類の種類は、「遺言に基づく相続登記」「遺産分割協議に基づく相続登記」「法定相続分に基づく相続登記」のいずれに該当するかで異なります。

住民票や固定資産評価証明書など、共通して必要になる書類もありますが、自分がどのケースに該当するのかを確認した上で、必要な書類を漏れなくそろえるようにしてください。

また、以下では一般的に各ケースで必要になる書類の一覧を紹介しますが、追加で書類が必要になる場合があります。

そのため、実際に手続きをするにあたっては、法務局に直接確認した方が良いでしょう。

遺言に基づく相続登記で必要な書類

遺言に基づく相続登記では、一般的に次の書類が必要になります。

遺言に基づく相続登記の必要書類
  • 固定資産評価証明書
  • 遺言書(検認を受けた場合は検認済証明書も必要)
  • 被相続人の死亡時の戸籍謄本、住民票の除票
  • 不動産を相続する人の戸籍謄本と住民票

遺言に基づいて不動産を相続する場合は、この後に紹介する2つのケースと異なり、被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本は死亡時のものだけで構いません。

上記で記載した書類を役場で取得して揃えるようにしてください。

遺産分割協議に基づく相続登記で必要な書類

遺産分割協議に基づく相続登記では、一般的に次の書類が必要になります。

遺産分割協議に基づく相続登記の必要書類
  • 固定資産評価証明書
  • 遺産分割協議書
  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、住民票の除票
  • すべての相続人の戸籍謄本と印鑑証明書
  • 不動産を相続する相続人の住民票

遺産分割協議に基づいて不動産を相続する場合は、そもそも誰が相続人で遺産分割協議の対象者だったのか、法務局が確認する必要があります。

そのため、被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本については、出生から死亡まですべての戸籍謄本が必要です。

上記で記載した書類を役場で取得して揃えるようにしてください。

法定相続分に基づく相続登記で必要な書類

法定相続分に基づく相続登記では、一般的に次の書類が必要になります。

法定相続分に基づく相続登記の必要書類
  • 固定資産評価証明書
  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、住民票の除票
  • すべての相続人の戸籍謄本、住民票

法定相続分に基づいて不動産を相続する場合も、誰が相続人なのかを法務局が確認する必要があります。

そのため、被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本については、出生から死亡まですべての戸籍謄本が必要です。

上記で記載した書類を役場で取得して揃えるようにしてください。

登記申請書を作成する

相続登記の手続きでは、登記申請書を作成して、さきほど紹介した必要書類とともに提出する必要があります。

登記申請書とは次のような書類で、不動産を相続する人や登記対象となる不動産に関する情報、登録免許税の税額などを記載する書類です。

登記申請書の記載例

出典:不動産登記の申請書様式について(法務局ホームーページ)

登記申請書の用紙は、次のサイトからダウンロードできます。

遺言・遺産分割協議・法定相続それぞれのケースに対応した雛形が掲載されていて、記載例も掲載されているので、記載例を確認しながら申請書を作成するようにしてください。

なお、登記申請書に記載する不動産に関する情報(不動産の表示)は、登記事項証明書の内容を書き移すことになります。

登記事項証明書は法務局で申請すれば発行できるので、手元にない場合にはまずは登記事項証明書の発行手続きを行ってください。

法務局に書類を提出する

必要書類をそろえて登記申請書を作成できたら、法務局に提出します。

提出先は、不動産の所在地を管轄する法務局です。

一般的には、法務局の窓口に書類を持参して直接提出するか、郵送で提出します。

なお、窓口で提出する場合は、法務局が開いている時間が平日の午前8時30分から午後5時15分までである点に注意してください。

登記完了予定日以降に書類を受け取る

書類に不備などがなく問題が特になければ、一般的に法務局に書類を提出してから1週間から10日ほどで登記が完了します。

登記が完了すると登記完了証と登記識別情報通知書が発行されるので、登記完了予定日以降に法務局に行って受け取るか、郵送してもらって受け取りましょう。

不動産の相続手続きは自分でやる?専門家に依頼する?

不動産の相続手続きは自分でやる?専門家に依頼する?

ここまで、不動産を相続するときの手続きの流れなどを紹介してきました。

自分で問題なく手続きができそうであれば、わざわざ費用をかけて専門家に依頼する必要はないので、自分で手続きを進めましょう。

ただ、中には「自分でミスなく手続きをする自信がない」「自分でやるか専門家に頼むか迷っている」という人もいるでしょう。

ここでは、相続登記の手続きを自分でやる場合・専門家に依頼する場合それぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。

自分でやると費用は抑えられるが手間がかかる

不動産の相続手続きを自分でやれば、専門家に報酬を支払う費用がかからずに済みます。

一般的に司法書士に依頼する場合は6~9万円ほどかかるので、この金額だけ費用を節約できる点がメリットです。

ただし、市区町村役場に行って必要書類をそろえたり、法務局に行って書類を提出したりと、時間と手間をかけてすべてを自分でやらなければなりません。

さらに、慣れていない人が自分で手続きをすれば、書類に漏れがあったり登記申請書の記載に不備があったりして、手続き自体に時間がかかる可能性もあります。

専門家に依頼すれば手続き負担がかからずスムーズに終わる

登記の専門家である司法書士に依頼すれば、相続登記の手続きがミスなくスムーズに終わります。

必要書類の取得から法務局への書類の提出まで任せられるので、自分でわざわざ役所に行く手間はかかりません。

ただし、司法書士に依頼すると費用がかかる点がデメリットなので、実際に依頼するかどうかはメリットとデメリットを比較して決めることになります。

相続する不動産を売却する予定で早く登記の手続きを済ませたい場合や、自分で平日に役所に行く時間が取れない場合、また自分で手続きをする自信がない場合などは、司法書士に依頼しましょう。

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まとめ

不動産の相続登記は自分でもできるので、手続きで必要な書類を確認して漏れなく揃えた上で、登記申請書とともに法務局に提出しましょう。

相続税の申告については、一般の方が自分で税額を計算したり申告書を作成したりするのは難しく、相続税に強い税理士に依頼することをおすすめします。

また、相続登記についても、自分でやる以外に専門家に依頼する方法もあるので、手続きを自分で進める自信がなければ司法書士に相談するようにしてください。

そうぞくドットコムでも相続登記についてのサービスを提供しているので、手続き方法がわからずお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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