預金の遺産分割協議書への記載方法は?預金を相続する場合の雛形・手続きの流れ・必要書類

遺産分割協議
この記事を監修した専門家は、
呉村成信
司法書士
2016年、司法書士試験合格。東京司法書士会所属。都内の司法書士事務所にて不動産登記を中心に登記業務全般に携わる。その後独立し、2019年、そうぞくドットコム不動産の立ち上げ期から参画し、プロダクトアドバイザーに就任。2021年、AGE technologiesへ入社。

遺産をどのように分けるのかを相続人で話し合って決めた場合、協議した内容を遺産分割協議書に記載します。

遺産に含まれる財産はケースによって異なりますが、遺産に銀行預金が含まれるケースが多く、さまざまな財産の中でも特に遺産分割協議書に記載することが多いのが銀行預金です。

預金を相続する場合、遺産分割協議書に何の項目を記載するのか、金額まで記載しなければならないのか悩むことがあるため、遺産分割協議書の書き方をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

この記事では、遺産に銀行預金が含まれる場合の遺産分割協議書の書き方や、銀行預金を相続するときのポイントについて解説します。

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書が必要になるケース

遺産の分け方について相続人の間で話し合うのが「遺産分割協議」、協議した内容をまとめた書類が「遺産分割協議書」です。

家族が亡くなり相続が開始したとき、遺産分割協議が必要な場合と不要な場合があり、たとえば次のケースでは遺産分割協議が必要になるため、協議して合意できたら遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書を作成するケース
  • 遺言書が遺されていないまたは遺言書で一部の遺産の分け方しか指定されておらず、相続人が2人以上いて遺産の分け方について話し合って決める場合
  • 遺言書が遺されているが、相続人全員の合意のもと遺言と異なる形で遺産分割を行う場合

遺産分割協議書は法律で作成が義務付けられた書類ではありませんが、遺産の相続手続きで提出しなければならない場合があるため、遺産分割協議を行った場合は実質的に作成が必須となります。

たとえば、遺産分割協議をして遺産の分け方を決めた場合、不動産の相続手続きである登記を法務局でする場合や、相続税の申告を税務署でする場合、遺産分割協議書の提出が必要です。

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【雛形】預金を相続する場合の遺産分割協議書

遺産分割協議書(預金)

この雛形はあくまで一例で、遺産分割協議書に決まった書式は特にありません。

パソコンで入力しても手書きで作成しても良く、基本的に自由に作成できます。

一般的に遺産分割協議書に記載する事項は次の事項です。

遺産分割協議書の主な記載事項
  • 被相続人(亡くなった人)の氏名と死亡日(相続開始日)
  • 相続人のうち誰が何の財産を相続するのか、遺産相続の具体的な内容
  • 相続人全員で合意した旨や遺産分割協議書の作成枚数、作成日

また、遺産分割協議書の最後に署名欄・押印欄を設け、署名は自書で、押印は実印で行います。

遺産の相続手続きをする際、遺産分割協議書と一緒に相続人全員分の印鑑証明書を提出するケースがあるため、認印ではなく実印で押印してください。

署名欄については本人が自書すべきですが、字が書けない状態にある相続人がいる場合は、氏名部分をパソコンで入力して押印のみ本人が行う形でも構いません。

どこの銀行の口座か分かるように情報を正確に記載する

遺産分割協議書では、誰が何の遺産を相続するのか、明確に記載することが大切です。

たとえば、「銀行預金は相続人〇〇〇が相続する」と書いてしまうと、どこの銀行の預金を指しているのかわかりません。

何の遺産を相続するのか明確に記載されていないと、相続人同士で後々トラブルになる可能性があり、また銀行などに提出しても遺産分割協議書として意味をなさない場合があります。

そのため、銀行預金を相続する場合は、銀行名・支店名・口座種類・口座番号・名義人をすべて遺産分割協議書に記載するようにしてください。

この項目をすべて記載すれば、どの銀行預金のことを指しているのか明確になり、誤解を生んだりトラブルになったりする可能性がなくなります。

預金額は記載しても記載しなくても良い

預金額は遺産分割協議書に記載しても記載しなくても良く、記載するかどうかは自由です。

預金額を記載すれば金額が明確になりわかりやすくなりますが、他にも多くの遺産があって全遺産の金額を記載するのが面倒であれば、預金額も含めて金額を記載しない形に統一しても良いでしょう。

また、預金額を記載すると、実際に預金を引き出すときまでに生じた利息の分だけ金額に差が生じてしまうことがあり、遺産分割協議書に記載された金額と実際の相続額に差が生じる場合があります。

利息の取扱いについても遺産分割協議書に記載しておけば問題ありませんが、記載する事項が増えて手間がかかるので、最初から預金額を記載しない方法がおすすめです。

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銀行預金を相続するまでの手続きの流れと必要書類

銀行預金を相続するまでの手続きの流れと必要書類

家族が亡くなり相続が開始した後の手続きの流れは、遺言書が遺されている場合と遺されていない場合で異なります。

遺言書を作成しているかどうか、生前に本人に確認して遺族が把握している場合は問題ありませんが、生前に確認していない場合は、まずは遺言書があるかどうかの確認が必要です。

遺言書が保管されている可能性がある場所
  • 亡くなった人の部屋のタンスや神棚の中に保管されている
  • 弁護士や司法書士などの専門家に預けている
  • 公正証書遺言が公証役場で保管されている
  • 自筆証書遺言が法務局で保管されている

亡くなった人の部屋で遺品整理を行う中で遺言書がないかどうかを確認し、公証役場や法務局に行って遺言書が保管されていないか照会を行いましょう。

そして、遺言書の有無を確認したら、遺産分割協議を行って遺産の名義変更手続きなどを行います。

ここでは、遺言書があって預金の相続者が決まっている場合と、遺言書がなく遺産分割協議で預金を相続する人を決める場合、それぞれのケースで手続きの流れと必要書類について解説します。

遺言で預金の相続者が決まっている場合

誰が預金を相続するのか遺言に書かれている場合は、遺言に従ってその人が預金を相続します。

遺言ですべての遺産の相続先が決まっている場合、基本的に遺産分割協議を行う必要はありません。

遺言に基づいて銀行預金を相続する場合、一般的に次の書類が必要になります。

遺言に基づいて預金を相続するときの必要書類
  • 遺言書
  • 被相続人(亡くなった人)の戸籍謄本または全部事項証明書(死亡が確認できるもの)
  • その預金を相続する人(遺言執行者がいる場合は遺言執行者)の印鑑証明書

なお、預金の相続手続きの流れや手続き時の必要書類は、金融機関によって異なる場合があります。

そのため、亡くなった人が口座を持っている金融機関に個別に連絡して、手続きの流れや必要書類を確認するようにしてください。

たとえば、亡くなった人が口座を開設していた支店に行かないと手続きができない銀行もあれば、どの支店でも手続きができる銀行もあり、手続きの流れは金融機関ごとにさまざまです。

また、手続き書類を提出してから預金の払戻しが完了するまでに要する期間は、公式ホームページで1~2週間程度と記載している金融機関が多いものの、それより長い期間を要する場合もあります。

遺産分割協議で預金を相続する人を決める場合

遺言書が遺されておらず、遺産を相続する相続人が2人以上いるような場合は、遺産分割協議を行って誰が預金を相続するのか決めることになります。

遺産分割協議を行って誰が預金を相続するのかが決まったら、銀行で預金の払戻し手続きを行いましょう。

遺産分割協議に基づいて銀行預金を相続する場合、一般的に次の書類が必要になります。

遺産分割協議に基づいて預金を相続するときの必要書類
  • 遺産分割協議書(法定相続人全員の署名・捺印があるもの)
  • 被相続人(亡くなった人)の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
  • 相続人全員の印鑑証明書

なお、預金の相続手続きの流れや手続き時の必要書類は、金融機関によって異なる場合があるので、手続きをする金融機関に直接確認するようにしてください。

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銀行預金を相続するときのポイント

銀行預金を相続するときのポイント

最後に、銀行預金を相続するときのポイントを紹介していきます。

実際に相続手続きをするときには、次のポイントを押さえた上で手続きを進めるようにしましょう。

銀行預金を相続するときのポイント
  • 亡くなった人の口座がある金融機関を漏れなく把握する
  • 相続手続きの流れは金融機関によって異なる
  • 預金の相続に期限はないが早めに手続きしたほうが良い
  • 遺産分割前の預金の引き出しはトラブルのもとになる
  • 預金の仮払い制度にはメリットもデメリットもある

亡くなった人の口座がある金融機関を漏れなく把握する

相続が開始したら、亡くなった人が一体どこの金融機関に口座を持っているのかを確認する必要があります。

遺品整理を行う中で、銀行のカードや通帳、金融機関からの通知物が見つかることが多いので、それらをもとに口座がある金融機関を把握しましょう。

なお、ある人がどこの金融機関に口座を持っているのか、一括して把握できるようなシステムはありません。

相続人が一つひとつ調べる必要があり手間がかかるため、できれば生前に本人に確認しておき、どの金融機関に口座があるのかを相続人になる人が事前に知っておくほうが良いでしょう。

相続手続きの流れは金融機関によって異なる

相続手続きの流れは金融機関ごとに異なるので、手続きの流れや必要書類は手続きをする金融機関に直接確認するようにしてください。

亡くなった人が口座を持っていて相続手続きが必要な金融機関が把握できたら、まずは「金融機関名+相続手続き」などのワードで、ネットで検索すると良いでしょう。

金融機関によっては、公式ホームページで相続手続きの流れについて掲載している場合があります。

ネットで検索すればその金融機関の公式ホームページが見つかり、相続手続きの方法を確認できる場合があります。

相続手続き専門の部署があり、その部署の連絡先が公式ホームページに掲載されている場合もあれば、直接支店に行って手続きをする場合もあるため、まずは手続き方法を確認するようにしてください。

預金の相続に期限はないが早めに手続きしたほうが良い

預金の相続をいつまでにしなければならないという期限はありません。

ただ、手続きをせず放置している期間が長くなると、たとえば次の相続が起きて権利関係が複雑になり、いざ預金の相続手続きをしようとしても手間がかかることがあります。

そのため、預金の相続手続きは、期限の有無にかかわらず早めに済ませたほうが良いでしょう。

なお、銀行預金は最後の取引日から10年が経過すると、休眠預金の扱いになり預金は民間公益活動等のために使われることになっています。

ただし、休眠預金になった後でも金融機関で相続手続きをすれば、相続人が預金の払戻しを受けることが可能です。

遺産分割前の預金の引き出しはトラブルのもとになる

口座名義人が亡くなったことを金融機関が知ると、その口座は凍結されて入出金などの取引が一切できなくなります。

しかし、金融機関が口座名義人の死亡を知るのは、一般的に家族が相続手続きのために連絡したタイミングです。

口座名義人が亡くなった場合でも、家族が連絡せず金融機関がそのことを知らなければ、口座は凍結されずそれまでと変わらず入出金などの取引ができます。

たとえば、高齢の親の銀行カードを子が預かり、生活費の引き出しなどを代わりに行うケースがありますが、口座が凍結されていなければ本人の死亡後でも家族が預金を引き出せるということです。

しかし、相続が開始した後に預金を勝手に引き出してしまうと、他の相続人とトラブルになる可能性があるため、遺産分割前の預金の引き出しは行わないほうが良いでしょう。

また、預金を引き出して使ってしまうと遺産を相続することを認めたことになり、相続放棄ができなくなる可能性があります。

亡くなった人に多額の借金があり、相続放棄ができなくなって相続人が借金を背負うことになっては大変なので、預金を含めた遺産の取扱いには注意が必要です。

預金の仮払い制度にはメリットもデメリットもある

遺産分割前の預金の引き出しは避けたほうが良いとお伝えしましたが、亡くなった方の口座から預金を引き出せないと遺族が生活で困る場合も実際にはあります。

たとえば、亡くなった方の銀行口座で、遺族の方も含めた家族全員の生活費を管理しているようなケースです。

このような場合は、預金の仮払い制度を利用すれば、口座凍結後であっても一定額まで預金を引き出すことができます。

葬式費用や生活費の確保で遺族が困る場合には、遺産分割協議書が作成される前でもこの制度を利用して預金を引き出しても良いでしょう。

ただし、預金を引き出して使うと相続放棄ができなくなる可能性があるため、相続放棄をする可能性がないかどうか、事前に確認してから預金の仮払い制度を利用するようにしてください。

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まとめ

遺産に銀行預金が含まれる場合、遺産分割協議書には銀行名・支店名・口座種類・口座番号・名義人を記載します。

記載内容が不明確だと後々にトラブルになる可能性があるため、遺産分割協議書を作成する際には、どこの銀行口座の預金を相続するのか、明確にわかるように記載することが大切です。

遺産分割協議書に決まった書式はなく基本的に自由に作成できますが、誰が何の遺産を相続するのかわかる形で記載し、署名部分は各相続人が自書して押印は実印で行うようにしましょう。

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呉村成信
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2016年、司法書士試験合格。東京司法書士会所属。都内の司法書士事務所にて不動産登記を中心に登記業務全般に携わる。その後独立し、2019年、そうぞくドットコム不動産の立ち上げ期から参画し、プロダクトアドバイザーに就任。2021年、AGE technologiesへ入社。